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カグラ士協会入会!!3

「それでは~、まず、このカグラ士協会がどういった場所なのか説明していきますね~。」


そう言ってうずめさんは、空中に浮いているコントロールパネルをトントンっと、軽くタッチすると、パネルが、三つに分散した。そして一つ目のパネルには、カグラ士協会について、と書かれてある。


「ここ、カグラ士協会では、現世、つまり人間界ですね~、そこの神社に集まるさまざまな願い事を、収集、統括しています~。そして、その願い事を依頼として、私達カグラ士が~、天界、高天原{タカマガハラ}に住まう神様に願い事を届けに行くために依頼を受けるのが、ここカグラ士協会です~。」


うんうん、これはアカデミーで習った事だから分かるね。

私はうずめさんの説明を、頭の中で繰り返しながら確認していく。


「そして神様に依頼を届けると、神様から護符が貰えます~、その護符をカグラ士協会に納付すると、依頼達成となります~。ぱちぱち~。」


うずめさんが、ぱちぱち~と言うのと同時に、パネルが依頼達成の文字に切り替わり小さな花火が飛び散る。

「でもですね、神様から護符を貰うためには、その依頼、願い事の本質を理解して~、神様の前で祝詞{のりと}を言わなければなりません~。そして祝詞を納得してもらうために、カグラ勝負をしないといけないのです~。」


う~ん、頭がぐるぐる回ってきたよ~。うずめさんは長い説明を、独特の間延びした口調で優しく説明してくれているんだけど・・・。

頭を抱えている私を気に掛けてくれたのか、紅ちゃんが一呼吸してから、


「つまり、カグラ勝負をして、神様に、願い事に必要な物は何か、を言えばいいの?」


なるほど!と私は思い、紅ちゃんに小声でありがとう、と言った。


「そうですね~。大体はあってるんですけど、祝詞は人それぞれの解釈があるんで、正解はないんですよね~。だから自分が、依頼に対してどう考えているかを、伝えればいいんじゃないかな~って、私は思います。少し難しいですね。うまく説明できなくてごめんなさいね~。」


うずめさんは少し照れくさそうにしながら、説明を続けてくれた。

おっとりした感じなんだけど、芯がしっかりしてる、そんな印象をこの時、私は思った。


「カグラ士協会の大きな役割としては、こんな感じです。この他にも、演舞訓練場や、式神調律場、ブティックやカフェがあります~。あとは、今日から夕華ちゃん達が暮らす事になる、寮がありますね~。

大体の日常生活で必要な物はカグラ士協会内でそろいますよ~。」


うずめさんが、手元の2つ目のパネルをスライドさせると、カグラ士協会内の全体地図が表示された。この時私はある事を思い出した。

そうだった、今日から私は寮生活をするんだった!カグラ士になる事と、初めての依頼を受けることで頭がいっぱいで寮に移ることなんか全然考えてなかったよ~。


ここ、カグラ士協会は、現世と高天原の間、次元のスキマと言う所に位置しており、協会の中は都市と言っていいほどの広さなのである。そこでカグラ士は、仕事をしながら生活を協会内で過ごすのである。

ただ、仕事が休みの時は協会の認証さえあれば、天界にも現世にも遊びにいったりすることもできるらしいんだけど。


「寮の割り振りについては~、今日の依頼を達成して、帰ってきてから案内しますね~。」


寮生活か~、ワクワクするな~、紅ちゃんと部屋が近かったらいいなぁ。そんな事を思いながら、うずめさんの話に意識を戻す。

うずめさんは、鼻歌まじりに三つ目のパネルをタッチして、画面を拡大させた。


「ではでは最後に、”式神”についてお話しますね~。これから一生のパートナーになるかもしれませんから、しっかり聞いてて下さいね~。」

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