☆十四話☆
今日もいい天気です。
今、私は大量の書類と格闘中の王子様の膝の上にいます。私の重みが膝に心地よく仕事がはかどるのらしいです。乙女としては重みが気持ちいいと言われ微妙な気持ちですけども。今も心の中で「私の体重はリンゴ三個分。リンゴ三個分。私は重くない。リンゴ三個分。リンゴ三個分。」ってひたすら唱えています。
...誰だ!?今、「リンゴ三個分?んな訳ねぇじゃん。馬鹿じゃねぇの?」とか、言った奴!!
乙女の体重は、リンゴ三個分って太古の昔から決まってんだよ!!乙女のセオリーってやつなんだよ!!キテ○ちゃんにも聞いてみろ!いいか?よく、覚えとけよ?テストにも出るからな!!
「ナナ。」
王子様に呼ばれて上を向くと頭を撫でられました。どうやら仕事が一段落ついたようです。王子様が本格的に私に構い始めていますからね。
そう言えば王子様は何ていうお名前なんでしょうか?皆さん、殿下って呼ぶので、王子様の名前を聞いたことがないんですよね。いつか、尋ねてみましょう。まあ、元の姿に戻れれば、の話ですけど。
...それにしても、王子様の撫で撫では気持ちいいです。
王子様、最近撫で撫での腕をあげましたね?最近真剣に読んでいる【猫の飼い方~中級編~】のおかげですか?
王子様に撫でられる度に喉がごろごろなります。思わず、声も出ちゃいます。
「うにゃ、うにゃ。気持ちいいにゃあ。」
王子様の手がピタリと、止まりました。そして、私を凝視しました。どうしたのでしょうか?それにしても急に撫でるのを止めるのはやめて欲しいです。何だか物足りないような気になります。
「もっと!もっと撫でて!」
「え?あっ、ごめんね。」
王子様は、そう言って再び私を撫で始めました。ん...?ってちょっと待てよ、私。
「私がしゃべったあぁっっ!?」
「あれ?僕の台詞とられちゃった。」
王子様は、そう言って苦笑しました。
「そんなこと言ってる場合じゃないですよ!?猫がしゃべったんですよ?もっと他に反応あるでしょうっ!?って、そうじゃなくて、私って喋れたの!?ってことは、私無駄ににゃあ、にゃあ、啼いてたの?穴があったら入りたい...。」
そう言って、俯くとあるものに気がついた.
「あっ、素晴らしい爪があるじゃない。これで、穴を掘れるわ。猫一匹分の穴ならすぐに掘れるわね。」
私が穴を掘るために王子様の膝の上から降りようとすると、それは、王子様の手によって阻止された。
「まあ落ちついて。」
王子様は私の頭を撫でた。この手さえなければ私はまだ自分がしゃべることができるのを知らずにすんだのに...。
私は、私の頭を撫で続ける王子様の顔を、恨みがましい目でみた。
ちなみに、皆さんお馴染みの白い二足歩行の服に赤いリボンまでつけた猫の体重は、ロンドン産のリンゴ三個分、だそうです。




