未知との遭遇
これからが本番です。どうかお楽しみくだはい。
……シュン…
どうやら移動が終わったようだ。
……なんだこの光景は!?
当たりは人の死体にあふれており、自分がいる魔法陣の周りにはクレーターができていた。
まさか、これは俺が?
まぁ、別にどうでもいっか。
えーと、こういうときは異世界ものは大抵ステータスとか見れたりするものだ。
「ステータスオープン!」
すると、俺のステータスが現れた。
レベル1
体力:200
魔力:999999999999
知力:120
筋力:200
素早さ:215
運:999
スキル:眼
なんだこの魔力の数値は!?
これだけ異常に高いぞ。
それと注目すべきポイントはスキルだな。
なんだよ眼って!?
もっと派手なのがよかったな。
こう炎とか爆発とか。
魔力が高くても魔法が使えなければ意味なくね?
なんか損した気分だな…
せっかくの異世界ものなのに…
俺はまだこの時知らなかった眼のスキルの強さを…
…タンッ…
「なんですか、この光景は!?
もしかしたらあの集団が悪魔の召喚に成功したのか?
そしたら一刻も速く召喚されたものを殺さなければ!」
急に現場の様子をみにきたであろう女が現れた。
暗殺者のような感じの女で、髪はロングの黒で地味な印象を受けるが美しい人であった。
でも、おかしいな?
なんか透明がかってるんだけど…
気になるものはそれを追求するまでだ。
すると、急にその女のステータスが現れた
レベル386
体力:220000
魔力:1690
知力:210
筋力:36008
素早さ:18782
運:1
スキル:透明化、気配遮断、危険察知、短刀使い
どうやら俺のスキルが発動したようだ。
魔力と運以外勝っているものはない。
そして、女は殺気だっている。
あれ?これ俺死ぬんじゃね?
異世界はいってすぐ死にましたって恥ずかしすぎじゃん。
とにかく命だけは守らなければ
「あの~、あなたはどちら様で?
よかったら助けてもらえると光栄なんですが?」
「貴様、私が見えているのか!?
こうなったらなおさら生かしてはおけませんね。」
なんか女が俺に見られていることに焦っている。
……そうか!
あの女のスキルで透明化があった。
んで、見られるはずがないのにみられていると…
…ヤバい!墓穴を掘った。
「世界の平和のためです。
覚悟してください。」
女が短刀を一本懐から取りだし、俺に切りかかった。
ステータス的にはかわせない一撃であったが、
…スッ…
俺はなんとか避けられた。
避ける瞬間俺が刺される光景がみえたのとそれを回避できる光景がみえた。
回避する光景になぞったおかげでなんとか回避できたようだ。
しかし、ピンチが続いていることに変わりはない。
「今のでおとなしく死んでおけばよかったのに。
こうなったら容赦をしないほうがよさそうですね。」
短刀を両手に携え一気に切りかかる。
…スッ…スッ…
またもや眼のおかげで回避することができた。
今度は相手の筋肉の動きを読み取れたおかげであった。
眼のスキル案外使えるな。
…カスッ…
「痛っつ!」
相手の攻撃がかすってしまった。
いくら眼で予測できるとはいえ、身体能力に大きな差がある。
回避し続けることなどできはしない。
「ようやく、かすりましたね。次で覚悟です。」
たぶんこれで終わるんだろうな。
今度は本格的に死を覚悟した。
……コテン…
とどめが刺されるというところで女が転んだ。
おいおいドジっこかよ!
よしこの隙に…
いや、逃げたところで追いつかれるだけだ!
ならば戦うしかない。
男に生まれたからには逃げなど許されないのだ。
「さぁ、かかってこい。
俺がお前に勝ってやる。」
「さっきまで、無様な様を晒していたのに、よくそんな口が聞けますね。(笑)
逃げようとしたほうが長く生きられましたよ。」
…シュン…
女は俺のところまで一気に間合いをつめた。
だが、スピードが速くても動きは見えている。
これに合わせてカウンターをぶち込んでやる!
「勝つのは俺だ!俺に従え!!」
……ピカン…ドンッ…
女にカウンターを当てることができた。
そのカウンターは本来なら当たるはずのない一撃ッ!
しかし女の油断と突然起きた目くらましで不可能を可能にした。
一瞬俺の眼が光ったが気にしないことにしよう。
「まだ、続けるか?
俺はまだやれるぞ。」
「いえ、もう結構です。
あなたにお仕えしましょう。」
「えっ!」
俺は不意をつかれた。
俺のほうが不利なことに変わりはないし聞き間違いだよな!?
「だから、あなたにお仕えするといっているのです。
こんなこと二度も言わせないでください。」
「いやいやいや、なんでこの状況で?
おかしいでしょ?
俺はパンチを当てただけでどうやらダメージも入っていないし。」
「それは、あなたのスキルのせいです。
あなたのスキルで強制的に服従するを得なかったのです。」
あー、そういうことか!
俺の眼のスキル優秀過ぎだろ。
「そうか。なら俺についてこい。
俺はやがて世界を支配する男だ。
仕えるのが他よりも早いぶんその方が格好もいいだろう。
なんたって1番目の部下だからな!」
「はいっ!従いますとも。
あっ、それとこの世界のこと教えましょうか?
この世界の情報には詳しいんですよ私!」
「あぁ、お願いする。
こちらの世界に来たばかりでなにもわからないからな。
情報が得られるのは助かる。」
「では、説明いたしますね。
この世界にはモンスターもいますが、他に精霊や妖精や悪魔や神などがいます。
モンスターとの区別の仕方は契約できるかできないかの差ですかね。
そして、精霊などと契約することでその契約した相手のスキルを使うことができるようになります。
そういった精霊などと契約した者達は契約者と呼ばれます。
契約者は通常一体しか精霊などと契約できないと世間で言われてますが、それは違います。
契約したものの魔力の分だけ自分の魔力で補わないといけないからです。
契約するために条件が必要なのも通常一体という間違った情報が流れる原因かもしれません。
」
「そうか。じゃあ、ステータスの一般的な数値はどれくらいか?
これを知ると知らないとでは大違いなんだよ。」
「ステータスですか。
ステータスはえーっと、忘れちゃいました!テヘッ」
「おいっ、さっき
『この世界の情報には詳しいんですよ私』
っていったばかりじゃないか!」
「いちいち、そんなキレなくてもいいじゃないですか!プイッ
冗談もわからない人ですね。」
「冗談はいいからさっさと教えろ。」
「はいはい、わかりましたよ。
いえばいいんでしょ。いえば!
一般的なステータスは
体力:100
魔力:100
知力:100
筋力:100
素早さ:100
運:50
ぐらいですよ。(ハンギレ)」
「んじゃ、俺は全部平均より上だな。」
「そうなんですか?
ちなみにどれくらいなのですか?」
「えっ!?、お前ひとのステータスみえないの?」
「はい。そうですよ。
だけどみえないのが一般的ですよ。
見えてたら一般人は冒険者になることなんてないと思いますよ。」
「冒険者ってなんだ?
ちなみに俺のステータスは
体力:200
魔力:999999999999
知力:120
筋力:200
素早さ:215
運:999
だ!」
「冒険者っていうのはですね
………って、えーー
魔力999999999999!?
それに運999ですって!?
他は冒険者からしたら大して優れていませんが
おかしいですよ!!」
「やっぱ、おかしいか。
いいだろーこの魔力?
魔力はわかるが運の数値はそんなに、驚くことか?」
「はい。私なんて1ですよ!1!
それに比べたらどんだけうらやましいことか。
まぁ、それ抜きにしても凄い数値ですが。
運は大事ですよ。あるゲームでは運のステータスが低かったら他のステータスが高くても無意味とまで言われるんですよ!
私なんてまさに…(泣)」
「運の大事さは理解したからどうか泣くのは堪えてくれ。
それよりも冒険者の話をしてくれ。」
「はい、冒険者っていうのは主にモンスターを討伐するのが仕事です。
モンスターは雑魚いやつでも一般人からしたらかなり強力ですので、冒険者の存在は欠かせません。
冒険者は憧れの対象となりやすく目指す人も多いですが
それによる結果はいうまでもないですよね?
だって一般人からしたら雑魚モンスターでもかなり強力なのですから。
そういった被害を減らすためにギルドというものがあり、集団で協力して強力なモンスターを倒し、レベルを上げていくわけです。
っと、まぁ冒険者についてはこんな感じですね。」
「なるほど、ギルドというものがあるのか。」
やっと本格的な異世界系になってきた!
これで俺もギルドに入り、いちやく有名に…
「えーっと、主様はギルドには入らないほうがいいですよ。」
「なんでだ!?」
「だって、主様は協調性のある人に見えないし、
何より契約者だからです。」
えっ、何それ聞いてない。
「何故、契約者だとダメなんだ?」
「……契約者はほとんどの場合、契約の対象が悪魔となる事が多く、その契約者達が問題を起こしたからです。
私の元契約者もそれに巻き込まれて消息不明になりました。
なので、悪魔は許せないのですよ。」
「お前にそんな過去があったのか。
なんで契約の対象が悪魔になることが多いんだ?
わからないならわからないでいいんだが。」
「それは契約の内容が簡単だからです。力を得られるかわりに他のものを傷つければいい。
召喚さえできれば契約は簡単なんですよ悪魔は!」
「俺が現れたときのようにか?」
「はい、あの魔法陣は悪魔を召喚するためのものであってたはずなのです。
なのに現れたのは主様と、
おかしくないですか?」
どうやら魔法陣といってもいろんな種類があるようだ。
「そんなにおかしいか?
まぐれだろまぐれ。」
…………ドカーン……バゴーン…
ここからそう離れていない街から物騒な音がした。
俺は退屈な事はだが平和まで嫌いというわけでもない。
俺と女はお互いに見合わせた。
「よしっ、いくぞ。」
「はい、ついていきます主様。
ちなみに私の名前は服部 梓です。
クラス名はアサシンです。
分類でいえば人間霊です。」
「そうか。話している時間がもったいない。」
「そうそう、言っておりませんでしたが、あなたのスキルで強制服従させても相手のスキルは得られませんよ。」
「そんな大事なことは早く言え。」
「でも私のスキルは問題ないですよ。もう私との契約は済んでいますから。
契約内容は秘密ですが別にいいですよね?」
「構わない、能力が手に入るだけ便利ってものだ。」
俺たちはようやく現場へと向かった。
読んでくださりありがとうございました。