食糧調達
暗闇の森は、栄養分を豊富に蓄えた植物が良く育つ。
それ故、回復薬のポーションに使われる薬草も質の良い物が採れる。
また、木の実やキノコも市場に出回るものよりも栄養価が高く、立派なものが多い。
「レイ!この実、食べごろだよ!」
木登りの得意なルビーラビットが、赤い実が生っている木に登ってレイに伝えた。
彼らにとって、果実の食べ頃を見極めるのは朝飯前だ。
「こっちは、美味しそうなキノコがあるよ!」
セレリスも負けじと、レイに食べ頃の食材の場所を知らせる。
「二人とも頑張ってるわね。食べ頃のを見つけたら、このかごに入れていって」
「は~い!セレリス、どっちが多く集められるか勝負だ!」
「いいよ」
二匹は木の実、キノコを採りに勢いよく駆けていった。
「離れすぎないでね」
時すでに遅し。
レイが声を掛けた頃には、すでに彼らの姿は彼方に消えていた。
「大丈夫かしら?」
レイは、彼らの事を心配しつつ、自身も食材調達を始めた。
採集から、およそ一時間が経った頃。
レイたちは、合流場所の湖に一足先に来て釣りをしていた。
「いっぱい取れたね!」
「私も、いつもより頑張った」
そう会話をしているのは、セレリスとルビーラビットだ。
心配せずとも二匹はちゃんとレイの下に戻ってきた。
二匹が競走して採ってきた木の実やキノコは、かごいっぱいに入っている。
「二人とも、ありがとう。今晩はたくさん作れるわ」
「やった!きょうは、何作る~?」
ルビーラビットは、レイのそばでぴょんぴょんと嬉しそうに飛び跳ねる。
「なにがいい?」
レイは、子供に話しかけるように優しく問いかける。
「んー。あ!クルミのパンケーキ食べたい!」
「それは、ご飯食べた後ね」
「は〜い」
主食ではないと言われ、パンケーキをメインに食べたかったルビーラビットは肩を落とす。
「デザートに作ってあげるから」
彼の様子を見かねたレイは、慰めの言葉を掛けた。
「うん!」
その言葉を聞いた彼は、耳をピンと立て元気を取り戻す。
「ねぇ、レイ。あたし、木の実のサラダ食べたい」
セレリスは、少し控えめにサラダを希望する。
「そうね、サラダも作りましょうか。他は、フェンが捕ってきてくれた後で考えようかしら」
レイがそう呟いた時、森の奥から湖に向かってくるなにかの気配がした。
「レイ!今日はいい獲物が取れたぞ!」
森の中から姿を現したのは、黒い血にまみれたフェンだった。
血まみれの原因は彼が咥えている、獲物の返り血だ。
その返り血で、もはやフェンなのか誰か分からない。
「暴れたわね」
レイは、フェンの姿を見て呆気にとられながら言葉を溢した。
「なかなかに、しぶとい奴だった。さぞ、こいつは美味いんだろうなぁ」
そう言いながらフェンは、咥えていた獲物をどしんと、降ろす。
獲物は、彼の体の半分ほどの大きさ。この森の魔獣にしては、上等の大きさだ。
「最高に美味く作ってくれよ、レイ」
「そうね。今日はあえて、塩コショウだけで味付けしたステーキにしようかしらね」
「ああ。ステーキは肉の旨さを直に感じられるから好きだ。今晩は楽しみだ」
「とりあえず、貴方はその汚れをどうにかしないと」
「ああ」
そう言うとフェンは、目の前の湖に勢い奥飛び込んだ。
湖は、彼の飛び込んだ水しぶきで一瞬の雨が降った。
フェンの身体に着いた血が湖を赤黒く濁す。
「よし、これでよいだろ?」
湖から上がって来たフェンは、水を滴らせながら上がってきた。
彼が上がった後の湖はというと…
本来の透明度の高い水へと戻っていた。
そう、暗闇の森のこの湖には汚れを浄化する力があるのだ。
これ程、早く浄化するのは魔法と呼ぶ他ないのだが、無機質な水にその力はあるはずはなく、原因はよく分かっていない。
【森の愛し子~治癒魔法で世界を救う~】
を読んでいただきありがとうございます!
読んでいただいた方に癒しを
届けられたら嬉しいです( *´꒳`*)
この作品をより良いものにしたいので、
感想、ご意見、お待ちしております!
また、誤字脱字を見つけた方がいましたら、報告していただけると助かります。
不定期更新ではありますが、この世界観をのんびり楽しんでいただけると嬉しいです^^*
ブックマーク、評価もよろしくお願いします!/碧
作者のTwitter→@ao_rapis
主に小説の更新情報を発信しています!
カクヨム様にも同作品を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/users/ao_rapis




