カグラ士協会入会!!
午前09:05 カグラ士協会 受付前広場
「わぁ、広いね~、紅ちゃん。」
「そだね、全カグラ士が依頼を受けに来る場所だしね。」
私達は、朝の訓練が終わった後、始めての依頼を受けるべくカグラ士協会に来ていた。
カグラ士協会では現世、人間達が住まう世界にある神社とよばれる所に集まってくる、様々な願いを、私達カグラ士が神様に届けるための、依頼を引き受ける場所なのです。
え~っと、何ていったかな?現世で言う「郵便局」みたいなものって教わったんだけど。
「それじゃ、夕華、受付に入会届け出しにいこう。」
「うん!ようやくカグラ士育成アカデミーを卒業して、やっとカグラ士になれるんだね!ワクワクするね!」
ちなみに、カグラ士育成アカデミーっていうのは、カグラ士になるための学校で、私と紅ちゃんはそこでちょっとした事件で知り合ったんだけど、それはまた別のお話。
「夕華、何ぼーっとしてるの?置いてっちゃうよ?。」
紅ちゃんもワクワクしてるのかな?いつもの、ピシッ!とした歩き方ではなく、少し弾むような軽い足取りな気がする。
「あっ!待って、おいてかないで~。」
スタスタ先に歩いていく紅ちゃんに、置いて行かれないように私も足を急がせるのでした。
カグラ士協会 受付
「はい、アカデミーからの推薦状」
そう言って私より先に受付に着いた紅ちゃんは、受付の女の人に推薦状を渡していた。
「紅ちゃん、歩くのはやいよ~、あっ、これ私の推薦状です。お願いします!」
遅れて着いた私も、息を整えながら推薦状を渡した。
「はい~。アカデミーから連絡は届いてますよ~。元気な女の子が二人入会するって~。
え~っと、赤い髪の毛の子が、十五夜紅{もちづきもみ}さんですね。こっちの桃色の髪の毛の子が日暮夕華{ひぐらしゆうか}さんですね~。」
そう言って、間延びした口調で受付の女の人は、テーブル上に浮かぶコントロールパネルをスライドさせる。
「はい~、アカデミーからの推薦状を受理しました~。ではでは、十五夜紅さん、日暮夕華さん、両二名をここに正式なカグラ士として認定します~。ぱちぱち~。」
意外にもあっけなくカグラ士となった、私はポカーンと口をあけて、
「えっ、これで・・・おわり?」
「みたいだね。」
流石は紅ちゃん、どんなにあっけなくカグラ士となっても冷静だ!
「ではでは、新たに、カグラ士となったお二人には改めてここがどんなお仕事をする場所なのか簡単に説明しますね~。おっとっと、それより自己紹介が先ですね~。いけないいけない。」
そう言いつつ、受付の人は、ぽかりと頭にげんこつをした。
夕華と紅様がカグラ士になりました!ぱちぱち~。これからようやく二人の物語が始めれますね!(わくわく)