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ゴーレムマイスター  作者: 駁目師走
第零章 プロローグ
8/14

007

今日は二話投稿いっちゃいま~す!




 なんとレベルが5も上昇して、12になっていた。

 さらには土人形錬成と傀儡技術がⅩになり、横に『complete』と表記が出ていた。

 僕がcompleteの文字をタッチすると『派生スキル出現』の文字が浮かび上がる。

 土人形からの派生スキル『土機兵錬成Ⅰ』『土守護球錬成Ⅰ』が出現し、傀儡技術からは『複数錬成Ⅰ』『思念操作』『下僕能力可視化』が出現する。

 土機兵は単純に土人形の上位種のようだ。

 実際に錬成してみると土人形に鎧を纏わせたような風貌をしており、いかにも強そうだった。

 土守護球は土人形と土騎兵とは全く別種のゴーレムであり、形状は球体で浮遊しており、大きも掌大である。

 細かい命令をすることも出来ず、周囲をふわふわと浮遊し、レーザー光線のようなものを射出し、僕に近づく敵、または指定したポイントに近付く敵を排除することを目的とした拠点防衛や護衛専用のゴーレムのようだった。

 複数錬成はその名の通り、ゴーレムの同時錬成数を増やすことが出来る、傀儡技術の上位スキルのようだ。

 そして思念操作も傀儡技術の上位スキルであり、命令数の縛りを排除できる優れ物だった。

 今までは遠く離れたゴーレムに新しい指示を出すことはできなかったが、この思念操作を使えば、離れていても命令を下すことが出来る。それゆえに命令数の縛りを排除できるというわけだ。

 下僕能力可視化はゴーレム達の能力を数値化して見ることのできるスキルであり、特に使いどころはわからないが、発射台としている為、ゴーレムの正確なSTR値を知っておきたいとは思っていたところなので、使いどころが全くないスキルとも言えない。

 上機嫌に上昇したスキルと新スキルを見ながら、スキルポイントの15を全てSPIに振る。

 錬成できるゴーレムも上位になり、錬成できる数も増えたのだから、そのうちMPが枯渇する事態も考慮しなくてはいけない。


【上昇スキル、新スキル】

 土人形錬成Ⅹ complete

 土機兵Ⅰ

 土守護球兵Ⅰ

 傀儡技術Ⅹ complete 効果:操作範囲∞

 射撃技術Ⅴ 効果:DEX+20

 狙撃技術Ⅴ 効果:射程補正+80

 複数錬成Ⅰ 効果:最大錬成数×3

 複眼    効果:ゴーレムの視野を自分のものにする

 思念操作  効果:思い浮かべた命令をゴーレムに実行させられる

 下僕能力可視化 効果:錬成対象のステータスを見ることができる

 土人形ステータス

 STR 122

 VIT 98

 土機兵ステータス

 STR 158

 VIT 161

 土守護球ステータス

 VIT 8

 INT 126



――――――――――――――――――――



 新しいゴーレムの検証をしつつ狩りを続けている時だった。

 次の標的を倒そうとスコープを覗きながら周囲を見渡していると四人組のプレイヤーを発見した。

 戦士タイプが三人、屈強な身体に頑丈そうな鎧を身に纏っている。最後の一人は回復役なのだろうか、ローブ職の女性プレイヤーだ。

 僕はすぐさまゴム弾を弾倉に込め、発射台となる土機兵一体を残し、アイテム採取係の土機兵を消し、土守護球三体を召喚する。

 なるべく見つからない様に身を低く屈め、様子をうかがう。

 普通に狩りをしに来ただけなのだろうか、ゴブリンをひたすら狩り続ける四人組のパーティー。

 一時間、二時間と時間が経過しても四人組は去る気配がなかった。

 そして三時間ほど経過した時だった。

 四人組が攻撃していたゴブリンが周囲の仲間に助けを求め、逃げる。

 四人組は追いかけてすぐに逃げたゴブリンを仕留めたが、時すでに遅かった。

 周囲のゴブリンが一斉に集まりだしたのだ、その数は十を超えている。

 先頭に出て戦っていた一人の戦士が集中攻撃を浴び、光の粒となり消えていく。

(これが、死……。あの人は死んだのか……)

 手に持っていた盾だけを残し、消えていったプレイヤー。

 僕がプレイヤーの死を目の当たりに震えていると、さらにもう一人の戦士が同じく光の粒へと変わって行った。

 残っているのは先に死亡した二人の戦士より歳若そうな最後の戦士タイプのプレイヤーと女性の回復役のプレイヤー。


(僕は……。このまま、ここに隠れていていいのか?)

 九十七式を抱きながら無様に震える僕は傍らに寄り添うゴーレムを見上げる。

 そして会話など出来ない事も、僕の命令にはただただ従うだけの存在である事を知りつつも尋ねたのだった。

「僕はこの世界と向き合わなきゃいけない。僕のゴーレム達よ、僕に、臆病で無力な僕に力を貸してはくれないだろうか」

 僕の言葉に反応するようにゴーレムの瞳に青白い光が瞬いた気がした。

 僕は弾倉の弾を徹甲弾へと変え、土人形を三体、そして土機兵を追加で二体錬成した。

 急に膝が落ちる。

 直感的にMPが枯渇しかけているのだとわかる。

 けれどここで倒れてはいられない。

 僕は力の入らない足を抑えつけながら立ち上がり、臆病風を吹き飛ばそうと力の限り大声で叫んだ。

「ゴーレム達よ! ゴブリンを殲滅し、あの二人を助けろ!」

 駆けだす六体のゴーレム。

 僕はそれに続いて、屋根から飛び降りた。


 若い戦士の男がゴブリンの手に持つ棍棒で殴打され、その場に倒れ込む。

 僕は思念操作で一体のゴーレムに発射台になるよう指示を出す。

 男に振り降ろそうと振り上げた棍棒目がけて僕は銃弾を放つ。

 徹甲弾は空気を切り裂くような独特の飛行音を立てて、ゴブリンの腕を打ち抜き、その身体を四散させる。

 突撃した五体のゴーレムがゴブリン達と交戦に入る。

 次々とゴブリン達をなぎ払うゴーレムを頼もしく思いながら、僕はホローポイント弾を弾倉へと込め、最も頑強そうな鎧を纏ったゴブリンをレティクルの中に収め、狙撃した。

 体内で爆弾が爆発するようにしてゴブリンは一撃の元に吹き飛ぶ、背後からゴブリンが走り寄る足音が聞こえるが僕は(あせるな、あせるな)と自分に言い聞かせながら弾倉に徹甲弾を込めた。

 背後から近寄ってきた二体のゴブリンが僕の周りを浮遊している土守護球のレーザーで撃ち抜かれ、燃え上がり、しばしもがいてからその場に倒れ込んだ。 

 その間にリロードを終えた僕は回復役の女性を狙って近付く二体のゴブリンに照準を合わせる。


 しかし、ここからでは貫通させて二体同時に撃ち抜く事はできない。

 けれど、一体一体狙撃していては間に合わない。

 突撃させた五体のゴーレムも距離的にとても間に合いそうになかった。

「ゴーレムよ、僕を上空に、できるだけ高く放り投げろ! そして落下してきた僕を必ず受け止めてくれ!」

 ゴーレムに放り投げられた僕は空中からゴブリンに照準を合わせる。

 僕から近い方のゴブリンの頭を狙い、貫通した後、遠い方のゴブリンの足を撃ち抜けるよう照準を合わせる。

(頼むから、当たってくれよ)

 銃を支える手で九十七式改を撫でるつもりで僅かに動かして、トリガーを引く。

 発射された弾丸は狙い通り二体のゴブリンを撃ち貫き、その命を奪った。

 僕は発射の衝撃で全身がバラバラになってしまうような痛みを感じながら落下する。

 地面に叩きつけられる寸前で僕はゴーレムに受け止められ、すぐさまアイテム袋からイーグルからもらったポーションを取り出し、一息に飲み干した。

 そうして地面に降ろしてもらった僕は慌てていて、弾を込め忘れてしまった九十七式改を構え、次の標的を探す。


 けれど、もう標的は残っていなかった。

 僕は今更湧き上がってきた恐怖の感情と震えに九十七式改を構えたまま、荒い息を吐き続け。

 じわりじわりとこみ上げてきた安心感でその場にへたりこんだ。




主人公のステータスを列記するのはこれで最後でございます。

自分自身小説にステータスを表記する表現方法が色々な意味で得意ではないことがわかりましたので……。ステータス列記を楽しみにしてた方、もしもいらっしゃいましたら、申し訳ありません。見納めです。

ご意見ご感想お待ちしております。

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