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猫柳の花言葉は……5

AM11;00 龍神の滝近くの小屋


「ふぃ~、ようやく落ち着けるぞ。」

カグラ勝負の最中、突然の現人神化により体力を消耗しきり、眠ってしまったくーちゃんを家まで運び終えると、私達はアマテラス様と初めて自己紹介をし合った、大きな囲炉裏のある茶の間で休憩をしていた。


「それにしてもアマテラス様、かなり力持ちなんですね!ほとんど一人でくーちゃんを家まで運んで来たじゃないですか。」

「ま、まぁの!毎日の家事とか、食料の調達で山の登ったりしておるからの。知らない内に鍛えられておるんじゃろう。」

少し照れくさそうにしながら目を逸らすアマテラス様の態度を見た紅ちゃんが、


「ん、日頃のトレーニングは大事。いざって時に体力ないと困るからね。」

腕を組み、まったくもってその通りと言わんばかりの深い頷きをしているけど、……紅ちゃん?くーちゃんを運ぼうと背中に担いで、30秒も経たない内に「もう無理。」って言ったのは、あなただよ?

思わずツッコミそうになったが、私自身も、くーちゃんが寝てしまった時、運ぼうとしたがカグラ勝負の直後で、担ぐ力も残って無かったので人の事は言えない。


「そういえば茶の用意がまだじゃったな、少し待っておれ。」

「あぁ、いいですよ、私やります!アマテラス様こそくーちゃん連れて来て疲れてるんですから、任せて下さい。」

そう言って立ち上がろうとするアマテラス様を静止させ、代わりに私が部屋の隅にあるヤカンを取りに行く。


「すまぬの、宜しくお願いする。それにしても、まさかお空と夕華が現神化するとはの。」

「うん、私も驚いた。クーが夕華の所に飛び出して行って光った時には、もしかして、って思ったけど……まさか予想通りの事が起こるなんて。」

「そんなに凄い事なんですか?現神化あらがみかって、――――――はい、どうぞっ。」

お茶の準備が完了し、湯のみに淹れたてのあったかいお茶を注ぎ、アマテラス様に渡す。


「あぁ、すまん、有難く頂くぞ。――――――現神化は凄い事じゃぞ。まず、パートナーとなる式神を見つけた事自体が凄いのじゃ。……おぉ、茶柱が立っておる!」

目をキラキラ輝かせながら茶柱をじっと見つめるアマテラス様の次に、紅ちゃんにお茶を渡す。


「ん、ありがと。そうだね、自分の式神は一人しか居ないから、その相手を見つけるのが大変。生きてる間に出会えない人もいるしね。その証拠に、十六総家の中で私だけが式神を持ってないんだよね。というより、ウズっちがこの話してた気がするんだけど。」

そんな事もあったような、無かったような~。昨日の出来事の筈なのに、色んな事があり過ぎて整理しきれていない頭の中の記憶を掘り起こすと、確かにうずめさんが、「式神は一生に一度しか出会えない、運命のパートナーなんですよ~。」って事を言ってた気がする!

でもその時、紅ちゃん立ちながら寝ていたはずだよね?なんで知ってるの?


「睡眠学習~。」

と自慢げにVサインをしてみせる。くっ!紅ちゃんこういう所は器用なんだから!

ちょっとだけ不公平な勉強方法を感じつつ、今の話を整理すると、


「そ、そうなんだ。……って事はこれからくーちゃんが、私の式神になるってことっ!?」

自然と1つの答えが出てきた。まぁ、必然的にこの答えしか出てこないんだけどね。


「そうじゃの。」ずずずっ、とお茶を飲むアマテラス様。

「そだね。……熱っ!」と猫舌の紅ちゃん。

淡々と落ち着いた様子で語る二人を前に、式神を見つけるという一大ビックイベントの、少ししょぼくなってしまう。まぁ、あんまり凄い事をした実感が無いから別にいいんだけど。


「まぁ、それでじゃ、夕華に大事な話しがある。」

少しの間が空きカグラ勝負の時とは違った、真剣な表情で私の方をじっとみるアマテラス様。


「……夕華とお空のこれからについてじゃ。」

重たく開いた口から発せられた言葉に、まるで電気が流れた様な緊張感が私の背筋を走った。





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