第1題目
ここは世界の上空『スカイ・キャッスル』
ここでは、神様達が日夜人間の生活について話してる…………。
今回は、日本の上空よりお送りします。
「あつい~~~。あついよ~~~~。水神ー! 私が消えない程度の水気ちょうだぁぁぁい」
火神が訴えてくる。ちなみに言うと、こいつの家は代々神様になる人を選抜して送り込んでくる一族なのである。見た目は小学生、中身も小学生なのだが、じつは200歳という・・・・・・。実に神様っぽいな。年取らないとか。
あ、自己紹介が遅れたな。俺は水神。俺の場合は先代の水神一族が絶えてしまったため、人間から選ばれた神なのである。150歳だ。どう考えても先輩であるところの、火神のが馬鹿っぽいのはもう気にしないようにしている。
「日本のでは今夏なんだ! 暑いのは当然だ!」
「うう……(ぐすん)」
「うぉい!! 泣くなよ! 解った、じゃあ行動を選べ。暑いのか…………そうかそうか。じゃあ、お前と言う存在ごと大水を流されるか、俺から3m以上離れるかだな」
「なんでぇなんでだよぉ?? 」
そんな潤んだ瞳で上目ずかいをするよ。俺には効かないが、一般男性ならイチコロだぞ。
「理由;暑いから」
「確かに! 私、熱源体だけれど! でもひどいやひどいやーーーー」
あ、泣いた。
「あーあ、水神ぃーまた火神泣かせたのぉ? 懲りないねぇ」
はっはっはと笑ってるこの人は、木神。お姉さんタイプなのだが、妙に弄って来る。年齢は500歳らしい。らしいと言うのも前に聞いたときに殺されそうになったので、知ってそうな奴に聞いたのだが、誰も知らなかった為、入った時期から換算して割り出してみたのだ。俺と同じで人から選ばれた人なのだが、妙にこの職に慣れ親しんでやがる。異様に、と言うか、もう苛めかと思うくらいに絡んでくる。そう今も、こんな風に。
「違うよ! 木神! 俺、悪くねえし!」
「なーかせた! なーかせた! 」
要するに、うぜぇぇぇぇ
「お前達~~~そろそろ会議始めるぞ~~~~」
『はーい』
みんなの声が久しぶりに揃った笑える・・・・・・
ちなみに此処の議長、及び管理をしてるのは、全知全能の神だ、なんとまだ二代目という・・・・1000歳は越えてるらしい。男である。馬鹿である。阿呆である。幼児であるぅ! 見た目はそんなに変わらないのにぃっ!
「今日の議題~ 【この暑さを何とかしよう! 】」
「キタコレ!!!! 」
火神が急に元気になった。
「てかさぁー暑さの原因なんてさーとどのつまり、火神と、太陽の所為何じゃねぇの? 」
なんとまあ、ざっくりですな! 木神さん!
「「ちげぇし!(ますよ! )」」
このちょっぴり丁寧な言葉使いなのが、太陽神。最年少である。100歳行ってない。女。ただ、口調は丁寧なのだが、ここに来て直ぐの研修を木神が行った所為か、たまにその丁寧な口調で罵倒してくるのは本当にやめて欲しい。
ここで補足を加えておくと、実はここ、空調が壊れて暖房ががんがんに付いてるのである。夏なのに。うん。死ぬな、俺ら。干からびるぜ! これ。
神様の力でもどうにもならない。乾燥しすぎて、俺、力出ないしな。
「もう、どーでも良いから部屋変わろうぜ! 」
こいつは、地神。200歳。男。一番俺と長い奴、と言うのも俺の研修は研修上がったばかりのこいつがやってくれたからで、いまでも良き先輩として慕わせてもらってる。まあ、敬語使うつもりないけど。
「そうするか~」
って全知全能が言ったから。みんな起立した。
「何処が使えるか、見て回ろうぜ!」
流石は地神! 名案だね!!
てなわけで、散策開始!
「ねーねー。風神はどう思う? この暑さ 」
と、火神
「…………………………」
えっと、口数の少なさでは神様1の風神。女。250歳。そのあまりの無口さと、漆色の艶やかな髪が相まって沈黙の女神と呼ばれているらしいと小耳に挟んだことがある。
「反応して上げて!! 」
突っ込むわ! そりゃ突っ込ませてもらうから! ほら!火神の顔が居たたまれない複雑な心境を物語っているよ!
でも
「…………………………」
ですよねーーーーーー! 完っ全にスルーされた
「…うるさい。一つだけ言っておく。空調壊れてるなら、何処に行っても同じ」
『!!!!!!!!!!!!!! 』
みんなが一斉に振り返った。
まあ、薄々感ずいてはいたけどね。言わなかったんだよ。なんて言うか…………空気的に。
「あーらやだ確かにそうねぇ」
と、木神さん。無理に空気を戻そうとしてくれてる!! ありがたや~
「撤収~~~~」
全知全能の一言で、会議室に退散。
本当に、一体何の時間だったのだ?? 頭には疑問符しか浮かばない
「てなわけで~再び会議するよ~この暑さズバリどうする? はい!雷神! 」
「みんなで攻撃加えて空調破壊する」
えっと、この破壊的な思想の人が、雷神。男。500歳。結構年長者である。昔、強くなろうとしたらしく、その頃から鍛え続けてはやうん百年らしい。その所為か神様切っての筋肉馬鹿。いわゆる脳筋。破壊的思考が止まらない人。
これで、全員紹介し終わったな♪
「駄目だろ! それじゃ!」
流石に設備ぶっ壊すのは無しだろ!
「何でだよ? 暑いなら壊して止めりゃ良いじゃねえか。それとも、この糞みてぇに乾燥している中で、貴様水を作り出せるのか? 俺ら全員に潤いを届けられるのか?」
あーそれは、言っちゃ駄目だわ………………
「それは、この会議が始まる前に、出来ない! で解決した話じゃないですか! 」
おお~太陽! ナイスフォロ~!!
「まぁ、役立たずなのは否めないけどですね」
ぼそっと何言いやがったこいつ?? なんか、罵倒された気がするわ!
「水ちゃん。落ち込んじゃ駄目よ~何ならこっち来て甘えてみる~? 」
うわ~~~~んこんな時だけ優しいのは木神さんだけだ~~~~~~~
「は~よしよし」
「うわ~~~ん」
「じゃあ~水神が泣いたところで、暑いし、どうも修復班が戻って来たみたいだし~お開きにする~? 」
「そうだねぇ~」
あぁ? 泣いてねーし! 泣いてねーし! 誤解を招くなよ。全知全能め!
と言うかさ、全知全能と火神が一緒にいると、なんか、ほんわかしちゃうね~なんか、幼児見てるみたいなんだよね~
「てなわけで、かいさ~~ん」
みんなが口々にお疲れ~っと言って解散していく。
火神は、火に包まれ、木神は、木の葉に紛れ、風神は風に巻かれ…散り散りに自分の故郷へと帰っていく。
俺も帰るか~…ふん!………………………………………………………………………………あれ?
ああ~~~~~~~~~~~~~~~~~乾燥してるから、水が出ない!
帰れな~~~~~~~~~~~~~い。
「ねえ…………」
と、声を掛けてみるもの、既に会議室は空になっていた。
あ、みんな帰っちゃったのね。
結局この日は修復班の改修が終わるまで帰れませんでした。
end
初めまして! 作者の土御門 狐枯と言います!!
読んで貰えたのならば、とても嬉しいです!!
それでなんですが、もし良かったら、感想や質問、アドバイスなんかをいただけないでしょうか!
宜しくお願いします。