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ハーレム×女神の下僕=俺!  作者:
二章:初期設定(VRMMO)
15/31

10組①

「おめぇ、昨日、川上と何があったんだよ!」


 朝の教室、ちょっと怒り気味の声で、安木は話しかけられた。

 短い髪を立て、身長が高く爽やかな印象を受ける藤原 敦だ。

 安木と藤原は中学時代から仲が良くなり、良く一緒にいる。


「なんだよ」


 安木はぶっきら棒に言う。


「なんだよじゃねぇーよ。

 昨日の帰り、川上を捨てて、金髪碧眼の美少女と一緒にどっかに行ったっていうじゃねぇーか?」

「何でそんな事を知ってんだよ」

「真里と川上が仲が良いのは知ってるだろ⁉︎

 川上が真里に話をして、俺んトコまで電話が来たって流れだ」


 真里とは小倉 真里。藤原の幼なじみになる。


「そんなに早く噂が広まるとは思ってなかったよ」

「で、その金髪碧眼の少女って、どんな奴なんだよ?」


 金髪碧眼の少女とは、狐川の事を言っているのだろう。


「……話さなきゃダメなのか?」


 誰も知らない自分だけのユニークスキルの説明を求められた時の様に安木は言う。


「当然だ。そうじゃなきゃ、俺は今日、真里と三時間電話をしなきゃならん」

「その方向で頼む」


 安木は狐川について誰にも話したくない。

 藤原が三時間電話する事によって解決できるならそっちの方がいい。

 別に藤原は異性を愛する感情はなくなってない。小倉は中学でトップファイブに入る程可愛い。そんな娘と三時間も電話ができるなんて、幸せじゃないか。


「ダメだ」


 厳しい口調で言う藤原。

 その後、みるみる内に顔が恐怖の色で染まる。小倉と三時間話した場合を想定しているのだろう。


(やれやれ、仕方がない)


 夜、三時間も話をしたら、何もできなくなってしまう。

 本当の事を話す事はできないけれども、表の設定だけは話してやろう。

 親友は大事だよね。


「その金髪碧眼の少女は、妹だ」

「妹? お前と髪も目も色が全然違うじゃねぇーか?」

「いや、なんだか、生まれつき色素が薄いらしく、体調が悪く入院してたんだ。

 昨日はたまたま出てきたらしい」


 狐川が神の力を使ってそういう事にした。

 この日本で本当にあり得ない設定を作ってくれたよ。本当に。


「本当かぁ? それなら、お前が生まれた時から一緒にいる川上が知らないのはおかしくねぇーか?」

「俺だって昨日知ったんだから仕方がないだろ」

「なんか胡散臭いけど……、」

「俺だって驚いている。だが、本当だ」


 どぎまぎしながら言う安木。

 本当の事になっているのだが、なんだか嘘をついている気分になってしまう。

 一方、藤原は冷たい視線を向け、


「まあ、俺は別にお前がどんな女と付き合おうが別にかまわない。

 が、俺に迷惑をかけるのだけはやめてくれ」


 と、言う。


(そういえば、安木、川上、藤原と小倉の四人で遊んだりしたな……。

 中学卒業記念も一緒にテーマパークに行ったし)


 中学生の時を思い出す安木。

 楽しかった。

 異性を愛する感情をなくし、狐川の下僕として働かなければいけなくなってしまったが、中学の時と同じ様に遊べるのだろうかと、不安になる。


「だから、男と女とかじゃなく、兄妹なんだって」

「はいはい」


 藤原がそう言った時ーー


「二人とも、遅れるから早く行くぞ」


 と、ボソッとした声が聞こえてくる。

 中学生の時から一緒に良くいる熊野 一郎だ。

 熊野は、顔はいいのだが、ただひたすらど変態だからもてない。


「そうか、VRMMOの授業で移動が必要なんだっけ、俺、あの授業は物凄く嫌いなんだけどなぁー」

「俺だって嫌いだけど、授業だから仕方がないだろ。ほら、行くぞ!」


 そう話し、三人で教室に向かったのだった。

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