表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/51

狂弥斎

 破槌城には、広大な地下室があった。



 普通、地下室は兵糧や武器を備蓄したり、あるいは敵の捕虜などを監禁するために存在する。それゆえ薄暗く、狭い。


 しかし、破槌城の地下室ばかりは破格の規模であった。



 天井は高く、広々としている。部屋の大きさは、大広間と比べて、少しもひけをとらない。

 その地下室には、奇妙な機械が鎮座していた。


 材質は木造で、移動させるための車輪と、操作するための棒が突き出している。太い木造の腕が突き出し、それには太い綱が幾重にも巻き付いていた。



 投石器であった。



 上総ノ介と藤四郎が姿をあらわすと、投石器の陰から一人の男が素早く立ち上がり、出迎えた。


 襞のついた襟飾り、長袖、襦袢のような下穿き。足には革靴を履いている。



 南蛮人であった。



 長い手足をした、痩せこけた男だった。現れた上総ノ介に対し、南蛮人はぎろりと視線を送る。

 鳶色に近い瞳は、地下室を照らす火明かりに猫の目のように光った。南蛮人は、狂弥斎きょうやさいと自称していた。それが本名なのかどうなのか判らない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ