表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレムマイスター  作者: 駁目師走
第零章 プロローグ
2/14

001

説明会&初戦闘。

今日は連載開始記念で本日は二話投稿。……する予定です。



 ――あれから3日が経った。

 僕は旅立ちの村『アウベール』の宿屋に滞在していた。

 貨幣価値はいまいちわかっていないが一泊10銅貨の二食付きの宿屋で雨風をしのいでいる状況である。

 仮想世界でも腹は減る。

 現実世界での僕の身体がどうなっているかわからないが、空腹感には勝てず、そして他のプレイヤーが恐ろしかった僕はすぐに宿屋へと駆けこんだのだった。


「ブック!」

 僕はブックを出現させ、ページをめくる。

 ブックの中には掲示板のようなページも存在し、そこで他のプレイヤー達の近況を知った。

 まず重要な情報、クリア条件に関して。


「クリア条件は統一国家に所属している事」とGMらしき声は言っていた。

 国家とはマイスターズ内でのギルドの事らしく、マイスターズでは各領地を治める領主戦があり、全領地を治める事で統一国家となれる。

 しかし国家の人数制限は300人。

 多いように聞こえるが、まったくそんな事はない。むしろ圧倒的に少ない。

 βテスト時の同時接続数で十万人規模だったマイスターズにおける300人なのだ。

 正式でもβテスト時と同数の接続があったと考えても300分の1の人間しかゲームクリアできない計算になるのだ。


 そうしてブックの掲示板ページには無数のギルド募集掲示が出現した。

 大別すると三種類。

『ゲームクリアを目指す国家』『ゲームクリアをさせない国家』『傭兵国家』の三種類である。

 ゲームクリアを目指す国家は大多数を占め、その行動指針は単純明快。他の300分の299のプレイヤーを押しのけてゲームをクリアしようという国家である。

 そしてゲームをクリアさせない国家。この国家は少し屈折している。統一領主になるには全領地を納めなければならず、この国家は一つでも領地を取り、死なばもろとも、そこを守り抜いてゲームクリアを阻止する事を行動指針にしている。

 そして最後の傭兵国家。数は少ないもののその戦力は侮れない集団。社会の弾き者が多く、ことゲームプレイに関しては無類の強さを誇る。ゲーム内で生活し続ける事に一切の抵抗なく、クリアが目的ではない。だからゲーム内で裕福に暮らす為の金を稼がせてくれるのならば誰にでもつくという国家である。


 今は国家募集や愚痴のスレばかりでそれ以外の有用な情報は載っていない。

 僕はブックのページをめくりながら、近所の雑貨屋で購入したチョークと中に土が入った包みを取りだした。 

 ゴーレムサマナーである僕のスキルは魔法と制作スキルの中間で「錬成術」と言うらしい。

 錬成術には詠唱は必要ない代わりに、陣と媒体が必要となる。

 ブックに描かれた魔法陣を部屋の床に模写する。

 そして外から拾ってきた土を中央に落とし、スキル名を叫ぶ。


「土人形錬成!」

 魔法陣が強い光を放ち、陣と媒体が消滅するとともに、一体のゴーレムが完成する。

 ゴーレムと言っても藁人形のように貧相で身長一メートルの僕よりもさらに小さなゴーレム。

「防御せよ!」

 僕の声に反応したゴーレムの目が僅かに青く光り、僕はゴーレムへと果物ナイフを突き出した。

 ゴーレムは両手を身体の前で交差し、果物ナイフをガードする。

 硬質な音が響き、僕の手に強い痺れが生まれた。


 3日間、恐ろしくて宿屋にこもりながらも僕はスキル検証を行っていた。

 スキルレベルが低いからだと思われるが、ゴーレムは僕から10メートル以上離れる事は出来ない。

 命令も複雑なものは遂行する事が出来ず、どこそこに攻撃しろ、とか防御に徹しろといったような一つの命令しか遂行する事は出来ない。

 命令を遂行し終えれば、僕の元へと戻ってくるのだ。

 けれど腐ってもゴーレム。腕力と耐久力は僕を遥かに凌ぐ。

 そして一番の持ち味はその出現持続時間である。

 何と一度出現させれば、破壊された場合を除き、僕が意図的に消滅させるか、眠るなどして僕の意識が途切れた場合のみ消滅するのだ。

 戦闘時に限って言えば半永久とも言える持続時間は大きなアドバンテージだろう。


 しかし僕は困っていた。

 僕は人見知りだ。故に国家への参加申請をする勇気が出ない。

 誰か声をかけてきてくれないかな、と待つも宿屋にこもりきりの僕に声をかける人物など現れようはずもない。



――――――――――――――――――――



 さらに3日が経ち、僕は困りに困り果てていた。

 宿屋に六泊、ゴーレム錬成の為のチョークや土を購入したせいで、銅貨が残り6枚しかない。

 これでは今日の宿代が支払えないのだ。

 僕は覚悟を決める。

 ゴーレムを出現させ、村の門へ。

 ずっと考えていた作戦を決行する。


 村の門の中に魔物が入ってくる事はない。

 けれど、村の門のすぐ近くを魔物はうろついている。

 僕はそこに目をつけた。

 村の前をうろついている小さな兎のモンスターにゴーレムをけしかける。

「いけ! あいつを倒せ! 倒すのだー!」

 ゴーレムは動かない。

 僕はしばし首を傾げて、手を打つ。

「あの兎型のモンスターを倒せ!」

 最初の指示では「いけ」と「あいつを倒せ」の二つの指示を同時に出している。

 それではゴーレムは命令を受諾しない。

 気がついた僕は命令を出し直す。

 ゴーレムは一直線に兎型のモンスターへと駆けていき、右フックを兎に繰り出す。

 ボクシングのKOシーンでも見るようだ。

 頭部に一撃見舞われた兎が千鳥足になって左に身体が流れているところをゴーレムが左フックで押し戻し、右ストレートを打ち抜く。

 5、6メートル離れた僕の位置にも聞こえる位の打撃音が三発鳴り響き、兎は消滅した。


 任務を完了して戻ってきたゴーレムに指示を出す。

「ドロップしたアイテムを取って来い」

 ゴーレムは再び元の場所に戻り、アイテムを拾って戻ってくる。

 忠実で有用な可愛い奴だが、融通がきかないのがたまに傷である。

 ゴーレムが拾ってきたアイテム「銅貨6」「兎の毛玉」を腰のアイテム袋にしまい込み、村の前をモンスターが横切るのをひたすら待ち、現れたら同じ要領で倒すを繰り返し続けた。

 危険はないし、楽ではあるのだが、途中何度も狩りに出かける他のプレイヤーに奇異の目で見られるのは辛かった。

 日が落ちた頃、銅貨120と大量の兎の毛玉で膨らんだアイテム袋を下げて、僕は雑貨屋へと向かいながらブックを開いた。


 【ステータス更新情報】

 レベルが2になりました。未振り残SP3

 土人形錬成Ⅰが土人形錬成Ⅱになりました。

 傀儡技術Ⅰが傀儡技術Ⅱになりました。


 とりあえずSPをVITに全て振る。

 死にたくないので耐久力は生命線である。

 土人形錬成は単純にゴーレムの戦闘力が強化されたのみのようだ。

 傀儡技術はゴーレム操作範囲が10メートルから15メートルになり、命令数が1から2へ上昇と書いてある。

 そうこうしている間に僕は雑貨屋の前についた。




戦闘はまだまだライトですが、いかがでしたか?

評価感想をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ