はじまりのおはなし
初小説です。文章におかしなところが多く見受けられると思いますが、広い心で見逃していただけると幸いです。誤字脱字等、見かけましたらお教えください。
むかしむかし、せかいには白いかみさまと、千と36のくにと、それぞれのくにの王さまがいらっしゃいました。
白いかみさまと千と36のくにの王さまはなかよしで、いっしょにせかいを守っておりました。
しかし、千と36のくにの王さまはだんだんとじぶんが1ばんえらいとおもうようになってゆき、やがてじぶんが1ばんだということをほかの王さまにみとめさせようと、あらそいはじめました。
千と36のくにがたたかい、そのせいで草花はかれ、どうぶつは子どもを生まず、多くのいのちが死んでゆきました。
それを見ていた白いかみさまはかなしみました。
「どうして人はあらそうのでしょう、あらそいなどなくなってしまえばいいのに」
そうおもったかみさまは、これいじょう人があらそうことのないように、すべてのいのちをねむらせることにしました。
せかいのはしから、だんだんとねむってゆく中、ひとつのくにの王さまが白いかみさまにはなしかけました。
「かみさま、どうかすべてをねむらせるのをやめてください」
「どうしてですか? 人はあらそいでせかいをきずつけ、そしてじぶんたちもきずつける。人は、ねむっていたほうがなにもきずつけなくてよいではないですか」
「いいえかみさま、人はたしかにあらそいますが、きずつけずになかよくすることもできるのです。わたしがあらそいをとめてみましょう」
そうしてひとつのくにの王さまは、じぶんのなかよしの王さま4人と、すべてのくにの王さまをたずねてまわり、はなしあい、あらそいをやめさせることができました。
「かみさま、どうぞみてください。あらそいはおわり、草花は生え、動物は子どもを生むようになりました。なのでせかいをねむらせることは、もうしないでください」
「今はあらそわなくても、いつかまたあらそいがはじまるのではないでしょうか?」
「そんなことにならないように、わたしとわたしの友だちの王さま4人と、その子どもたちで見ていましょう。もう2どとたたかいがおこらないと、やくそくしましょう」
そうして、ひとつのくにの王さまと、4人の王さまはかみさまとやくそくし、やくそくのあかしとしてからだにしるしをもらいました。
そうして王さまたちはあらそいで57つにへったくにをそれぞれおさめ、今でも王さまの子どもたちがまたあらそいがおこることのないようにまもっているのでした。
出典:子どものためのやさしい建国絵本『ひとつのくにの王さまと白いかみさまのやくそく』
プロローグです。次回から本編に入ります。そちらも読んで、さらに楽しんでいただければ幸いです。