☆六話☆
あ~あ、落ちちゃいましたねぇ。
・・・って落ちたっ!?
大変です!早く助けないとっ!!
海に死体が浮いたりされると嫌ですからね。
べ、別にあのイケメン顔を近くで見たいからとかそんなんじゃないんだからねっ!!
・・・・・・。
...自分はツンデレ属性にはなれないことがよく分かりました。
はっ!!そんなことよりも早く王子様を助けてあげないとっ
あれ?この辺りに落ちたと思ったのですがいませんね。
あっ、私から結構下の方にいました。まあ、あの服すごく重たそうですしね。簡単にいうと、漫画とかにでてくるヨーロッパ風の国の王子様が着ている服と言えば良いのでしょうか。とにかく白タイツとかじゃなくてよかったです。
取り敢えず、王子様の元へ行きました。やはり、近くで見てもかなりのイケメンですね。眼福です。
ずっと見ていたいですが私にはやるべきことがあります。
王子様を早く引き上げればなりません。
窒息してしまいますからね。
...どこを掴んで引き上げれば良いのでしょうか?取り敢えず、手を掴みましょうか。
...泳ぎにくいですね。手がちぎれそうなくらい痛いです。
...仕方ありません。よっ、と
私は、後ろから王子様に腕を回して泳ぐことにしました。さっきよりも楽ですね。
やっと海面から顔を出せました。しかし、周りを見渡しても、さっきの舟が見当たりません。
あれ?
何度周りを見ても舟はありません。
ここは海のド真ん中です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・海のド真ん中に王子様を放置するわけにもいきませんよねぇ?
つまり、
王子をここに放置するわけにはいかない+周りに王子が乗っていた舟がない
=私が陸まで連れていかなければならない。
・・・。
あっそう言えば、私前世で人魚ってエラ呼吸なのか、肺呼吸なのかかなり悩んだ記憶があります。だって、海の中に住んでるし、だけど王子様を助けた時とか普通に陸に上がってるし...。ハッ!もしかして両生類!?とか考えました。しかし、人魚になった今謎が解けました。結論からいうと、どちらでもありません。人魚は海から直接エネルギーを得ることができるので呼吸をして酸素を得る必要がないそうなのです。
...なんでこんなことを急に話し始めたかって?
勿論、現実逃避に決まっているじゃないですか。
本音を言うと全力でここに王子様を放置していきたいです。
だって...
遠すぎるんだものっ!!陸が!!
私にあそこまで泳げと?
馬っ鹿じゃないの?
いくら何でも遠すぎるっ!!私の体力が持つかかなり怪しいわっ!!
よく目を凝らすとかなぁ~り遠くに陸があるのが何となく分かるという程度にしか陸が見えません。
しかし、何度も言うように王子様を海のド真ん中に放置するわけにもいきません。
仕方ないのであそこまで行きます。泳げるか否かは甚だ疑問ですけどね。
あぁ、でも泳げるとしてもあんなところまで泳ぎたくはないなあ..........................。
やっぱり、人魚って両生類何ですかねぇ。この話では両生類って何だか夢がないので違う設定をつけましたが実際はどうなんでしょうか?