LV0:プロローグ1
突然だが、農家の朝は早い。
まだ辺りも薄暗い中、男は動きやすい布の服に着替えると机の上に置かれた麦藁帽子をかぶる。
いつの間にやら何もなかったはずの右手には鍬が握られていた。
歴史を感じさせ、しかししっかりとしたつくりの扉に手を掛ける。
ギギィ…。
男が扉を開けると、さわやかな朝の空気とともに、草木の香りが辺りを包む。
山の頂の向こうにいまだ太陽は顔を出していないが、薄っすらと朝焼けが見て取れる。
薄く白くたちこめる朝靄。
早起きな小鳥たちのさえずりが響き。
そっと吹く風に、ザワザワと木々の葉が美しい音色を奏でる。
男は静かに息を吸い、静かに深く吐いていく…。
鼻腔を緑の香りが通り過ぎ、肺腑に満たされたそれは再び自然の中へと還っていく。
目を瞑り、自然が奏でる演奏を聴き…。
耳朶に響くそれは、心を落ち着かせる母の声のようで。
ひんやりとした空気を肌で感じ…。
また少し寒くなったな、と。季節の移ろいに思いを馳せ。
男はしばしの間閉じていた目蓋をゆっくりと開ける。
暗闇から一転、神々しいまでの朝焼けが目に映る。
そっと手を合わせ合掌。
太陽の光と、大地の豊かさ、それに少ないながらもよくしてくれる友人・知人。そして、今は亡き
養父へと感謝の念を想う。
また今日も無事一日をはじめることができました。
また明日も、こうして迎えられますように。
ささやかな願いを掛け。
「さぁ、今日も一日精を出していきますかねっ!」
男は一人、視線の先に広がる畑に歩みだした…。
これはとある農夫の男の、とある日常を描いただけの物語。
騒がしくもあり、穏やかでもあるただの物語。
晴れの日のように暖かで。
雨の日のように寂しげで。
嵐のように激しく。
雪のように切ない。
そんな、普通の物語…。
んなわけねぇだろぉっ! おーっえーっ!
これは、異世界に紛れ込んだ異分子が農業を営みつつ、厄介ごとに巻き込まれるドタバタ農家(笑)
ギャグコメディ! (時々シリアスもあるかな? かな?)
職業:農夫の男が、鍬を片手に七転八倒、七転び八起き! 愉快な仲間と、愉快な知人に囲まれなが
らいつの間にか厄介ごとに巻き込まれ…。
異色のトリップ主人公が織り成す喜劇!
皆々様、是非に一度御覧あれ!
はじめまして、作者のHANMOでございます。まずは、この作品に興味を持って読んでくださった皆様に感謝を。主人公の名前すら出てない短い駄文で申し訳ありませんが、プロローグはこんな感じにしてみました。なにぶん作者は素人の域を抜け出せないもの書きなものでして、試行錯誤しながら書いてる次第でございます。続きが読みたいな、という声が多ければ多いほどノリとテンションと勢いが増す仕様になっていますので、気になる方は応援のほうをよろしくお願いします。不定期な連載になることが多分に予想されますので、かなりなが~い目で見ていただけるとうれしいです。あまり長くなるのもよくないかな? と、思いますのでご挨拶はこの辺りでおしまいにしたいと思います。
それでは皆様、次回『LV0:プロローグ2』でお会いしましょう。