☆十六話☆
夢ヲチ?夢ヲチだったのですか......?私は、翌日になると再び「ニャー」とか「ニャーン」とか「ニャアウ」とかしか言えなくなりました。
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そして月日が流れるのは、はやいもので、あれから1ヶ月が経ちました。ふふっ、もちろん猫の姿でですよ?人間の尊厳ですか?そんな生活の足しにもならないもの、海に置いてきました。
あれから、王子様は意味深なことをちょくちょく言ってくるようになりました。
ある時は、
「僕は、王太子なんだ。王と王太子だけが人魚と結婚することができるんだ。この国は人魚を神聖視しているからね。人魚を妻にできるものこそが王というような考え方が強いんだ。ある時、それが原因で大きな内乱が起きた。人魚は自分を巡って争う人間に絶望して消えたらしい。だから、二度と同じことを繰り返さないようにそれ以降はそう決められたらしい」
へ、へぇー。私にどんな反応を求めているのでしょうか。バレてます?バレてますよねっ!?完全に王子様、私が人魚だって分かってますよねっ!?それともただ猫をからかって遊んでいるだけですかっ!?私が仮にただの猫だとしたら、王子様は完全にイタイ人ですよっ!?その辺分かってますっ!?
また、ある時は
「僕の曾祖母は人魚だったらしい。」
王子様って人魚の血が入っているのですね。
また、ある時は
「海の中ってどんなところかなあ。行ってみたいなあ」
行って何をするつもりですか......。
また、ある時は
「ナナの父上はどんな方かなぁ」
わ、私の父上に会うつもりですかっ!?
また、ある時は
「ナナはどんな人が好き?」
私の好みを聞いてどうするつもりですか?ちなみに私はかなりの面食いです。つまり、王子様は超好みです。
まあ、答えようと思っても「ニャー。」しか言えませんけどね。王子様もそれが分かっているのにどうして聞いてくるのでしょうか。
ちなみに、
「ナナが人間だったらよかったのにな」
と、言われた時はかなりヒヤヒヤしました。私の前世まで知っているのかと思いました。
最近は、王子様と話しをすると疲れます......。
「ねえ、ナナ」
また、王子様に話しかけられました。
「ニャ、ニャー?」
『な、何ですか?』
つい身構えてしまうのは仕方がないと思います。
「少しだけ昔話をしようか」
そう言って、王子様が話し始めたのは私が知っている人魚姫の物語そのものでした。
そして、王子様は真剣な顔をしてこちらをじっと見つめました。私は、王子様の膝の上にいたので逃げることも叶わず、視線を王子様の膝の上にむけることしか出来ませんでした。
「ねえ、ナナ。僕は間違えないよ。」
私が、はっ、と顔をあげると悪戯が成功したというような顔の王子様と目が合いました。
「僕は、決して間違えない。」
王子様は、もう一度そう言うと私の顔にその綺麗な顔を近づけました。
最後におまけ話を一話つけるつもりですが、取り敢えずここで完結とさせていただきます。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。




