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猫柳の花言葉は……2

「アクセス……認証……第一奥義ファーストスキル……起動。」

スクリーンに手をかざすと、またしてもスピーカーから声が聞こえた。

やっぱり、この声……くーちゃんだよね?確認の意味も込めてくーちゃんに「何か言った?」と、質問をしてみても、「何も言ってないよ?」と、何の事だか分からなさそうに首を傾げるだけだった。

どうやらくーちゃんは自覚の無いまま、話しているらしい。


(ゆうか、ゆうか!なんかわかんないけど、スゴイの来るよ!)

「えっ?凄いのって……何が?」

私の疑問に答えてくれたのは、後背部にある4つの巨大スピーカーだった。


さっきまで、ドンッドンッと重低音で一定のリズムを刻んでいただけなのに、私がスクリーンに手を触ると、音はゆっくりと鳴り止み、次の瞬間にシンバルの4カウントが入ると、華やかなメロディーが流れ始める。


「綺麗な曲……。」

思わず、カグラ勝負の最中だという事を忘れさせるほどの美しい音楽が、私の周りを取り囲む。


(うん!くーちゃんも、何かこの曲好き!なんだか、踊りたくなっちゃう!)

確かに、繊細なメロディーラインの中にも、力強いリズム感があり、気が付けば私も曲に合わせて、身体を小刻みに上下に動かしていた。


「でもなんでだろう、……この曲、聞いた事がある気がする。」

(ゆーかはこの唄しってるの?)

「ううん、知らない。」

初めて聞くはずなのに、懐かしさと切なさを感じる曲だった。しかし、そんなノスタルジック感に浸っている余裕は無く、着々とアマテラス様の攻撃は近づいてくる。


(ゆーか!もう火の玉当たっちゃう!どどど、どうしよう!)

流石にくーちゃんも焦り始め、姿は見えないがその声だけでオロオロと戸惑っているのは感じ取れた。


「大丈夫、何とかなるよ。」

そんな様子のくーちゃんと打って変わって、私の心は、水の波紋が一つも無い澄み切ったみずうみの如く、落ち着いていた。

そう……ただ、身体の感じるままに、カグラを舞えばいいんだ。


「くーちゃん、――――――始めるよっ!」

(う、うん!なんかよく分かんないけど、がんばるよ!)

覚悟を決めると曲のメロディーに合わせて、

花火が打ち上がったかの様に左腕を大きく振り上げる。そして心臓の鼓動を刻んでいくかの様に右の足首を上下させてリズムを取る。

それは、アカデミーでも習った事のないカグラ舞だった。そんな事を感じながら、さらに今度は、手足の動きを逆にして、さながら舞踏会で優雅に踊っているとでも思わせる動きでカグラを舞っていく。そうして行く内に、段々と身体の周りを水のカグラで覆われて行き、


(ゆーか、ゆーか!すごいよっ!くーちゃん達、水のなかにいるよ!)

うん、やっぱりイメージ通りだ!

私達は完全に水のカグラに包まれた。この第一奥義ファーストスキルと呼ばれるカグラを初めて舞うはずなのに、私はこのカグラの舞い方が分かってしまう。「何故か?」と聞かれても、頭の中から浮き出る様に分かってしまうのだから仕方が無い。

そして多分だけど、この技の使い方は……、


「くーちゃん!このまま、あの火の玉に突っ込むよ!」

(えぇぇ~っ!ゆーか、ほんとうに言ってるの?)

戸惑うくーちゃんに私は断言した。


「うん、本気だよ。本気と書いて本気マジだからね!」

(……わ、わかった!本気マジだったらしかたないよね!)

変な形で納得してくれるくーちゃんであった。そして、パンパンと自分の頬を叩いて気合を入れ、


「よっしっ、じゃあ気張って行くよ!くーちゃんっ!」

(うん!ぜんりょくぜんかいだーっ!)


そう言って、水球に包まれた私達は、迫り来る巨大な火の中に突撃していくのであった。











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