☆二話☆
目が覚めると、薄い膜のようなものに覆われていた。
その薄い膜を私が触った途端、破れた。
「おぎゃ――――っっ!?」
『破れた――――っっ!?』
・・・私の声がおかしい。いや、私の耳がおかしいのか?
「うぎゃあぁ!?」
『どっちだ!?』
・・・あぁ、うん。私の声だな。うん...。
取り敢えず、ここどこだ?
「おんぎゃっ!?」
『ひえっ!?』
驚いた。周りを見渡すと小さい頃読んだ【人魚姫】にでてくるような人魚が6人いた。・・・しかも皆、絶世の美女である。
「産まれたわ。私達の末の妹が!!」
綺麗なオレンジ色の髪の美女が言った。
(うわっ!眩しい!!)
「えぇ、すぐにお父様に報告しなければ!!」
綺麗な翠色の髪の美女が言った。
(ん・・・?お父様?末の妹が産まれた?私が末の妹?じゃあ、もしかして...)
ちらっと目だけを動かし、足をみてみると
「んぎゃーー!!」
『足がーーっっ』
私、人魚になってるーーー!!
魚じゃなくてよかったあ。
いやいや、問題はそこじゃなくて...
と、いうかなんで人魚なんだ!?
「おーーぎゃーーーっっ」
『いーーやーーーーっっ!』
「あらあら、お腹が空いたの?」
さっきのオレンジ色の髪の美女がそういって、私を抱き上げた。
「ぎやーー!」
『違う!』
「はいはい。ちょっと待ちなさいね。」
だから違う!!お腹なんて空いてない。
ぐぅぅ~~~
...腹は正直だな。本能は偉大だ。
私も大人だ。いや、今は赤ちゃんっぽいが。
うむ。ここは好意に甘えようではないか。
私は、大人だからな。高校生を大人というかは怪しいがな。
ん?ちょっと待てよ?これって所謂、転生ってやつ?
こういうのって前世の記憶とか覚えていないものなんじゃないの?
なんで、高校生とか覚えてるんだ?
私がそんなことを考えていると、口に何かを押し付けられた。
「はい、お口を開けて、あ~ん。」
あ~ん
私は口を開いた。すると、小さな柔らかいものが入ってきた。味はしない。
それを何度か繰り返された後、私は眠くなった。
分からないことを考えても仕方がない。
取り敢えず、おやすみなさい。
短い...。頑張ったんだけどなぁ...。主人公の名前は次の話でだします。