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笑茉 & past future   作者: 相原紗侑
1/5

The past future

時は3020年。


5時27分。


東京でひとりの女の子が生まれた。



名前は、笑茉(エマ)


ふっくらとした頰と、その頰に笑った時にできる笑くぼが可愛い、ごく普通の女の子だった。



笑茉はすくすくと育ち、10歳になる頃には身長が150センチを超えていた。







さて、その頃の日本といえば人口が減り3万人になっていた。


21世紀には70億人を超えた世界の人口も今では100万人ほどで200ほどの国も遂には10分の1になっていた。


人間に変わって世界を支配したのはロボットで、その数なんと60億を超していた。


笑茉が20になる頃には、ロボットによる大量殺人が行われるほどで世界中の人々(その頃には20人しか人間が生き残っていなかった。)は8階建ての建物、通称「human being tower 」で共同生活していた。



そして人間はある薬を開発する。

その名は


「The past future 」(過去の未来)


開発された薬とは、過去に戻る薬だった。



ロボットが開発された頃に戻り、開発を止めようと言うのだ。しかし、一つ問題があった。それは、ロボットが開発された時期が分からないことだ。


3030年からどのくらいさかのぼれば良いのか誰にもわからなかった。なので予想するしかなかった。そして作られたこの薬は、1090年の年月をさかのぼれる。


しかしここでまた問題が発生した。誰が飲むのか?


だが、これは案外早く解決した。


「笑茉」


20人全員が一致しての意見だった。






ーーーーーーーーーーーー出発の日ーーーーーーーーーー



笑茉はいつもより早く目覚めた。


外に出ていつもの景色を眺める。


もうこの景色が見られなくなるかもしれない。


そう思うと少し感傷的になる。


ロボットの製造をとめるということは、歴史を変えるという事だ。

歴史を変えるのだから、もしこの世界に戻ってこれたとしてもみんなが存在しているとは限らない。存在していても会えないかもしれない。


でもその方が良いと笑茉は思った。


もし成功したら、もし無事に帰ってきたら、みんなを探せば良いのだから。


リミットは40年。


実際には3年と少し。


笑茉はタイムスリップの手順を一つ一つ頭の中に思い描いた。


まず1940年、そこで1年過ごす。次は1960年、1990年…………。


そして最後は2015年だ。


3030年に残っている資料では少なくとも2015年には、ロボットがかなり進化していた。という事だ。


どんな感じなんだろう。笑茉は純粋にそう思った。


そしてその時は待たずしてやってきた。


出発の時。


覚悟は決めていた。


ゆっくりとそしてしっかりと、笑茉はその薬を飲み込んだ。




歴史をさかのぼる…







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