☆十三話☆
猫になって、一週間が経ちました。
一週間も経つと人間慣れるものです。あっ、人間ではなく、人魚でした。いや、今は猫か。
...まあ、それはどうでもいいのです。
今、考えるべきはそんなことではありませんっ!!
世の中、慣れるべきではないものがあると思うのです。例えば、男の人とひとつのベットの上で寝るとか。始めは、私だって...
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あれは、私がここに来て初めての夜、夜も更けてきた時でした。王子様が素敵笑顔で、
「ナナ、寝ようか。」
と言い、私を抱き上げました。別にここまではよかったのです。私、ずっと王子様の膝の上に居ましたし、今更、恥ずかしいだの、なんだの言う気もありませんでしたからね。...眠かったし。
ただ、ここからがいけなかったっ!!
王子様は、寝室に入り(寝室は、部屋の一番奥にある扉の向こうです。)、ベッドまで歩くと、
「一緒に寝よう?」
と言いました。もちろん、あの素敵笑顔で、ですよ!!
「にゃ、にゃにゃにゃっ!!にゃう、うにゃっ!!!にゃんっ!にゃうっ!にゃ!!!!!」
『やや、それはマズイですよ!!いくら猫でも、ダメですよっ!!!それは越えてはいけない境界線ですよ!そんなことをしたら、私、女の子として、失ってはいけないものを失ってしまう気がします!!!!』
私は、必死に抵抗したのです!!だけど、
「おやすみ、ナナ。良い夢を。」
気が付いたら、王子様と同じベッドに寝かされて、頭を撫でられていました。鮮やかな手腕でした。最早、敵(?)ながら天晴としか言いようがないくらい。
「にゃっ!?」
『いつの間に!?』
この王子、なかなか侮れません。
まあ、そんなこんなであれ以降ずっと王子様と一緒に寝ています。アイネが用意してくれた私の寝床が有るにもかかわらず...っ!!
おかげさまで、あの王子様の顔を間近で見ても、全くドキドキしなくなりました!!
まあ、何か乙女としては絶対に失ってはならないような致命的なものを失ったような気もしますが。
ふふっ、何だか泣けてきた......




