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探索Ⅱ

俺たちはとりあえず話し合うことにした。


「我輩からすれば一度通じたことならばなんとかすればまた通じる可能性は高い…と思う。」


「確かにそうですね。ではまずはこの神殿の特性を考えることから始めましょう。そのためにもモナークあなたの得た情報を私たちに共有してください。」


「共有って言ってもなぁ…俺はただどんな物だったとしても俺のスキルさえ使えばいいって思って実行しただけだしな…。

まぁ感じたことといえばこの神殿の中が動いてるかのようだったな。何もしてなくても自分の居場所が変わったりよ!」


「居場所を?それはお前の体だけか?それともお前の周り一帯ごとか?」


しばらく沈黙の時間が流れる。


「周りごとだと思うぜ。主殿、それによって何か違いがあるのか?」


「まぁ結果には大した違いはない。ただ相手がやっかいかどうかだ。」


「やっかいとは?」


「我ではなく梓が答えてくれよう。なぁ梓?」


実を言うと俺は何も知らない。それもそのはずだ。俺はこの世界に来たばかりの上に元の世界はファンタジーとはほど遠いものだったのだ。ファンタジーについて俺の持っている知識といえば、漫画やアニメといった空想によるものだけだ。それが現実に起こりえるだろうと誰が考えられるのだ?元の世界の人では、今ここにいる俺だけがそれを実感している。

それでも予測ぐらいなら立てることも可能ではあるが、生兵法は怪我のもとだ。


「そうですねー。人の転移だけならなんとか転移を防ぐ方法も無くも無いのですが、一帯ごととなるとそれも無理ですね。」


「というと?」


「人を転移させるには詳しい位置が必要となるため透明化さえすれば防げる可能性が高いんですよ。まぁ何らかの方法で私たちの居場所が把握されている上に一帯ごとの転移となるとその発想も無駄なんですがね…。それに……。」


そういえば透明化があったな。この中では約一名を除いて使えるしな。その一名がどうなるかは俺には預かり知らぬところだ。まぁそれも無駄らしい。


「……一帯ごとを転移させられるほどの使い手だと私たちの意思で出られるものではなさそうですね。」


「使い手?梓よ、この現象は神殿の効果ではなく、誰かのスキルによるものなのか?」


「はい、そうですけどそれがなにか?」


梓は首をかしげながら答える。


「スキルによるものならば魔力や体力なんかを消費するんだよな?」


「はい、だからそれがどうしたって言うんです?」


梓はまだ不思議そうにしている。お得意の知力はどこに行ったんだろうか?


実際に俺やモナークの消滅のスキルなんかは魔力を消耗する。ならば…


「っていうことはいつかは相手も魔力が尽きるのではないか?お前たちよ。」


「まぁ、そうですけど…。そんなのって無……。ハッ!」


梓は忘れていたのだ俺の魔力を。梓はどうやら常識に囚われていたようだ。こんなファンタジーな世界に常識も何も無いだろうが。


「人間が神に勝てないと誰が決めた?」


「え?どういうことですか主殿?ただ俺たちのレーザーをブッパし続けるだけでいつか着けるはずですよね?何をこの女は不思議そうにしていたんです?」


再び沈黙が訪れた。そうただそれだけだ。たったそれだけのことがわからなくなっていたのだ。視野が狭まるとは恐ろしいことである。いや、スキルを使えば360度見渡せるけども…。

そんな冗談はさておき、その作戦で問題ないと思われる。周り一帯ごと転移させるほどのスキルだ。発動するために必要な魔力はかなりいるだろう。いくら神といえどもいつかは力尽きるはずだ。ましてや俺は魔力の前では…。


読んでくださりありがとうございました。

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