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笑茉 & past future   作者: 相原紗侑
2/5

笑茉の決心

………………。

ウーーーウーーーウウウウーーーーー

夜中の町にサイレンが鳴り響く…



時は1940年。


笑茉(エマ)は目を覚ます。



遠くでサイレンの音が聞こえる。そんな気がした。

一度は飛んだ意識をもう一度飛ばしてというように笑茉はもう一度目をつぶった。


朝………。


気づいた時、もうサイレンの音は聞こえなかった。代わりに静かな風が笑茉を包み込んでいた。意を決して目を開ける。眩しい光が目に飛び込んでくる。

「お姉ちゃん、大丈夫?」

小さな男の子がてを差し伸べてくれた。

「ここは?どこ?」気づいたら聞いていた。

あやしまれただろうか?そう思ったが、男の子は

「東京」

とだけ呟いた。

「大丈夫?お母さん呼ぼうか?」

「ううん。大丈夫。ありがとう」

そう言って男の子がいなくなるのを待った。


周りを見渡す。初めて見る景色だ。コンクリートもなければ、ロボットもいない。本当に東京なの?笑茉は思った。

鉄どころか、金属すら見当たらない。ロボットを探す前にこの時代じゃないとあきらかにわかる始末だ。戻り過ぎたか…。間違っていたのか…。

そう思った瞬間だった。


ウーーーウーーーウーーーー

聞き覚えのあるサイレンが聞こえてきた。何事かとそのまま突っ立っていると、

「何してるの。早く逃げなさい。」

30代ぐらいの女性がさけんでいる。

周りを見渡すと、みんな走っていた。大人も、子供も。

「どこに逃げるんですか?」

「決まっているじゃない、防空壕よ。」

言われるがまま笑茉は走った。

大きな洞穴みたいなところに着くと、みんな体を縮こませて怯えていた。

「あんた、ここの者じゃないね」

おばあちゃんに話しかけられた。

なぜわかるのか。聞きながらすぐにわかった。

「服が違うから」

1940年の人々はみんな同じような服を着ていた。

気がつけばサイレンの音は鳴り止み、防空壕に居た人々はまた元の生活へと戻っていった。

「行くとこないなら、うちに来て良いよ」

さっきのおばあちゃんについていくことにした。

おばあちゃんの名前は 大田 リエ。夫に戦争で先立たれて、今は一人暮らしだそうだ。

そして、おばあちゃんに戦争について聞いた。

戦争って人と人が殺しあうんだと思った。ロボットと人じゃないんだ。

そこで笑茉は気づく。人と人が殺し合ったら、ロボットが無くても人間が滅んでしまう、と。

なんとか戦争を止めなければ。

戦争を止めなければ、ロボットの開発すらされない。そうなれば、未来が変わり、私やみんなは存在しないことになる。

そして決心した。

「戦争を今すぐ辞めさせなければ」

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