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森の愛し子~治癒魔法で世界を救う~  作者:
【第一章】始まりの出会い
7/28

少し賑やかな夕食


「今日は庭で作るのか?」

 庭に出てきたレイたちに、フェンが背伸びしながら尋ねた。

 もう夕日が昇り始めている。

「ええ。たまには外で、と思って。今日はクリームシチューとデニッシュ、それからさっき釣ってきた魚の塩焼きよ」

「シチューは肉多めだぞ」

「はいはい。この間、貴方が捕ってきてくれたブラックボアにするわ」


 【ブラックボア】

 最大五メートルに及ぶ、中位種の魔獣。名の通り黒い毛を纏っている。

 冒険者は討伐にそこそこ苦労されられるような凶暴性のある魔獣だ。

「ブラックボア!?この森はそのレベルの魔獣も住んでいるのか」

 カインが会話に入る。

 平穏なこの森にいるのか、と驚いた表情だ。

 「中位レベルは普通にいるわよ?今出すわ。魔法収納(マジックボックス)

 レイがそう言うと何もない空間が歪み、解体されたブラックボアの肉が現れた。


魔法収納(マジックボックス)

 空間を歪めてあらゆるものを収納できる無属性の魔法。この中の時間は止まっているため、生肉を保存するのに最適だ。収納量は使用者の魔力によって変わる。


「この量は、相当な個体数じゃないのか」

 カインは現われた肉の量に、驚きを隠せない。

「私ともなれば、ブラックボアを狩るなど容易いものだ」

 とんっと自身の胸を前足で軽く叩く。

「さすがは、フェン殿です」

 二人はすっかり馴染んだ様子。

 そんな二人はさておいて、レイは料理の準備のため薪を組み、魚を焼くために小石で周りを丸く囲む。

「団長さん。魚を焼くのを手伝ってくれないかしら?」

 彼女はカインに手を貸してもらおうと声を掛ける。

「ああ。分かった。火はこの薪につければいいか?」

 カインはそれを快く返事をする。

「ええ」

「任された。着火(イグナイト)

 カインが呪文を唱えると、ぼっと薪に火が着いた。

着火(イグナイト)

 火属性の初級魔法。小さな火をおこす魔法。

 この魔法が使えれば、野営での火の心配はない。


 火は薪から薪へ移行き、すぐに薪全体が火に包まれた。

「ありがとう。次にこの串刺した魚を薪の周りに刺してもらってもいい?」

「了解だ」

 カインは彼女の指示通りに作業を手伝う。

「へえ。手馴れてるのね」

 カインの手早さに感心した様子を見せる。

「ああ。野営で身につけたんだ」

『レイ。早く食べたいよ~』

 コハクが待ちきれないと言わんばかりに尻尾を揺らしている。

「もう少し待って。それか自分で捕ってきた食べた方が料理を待つより早いわよ?」

 何て少し意地悪を言うレイ。

『それは嫌だ!レイのご飯が食べたい!』

顔を全力に横に振って拒むコハクはまるで、五歳児だ。

「分かったわ。シチューに入りきらないお肉があるから、フェンたちと一緒に食べておいで」

 そう言って、レイはコハクに大きい一枚の肉を与えた。

『ありがとう!師匠、リリィ!これ食べていいって!』

 コハクはその肉を咥えて、フェンたちのもとへ駆け寄っていった。

「ハハッ。言葉は分からずともコハク殿は相当腹が減っているということは伝わるな」

 カインはコハクを見て楽しそうに笑った。

「コハクは確かに分かり易いわ。あの子はああ見えてもまだ子供だから」

「そうなのか。君の腰くらいの大きさなのにな」

「年齢は十二歳くらいかしら?」

「確かにまだ若いな。見かけによらないものだな」

「そうね」

 二人は、小腹を満たしているコハクたちの方を見てほほ笑んだ。 

「そういえば、リリィの好きな食べ物ってあるかしら。何が口に合うかわからないわ」

「そうだな。リリィはよく果物を好んで食べるな。特にリンゴが好きだ。もちろん肉も食べるぞ」

「リンゴならたくさんあるわ。デザートはリンゴを使ったものにしましょう。あ、リリィはシチューとか食べたことはある?」

「無いな。基本的には生肉かただ火を通したものしか食べさせない。人の食べるものは食べたことない」

「そうなのね。だったらリリィ用に味付け無しのお肉も用意しないと」

「レイ。今日はやけに張り切っているな」

 コハクたちといたフェンが二人のもとへやってきた。

「そう?そう見えるなら、聖竜に会えたからかもね」

「聖竜に会うのは初めてなのか?」

 カインが話に入る。

「遠目で見たことはあるけれど、こんなに近くで会って言葉を交わしたのは初めてだから」

「なら、助けてもらった礼も兼ねて夕食後、リリィに乗って少し飛んでみるか?」

「いいの?」

「大丈夫だ。な、リリィ」

 カインはリリィのもとに行き、リリィに問いかける。話を聞いていた彼女は、すぐに頷いた。

『ええ、もちろん。私たちの命の恩人ですので、いくらでも乗せさせていただきますよ』

「そんな畏まられるほどのことはしてないと思うけれど、せっかくなら、お言葉に甘えて乗せてもらおうかしら」

 そう言って微笑んだレイは、吹いたそよ風に黒髪を揺らし優しい日差しに照らされた。

 カインの目には、そんな彼女の姿がとても鮮明に焼きついた。

 見蕩れている彼の様子を見たフェンは心の中で一人、面白くなりそうだと、これからの展開を楽しんでいたのであった。

 

【森の愛し子~治癒魔法で世界を救う~】

を読んでいただきありがとうございます!


読んでいただいた方に癒しを

届けられたら嬉しいです( *´꒳`*)


この作品をより良いものにしたいので、

感想、ご意見、お待ちしております!

また、誤字脱字を見つけた方がいましたら、報告していただけると助かります。


不定期更新ではありますが、この世界観をのんびり楽しんでいただけると嬉しいです^^*


ブックマーク、評価もよろしくお願いします!/碧


作者のTwitter→@ao_rapis

主に小説の更新情報を発信しています!


カクヨム様にも同作品を投稿しております。

https://kakuyomu.jp/users/ao_rapis

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