☆十二話☆
猫も悪くない。
なんて、思った先程の自分を殴ってやりたいです。
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私が体を洗われた後、連れてこられたのは最初の部屋ではありませんでした。一番奥に大きな机があって、その手前には、ロココ調の二人がけのソファと机があります。机の上にたくさんの書類が置いてあるところを見ると、恐らく執務室と言ったところでしょう。
...何故、急にこの部屋について語りだしたかって?知りたい??知りたいでしょう?まあ、知りたいよね?っていうか聞いて。
今、私は王子様の膝の上にいるのですよ!!
いくら猫でもコレはないと思うのですよ!!いくら猫でもコレはないと思うのですよ!!大事なことなので二回言いましたよ!!いきなり、膝枕なんて難易度高すぎですよ!!え?膝枕ちがう?いやいや、似たようなものです。何故かって?私が今、とても恥ずかしいからですよ!!
部屋に着くと、王子様がソファに座って本を読んでいました。王子様は私を見ると本を机の上に置き、腕を拡げました。それを見たアイネが私を王子様に渡そうとしました。
「にゃーーーっ!!」
『ヤダーーーっ!!アイネがいい!!アイネの柔らかい腕にずっと抱かれてたいー!!そんな固そうな腕ヤダーーーっ!!』
もちろん抵抗しました。しましたとも。(王子様に抱っこされるのが恥ずかしいからですよ。決して、アイネの美人顔を眺めていたかったとか、そんなのじゃないですよ。ましてや、アイネの柔らかな胸がイイカンジに当たっているから、とかそんなのじゃないんだからねっ!!)しかし、それは無駄な抵抗でしかなかったっ!!ここから先は涙無しでは語れませんっ!!この後、無理矢理アイネの腕から離され、無理矢理王子様の腕に抱かれ、無理矢理王子様になでまわされ(まあ、気持ちよかったけど)無理矢理王子様の膝の上に乗せられ、逃げられないように片手で体を抑えられています。
今、王子様は先程読んでいた本を読んでいます。仕事をしなくてもよいのだろうかと思いながら本の題名を覗いて見ました。もう、逃げることを諦めて開き直っていますからね。私。あれ?おかしいな、涙が出てきた。そして、私が顔を上げ、王子様の本の背表紙に目を向けると
【猫の飼い方~初級編~】
...全力で目をそらしました。一刻もはやく人魚に戻りたくなりました。
・・・それにしても暇なのです。私、王子様の膝の上で大人しく寝ていることしかできないのです。王子様も私を膝の上に置くのなら、少しは相手をしてくれればいいのに...。
そこで、私は王子様に強制的に相手をさせることにしました!
王子様の指をぱくり、としてみたのです。もちろん、痛くないように手加減はしましたよ。効果はありました。
「どうしたの?僕の指は食べられないよ?お腹がすいた?」
...まあ、お腹がすいているのと勘違いされましたが。しかし、取り敢えず王子様の意識をこちらに向けることができました。結果オーライなのです。さあ、王子様よ。私に構え!!
私は王子様の腕を前足でたしたし叩きました。
「下ろして欲しいの?」
ちっがーーーう!!
構って欲しいの!!遊んで欲しいの!!
私は、せめて撫でろ、と王子様の手に顔を寄せ、スリスリしました。
「撫でて欲しいの?」
「にゃ~。」
『正解!』
「ははっ、可愛いな。」
王子様は素敵な声でそういいながら、たくさん撫でてくれました。正直、大きな手で優しく撫でられとても気持ちよかったです。




