夜に書く
白紙見つめ10分
書きたいことを
探すと
一瞬一瞬の場面が
言葉が、声が
聴こえてきて
話しかけても
耳を傾けても
変わらない
届かない
さみしさに
潜る
夜は大げさに
静かで
歌いたがる
さみしさを
煽る
たられば
が
泳ぎ出す
息継ぎを
我慢して
苦しさを
膨らませる
起こったこと
より
起こせなかった
ことが
鈍く痛む
ない痛みに
つける薬は
見つからない
さみしさ
は
やさしさ
に
変わるだろうか
さみしさ
は
深い方が
強い方が
やさしさ
のために
なるのか
ほどほどの
さみしさは
心地よさに
成り代わって
夜に昇華されて
しまう
書きたいこと
に
煽られて
言葉が散ってゆく
かき集めても
散らばり
まとまろうとしない
あおい朝が
やってくる
さみしさは
くたびれて
眠り込んだ