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日暮夕華VS天照大神1

「それでは準備はよいかの?」

「は、はい!いつでもいけます!」

いざアマテラス様と一対一で対峙してみると、かなり緊張感が身体を支配していくようだった。


どうしよう、作戦なんか全然考えてないよ!えっと、まずは、先手必勝で接近戦に持ち込む?でもそれじゃあ、アマテラス様の水刃で一気にやられちゃうよね?かと言って遠距離戦を仕掛けても、私のカグラ舞の形成スピードじゃ、アマテラス様には勝てないし、逆に蜂の巣にされるのがオチだよね!?

あ~、もう!どうしたらいい?どうすればいい?落ち着け、落ち着け、私!

確かあれだよね、手に人って3回書いて飲み込んで、手首に5円玉を張ると落ち着くんだっけ?いや、5円玉は酔い止め対策だっけ?

ダメだ……頭が回らない!


あたふたと焦っていると、後ろからくーちゃんがヒョコヒョコと近づいて来て、


「ゆーか!がんばって!くーちゃん、しょーぶの事とかわかんないけど、おーえんしてるよ!」

くーちゃん……そっか、そうだよね!この勝負はくーちゃんの外の世界に行きたいってアマテラス様にお願いするって約束もあるもんね。慌ててる場合じゃないね。

負けられない!依頼を達成する為にも、くーちゃんとの約束を果たすためにも!


「ありがとね、少し落ち着いたよ。私頑張ってくるよ!」

そう言ってくーちゃんの頭を撫でてやると、ひまわりが咲いたような明るい笑顔になった。か、可愛過ぎる!あまりの可愛さに、立ち眩み覚えるのを気合でカバーする。

いけないいけない、今はカグラ勝負に集中しないと!


「ん?お空と何か話しておったのか?」

「いえ、大した事じゃないんで!それよりも始めましょう、私達のカグラ勝負を!」

「かっかっ!さっきまでガチガチしておったのに急に威勢が良くなったの!まぁ、その方が気を使わなくていいんじゃがの。」

そう言って、両手をパンっと一拍して火の玉を形成すると、颯爽と戦闘態勢に入るアマテラス様。


「では、そろそろ始めるとするかの……お主のカグラ舞で、わらわを楽しませてくれ!」

アマテラス差の掛け声と共に、カグラ勝負の幕が上がる。



「まずは……先手必勝!」

色々作戦は考えてみたものの、結局、良い案は浮かんで来なかった。

それなら、戦闘開始と共に一気に距離を詰めて、相手の意表を突いて奇襲攻撃を仕掛けるしかない!

決して、特攻とか、神風アタックとかではないよ?そう、これは作戦!電光石火の如く懐に飛び込み、蜂の様に刺し、蝶のように舞う!言うなれば、ヒット&アウェイ!ゼロ戦並みの高い機動性を生かした、まさに電撃戦なのだ!


「かっかっ!甘いのじゃ!」

アマテラス様が、両足をタップダンスでもしているかの様に、2回タンタンと地面を軽快に叩くと、突如として土の壁が現れた。これは、土のカグラの中でも防御に特化したカグラ、土の障壁!


「ん~~~っ!」

壁に激突しそうになるギリギリの所で立ち止まり、特攻……もとい、奇襲作戦は失敗に終わった。


「かっかっか!いきなり突っ込んで来るとは思わなかったぞ!紅との勝負を見て、夕華は遠距離から慎重に攻めてくると思っておったんじゃがの、まさか特攻を仕掛けてくるとは!面白い戦法じゃの!」


まったく、驚かせれたぞ!なんて、アマテラス様はお腹を抱えて笑っている。

いやいや、本当はその作戦を考えましたよ。でも、仕方ないじゃないですか!遠距離攻撃しても、アマテラス様の方が、カグラの形成速度早いんだから、ジリ貧になるのは目に見えてますし……、しかも、奇襲作戦が、一か八かの特攻だってバレてるし!


「では、今度はこちらからじゃな!」

運動会のピストルを打ち鳴らすかのように腕を高らかに上げると、手中に火のカグラが形成される。


「夕華よ、お主、神とのカグラ勝負は初めてじゃろ?」

「は、はい!」

「なら、わらわの本質の能力は使わん。初陣相手にわらわが能力を使ってしまっては勝ち目が無いからの。正真正銘、カグラだけでの勝負じゃ!」

と言って、手に持っている、赤い火の塊を投げつけてくる。


「わ、分かりました!全力で行きます!」

向かってくる火の玉を相殺する為に、急いで水のカグラを形成する。火を消火するには水!これ鉄則!


「水の精霊さん、力を貸して!」

左腕を大きく半回転させ、精霊に舞を奉納。

そして左手に、水のカグラを形成してアマテラス様の攻撃を打ち消し合う。


「かっかっか!良いぞ、その調子じゃ!攻撃の相殺は、基本中の基本じゃからの!料理で言う所の、さしすせそじゃ!」

まだまだ余裕と言わんばかりに、冗談を交えながら攻撃をしてくる。

一方で、私のカグラ勝負を遠くの方で観戦している紅ちゃんと、くーちゃんはと言うと、


「ねぇねぇ、もみもみ。」

「ん、どしたの?」

「あーちゃんが言ってる、料理のさしすせそって、なぁに?」

「えっとね、料理の時に使う調味料の事だね。砂糖、塩、酢、洗剤、ソースの頭文字を取って、さしすせそって言うんだよ。勉強になったね。」

「そーなのかー、もみもみ、ありがとっ!もみもみは物知りだねー。」

「まぁね、何でも聞くといいよ。」


紅ちゃんが自信満々に鼻を伸ばして教えてるけど、最後の二つが大きく間違っている!

ソースは調味料じゃないし、何っ!?洗剤って!?お米、洗うの!?しかも純粋無垢なくーちゃんが、あっさり信じ込んでしまってる!このままじゃ、くーちゃんが将来、お米を洗剤で研いでしまう子にに育ってしまう!……後で本当の事を教えてあげよう。うん、そうしよう。


ちなみに、さしすせそは、砂糖、塩、酢、醤油、味噌の事であり、砂糖、塩、酢は世界中に存在する調味料に対し、醤油、味噌は日本独自の調味料で、ただし、類似する大豆発酵調味料は東アジアに存在―――、


「余所見しとる場合ではないぞ!」

顔面セーフでは済まされない、火の玉が顔スレスレの所を通過する。


「うわっ!……あ、あぶなかった。」

襲い掛かるアマテラス様の攻撃に、私の数少ない料理トリビアは、呆気なく掻き消されるのであった。




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