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短編

君のこと

作者: あきの丘

君はいつも僕のそばにいてくれた。


新学期早々、誰とも会話せず、

足早に教室を出て行こうとした僕に、

声をかけてくれたのは彼だった。


身長は僕と同じくらい。

丸眼鏡を掛けていて、

髪は少しツンツンしている。


第一印象は「真面目そうだなぁ」


なんだか僕に似ている。

仲良くなれそうだ。

勝手にそんなことを思っていた。


それからというもの、

学校ではだいたい君と一緒に行動していた。

移動教室の時も。

お昼休みの時間も。


2人でまったりと、

他愛のない話を重ねながら。


秋も深まり、教室の空気もガラッと変わる。

夏服から冬服へ。

教室の密度が上がりはじめる頃。


彼が昼休みに友達を連れて来た。

「一緒にお昼を食べてもいいか?」と。

断る理由もない。

僕は快く承諾した。


彼が連れて来た友達は、

背は少し高く。

髪はセンター分けであった。

声音も柔らかで、子守唄のようだった。


いつものような、まったりとした空気。

変わることはないと思っていたのだが。


彼がいつもと違うのだ。


その友達に対して、

普段僕にしてこないような

鋭いイジりを披露する。

笑顔で。

楽しそうに。

不敵な笑みを浮かべながら。


どうしてそんな顔をするの?


僕の知らない表情だった。


相手の方はというと、

いつものことのように軽くあしらっている。


こんな一面もあったんだ。

そう思うだけだけなら良かったのだけれども、、


彼を遠くに感じてしまった。

僕と同じ普通だと思っていた。

でも彼はそうではなかった。


男子高校生らしく、

ふざけて、笑って、

足掻いて、やらかして。


次々と彼の像が塗り替えられていく。


勝手に期待して、勝手に失望しているのはわかっている。

それでも彼には、僕と同じようであって欲しかった。


そうすることで僕は安心することができたから。


君は僕のお守りではない。シェルターでもない。

1人の人間として今を生きている。


そんなこともわからないのかと、

自分の新たな一面に失望する。












お読みいただきありがとうございます!


こういったものを書くのは今回が初めてになります。

文字に書き出してみて、

自分の心を整理できる。ということもあると思います。

私がこれを書いている最中、感じたことなので間違い無いです。

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