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ハーレム×女神の下僕=俺!  作者:
四章:指名手配(VRMMO)
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指名手配③

「あれっ、誰もいないね?」


 メイド服を着た少女からもらった剣を持って言う安木。

 誰からも襲われることのないステーションから出た後、すぐに襲われるのを想定して、剣を出していたのだった。


「以外だなぁ、」


 メイド服の少女からもらった杖を肩に乗せて言う藤原。

 誰からも襲われなかったので、二人とも拍子抜けしてしまったのだった。


「ま、まあ、そうだよね。いきなり襲われるかもって思ってたけど、自意識過剰だったのかな?」

「そうだな。昨日発表されたばっかりの指名手配だもんな。まだ、情報も出回っていないんだろう」


 誰も待ち構えて無さそうだったので安堵する安木と藤原。


「じゃあ、繁華街にでも様子を見に行ってみる?」

「そうだな、安木の言う様に、一通り王国内を見て回ってみるか。

 こことは違って、なんか変わってるかもしんないからな」


 と、藤原が言った時だったーー


 ーービュン!


 と、何かが藤原の頰の近くを物凄いスピードで通り過ぎる音が聞こえ、


 ーーストン!


 と、何かが木に突き刺さる音がする。


(えっ?)


 藤原が驚きながら、何かがなんなのか確認すると、矢だったのだ。

 矢が建物に突き刺さっている。


「危ない!」


 突き刺さっている矢を見ている藤原に、また飛んできた矢を剣で弾く安木。


「藤原、あそこに身を隠せるとこがあるから、行こう」

「わかった」


 安木と藤原は、たまたま扉の空いていた物置小屋の中に入る。

 物置小屋はボロく、穴が空いていたり、矢が壁を突き破ってくるので、ゆっくりとはできない。


「やっぱり、俺たちは待ち構えられていたみたいだな、」

「そうみたいだな、安木。俺たちを油断させる為に、いきなり狙ってこなかったみたいだな」

「って、藤原は、どこ行くんだ?」


 どこかへ行こうとする藤原の肩を掴む安木。


「早く逃げようと思ってなっ」

「な、何でだよ? 藤原も魔法を使って一緒に矢を防いでよ。

 こうやって話している間にもどんどん増えて行ってるんだからさっ」


 最初、矢が一本飛んできた後、少し時間が開いて次の矢が飛んで来た。

 なのに、今では、二、三本同時に矢が飛んで来る。

 どうやら、複数の人に囲まれているらしい。


「安木、そう言ったってな。防ぎ続けたって、いずれは、ジリ貧になってやられてしまうぞ。早く逃げようぜ」

「藤原は逃げるって言うけど、どこに逃げる気なんだよ? あてはあんの?」

「ない!」

「ないって……、逃げた先に誰かが待ち伏せしてたらどうする気なのさっ?」

「そん時は、そん時だ」

「そんな行き当たりバッタリな事を藤原は言って。やれやれだよ」

「だったら、安木はいい案があんのかよ⁉︎」

「ない!」

「ないんじゃ、早く逃げよう。

 ここにいたって一方的に狙われ続けるだけだろ⁉︎

 どっから飛んでくるのかわからない矢に、ずっと狙われ続けたくない。

 戦闘フィールドじゃないからダメージをくらわないといっても、矢に撃ち抜かれたくない」

「確かにそうだけどさっ」


 藤原の言う通りで、矢に撃ち抜かれたら痛くないとしても、精神的に痛そうだ。

 藤原の言っている事に一理ある、と安木が思った時だったーー


 ーー逃げるならこちらです。


 と言う声が聞こえてきたのだった。

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