題5題目!!!!!
カツンカツンと、音がする……誰か来たのだろうか? ああ、今日もこの時間だったか……。流石の私でさえ、そろそろ限界が近づいてきてる。もし私が力尽きてしまったらどうなるんだろう……? きっと代わりの誰かが連れてこられるのだろうか? 可愛そうに……。
そんなことを思ってる内に、私の足下に紫色に光る魔法陣が出現した。
◇
「明けましておめでとう」
「おめでとうございます」
ここは、俺の家がある水仙峡。
この挨拶も何度目か……今日は三が日の最終日1月3日一年の始まりと言うことで、水神系統の神が、何人も新年の挨拶に来るのだが、そろそろ飽きてきた……
ん? あそこにいる子誰だろう? 見掛けない子だなあ
「君? 何してるの?」
「ああ! 水神様っ! あ、明けましておめでとうございますですっ」
「ああ、おめでとう。で? 君は何の神様なの?」
「わ、私ですか? 私は地下水の神です」
「ほう、地下水ね……地下水って事は、神よりも精霊とかに近いのかい?」
「ああ、まあ、そうなりますね。わわっ場違いですみません」
この後二言三言話したのだが、どうやら地神が、俺だけじゃなく地下水の神なのだから、水神にも挨拶に行けと言ったらしい。
「うん。遠いとこご苦労様。ゆっくりしていってよ」
俺はそう言い残すと、さっき挨拶を済ました知り合いの元へと行く。
「ああ、居た居た。おーーい雨神~~」
「ああ? んだよ」
「いやさ、ちょっと神様方のことで気になることがあるんだよ。それで、他の人に聞かれるとまずいかもしれないから、少し付き合ってくれないか?」
「ああ? まあ、少しだぞ。雪はここに残りな」
「うん。お姉ちゃん」
「ありがと」
そのまま俺は一休みしている人たちをかき分け、少し離れた茶室に雨神と共に入った。
「んで? 何が知りたいんだ?」
「金剛神様の事だよ。水神ここ長いんだろ? 何か知らないか?」
「いや、すまん。あまり、金剛神様の事は知らないんだ」
「見たことは?」
「それなら……あるけど……」
「どんな人だった?」
「あーえーと…………」
「……」
「……」
「そうだ、若々しくて綺麗な女の人だったよな……」
やっぱりそうか…………
「そうなのか……俺は男って聞かされてたんだけどな」
「そうなのか……? なんで?」
「分かんないから、こうやって古株の人たちに話を聞いてまわってるんだよ」
「そうなのか……ああ、なにか分かったら教えてくれよ」
「おうっ」
「あとさ……」
ん?なんだ?
「そのこと調べてるのあんまり大勢に言いふらさない方が良いとおもうぞ」
「ご忠告ありがと」
その日はそれで解散となった。
◇
「明けましておめでとう」
「おめでとうございます」
所変わってここは世界の上空『スカイ・キャッスル』
ここでは、神様達が日夜人間の生活について話してる…………。
今回は、中国の上空よりお送りします。
いやあさ、今年も始まったねえって、神になってから、そんなことはどうでもよくなってきたけど……
「突然だが、言ってなかった事がある。ここ数ヶ月の会議は何回か小説に起こして、人間が作ったサイトと呼ばれるとこに載せてるんだよ」
俺が突然そう言い出すと、みんなが慌てだした。
「え? え? そうなの? 水神?」
一番動揺してるのは火神。お年頃の女の子みたいだ。
次いで木神も慌ててる。風神は……まあ、安定の冷静さだ。
「おお~水神~グッジョブだよ~これで、信仰心もうなぎ登りだね~」
「そうかもな」
「じゃあ~今年初めの会議は~これからの小説について話すかな~」
「いいんじゃないか?」
おお! 地神が案外乗り気だ!
「じゃあ! じゃあ! 水神はこれから私のばすとは五割増しにして書いてぇ」
「却下」
ええ~~~~~と言いながら火神が真っ白になる。
「俺の肉体美を描写し続ければいいぞ」
「嫌だ」
はぁ? と雷神が本気で首をかしげている。
「……いっそ私出てなくていい(ぽっ)」
あれ? 風神もどことなく照れてる? やっぱりみんななにかしらの媒体で自分の事を発表されるのは恥ずかしいのか……
「だが! みんな! 安心しろ!! 俺の作品はほとんど読まれてない!!」
「「「「は?」」」」
みんなの声が重なる
「いやさぁ、所詮アマチュアの戯れ言だぜ? 誰がそんなの読むんだよ?」
「………………」
「まあ、でも、水神が頑張って書いたなら、それだけで良いんじゃないかな~」
そう、全知が言ってくれたのだが、
「納得できねえ」だの、「私たちを題材にして売れてないとか……幻滅ね」 とか言われまくって落ち込んだ……うん。落ち込んだ。
反省してこれからは、読みやすく、分かりやすく、面白く書いていく所存です。どうか~~~~~と言おうとしたのに、
「見せてみろ、今から推考作業をみんなでやる」
いつになく雷神がさっきから乗り気なのが気になるが、
「そういうことなら、みんなでやろか~!」
となってしまった訳で、今日は推考大会となった。
みんなで、あーでもない。こーでもない。と言い合うのは案外楽しく、勉強にもなったから、まあ、良しとしよう。
あとは、まあ、火神の意外な文才にびっくりしたって事だけか……。
そんなこんなで夕方
「終わった~~~」
「じゃあ! 本日は解散ということで~」
「お疲れ様です!」
ばらばらに帰ってくみんなは口々に「じゃ、あとは宜しく」と言い残していった。…………ん? 何が?…………うおっ!! ばらばらじゃんこの文章!!
俺はこの後、一人で文を繋げ、サイトにアップしていくという作業を延々としていったのだった…………
疲れた……
END
もう、明けましての季節でもないですねw
すみません。作者の土御門です。
えー1話から全て加筆修正したことについてと、地神の事を調べる水神について書いてみました。皆さんのお目に合えばと、思います。