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森の愛し子~治癒魔法で世界を救う~  作者:
【第二章】セレイム王国へ
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任務完了


「何か手伝えることはあるか?」

 レイにだけ任せていてはいけないと、カインが近くにいた治癒師に声を掛けた。

 レイは、レヴィンと共に負傷者たちの夕食の準備の手伝いに出ており、竜の間には今はいない。

「カイン団長!……いえ、今のところは団長の手を借りるほどのことはございません。というよりも、レイ様が騎士たちを治してくれたおかげで、我々もお役御免と言う所です」

 あはは、と治癒師は頭の後ろを掻きながら苦笑いをこぼした。

「いや、治癒師殿たちも良く堪えてくれた。貴方たちが居なければ、騎士たちはもっと最悪の状況になっていたかもしれない。ありがとう」

「身に余るお言葉です」

 治癒師は、彼の言葉を嚙み締めながらカインに深々と頭を下げた。


「団長!団長がここに戻ってこられるまでに、何があったのですか?」

 カインが治癒師と話していると、治療を受け回復した一人の騎士がカインに話し掛けた。

 彼の興味津々なその眼差しは、人懐っこい大型犬のようだ。

「ああ。話してやりたいのは山々なんだが、詳しくは話せないんだ。申し訳ない。ただ言えるのは、墜落した後、俺はレイ殿に助けてもらい俺はこうして生きている、ということだけだ」

「何か事情があるのですね」

 騎士は状況を察し、深く追求しないことにした。

「ああ。……竜の間にいる皆に告ぐ!」

 突然カインは、ドンッと自身の剣を床に突き立て声を張り上げた。

 その瞬間、その場にいる皆が手を止めカインに注目する。

「この度の治癒師レイ殿が関わった件は、決して口外無用だ!これは勅命だ!!口を滑らせたものは、首が飛ぶと思え!」

「「はっ!」」

 皆が、声を揃え竜の間に響き渡るほどの声で返事をした。

「カイン。お前は名ばかりの団長ではなかったのだな」

 その様子を腕を組みながら見ていたレオンがカインを揶揄う。

「レオン殿、それはあまりにひどくありませんか?」

 カインは困ったというように眉を八の字にした。

「フッ。冗談だ、許せ。あまりにも退屈でな。お前を揶揄ってみた」

 ニヤリと笑うレオン。この男は、相当な悪戯好きだ。

「そうだ、カイン。お前はセレイム学園に詳しいか?」

「セレイム国立学園ですか?」

「ああ。通うとは言ったが、学園についてあまり詳しくないのでな。知っていることがあれば、教えてくれ」

「それは、レヴィンが適役かと」

「レヴィンとやらは、確かあのメガネの、副団長?だったか?」

「ええ。私は、元々冒険者でして、その実力を前任の団長に買って頂いて騎士団に入団したので、この国のことにはあまり詳しくなくて。力不足で申し訳ありません」

「いや、そうか。冒険者だったのか」

「はい。パーティーは組まずに一人で生業にしていました」

「ほう?」

「苦労した戦いもありましたが、S級の称号を持っています」

 と嬉しそうに話すカイン。

 冒険者はそれぞれランクがあり、下からC級、B級、A級、S級だ。

 冒険者として仕事にするには、冒険者ギルドに行って登録を行い、仕事を請ける必要がある。

「お前、なかなかやるな」

 レオンは関した様子を見せた。

「カインは、とても優秀な冒険者兼騎士だよ」

 いつの間にか竜の間に顔を出していたセルビオスが、二人の会話に混ざった。

 その場にいた者たちは、すかさず彼に対して跪く。

「陛下とレオン殿に褒めていただけるとは、光栄です」

 カインは、彼の言葉に深く頭を下げた。

 談笑していると、竜の間の扉が開いた。


「レイ殿!スープが完成したのか」

 騎士たちの夕食分を作り終えたレイたちが戻ってきたようだ。

 カインはすぐに気づき声を掛けた。

「ええ」

「レヴィンもご苦労だった。それは俺が持って行こう」

「ああ。任せた」

 カインはレヴィンからスープの入った寸胴を乗せた台車を受け取り、配膳へ行く。

「美味そうな匂いだ」

 そう呟いたのは、レオンだ。

「薄味にしているから、貴方からしたらあのスープは味気ないと思うわ」

「そうか。あまりにも腹が減りすぎてな」

「お昼から何も口にしていないものね。治癒師の皆さん、後は任せて構いませんか?」

「はい!レイ様、今日は本当にありがとうございました!」

 治癒師たちがレイの周りに集まり、一斉に頭を下げる。

「私からも今一度、礼を言わせて頂く。今回の件、大変感謝する。君が来てくれなければ、竜騎士団は再起しなかっただろう」

 セルビオスもレイに感謝を述べた。

「いえ私は、出来ることをしただけです。力になれたようで何よりです」

 褒められていることになれない彼女は、不器用に言葉を返す。

「疲れただろう。後はゆっくりと休んでくれ」

 セルビオスは、レイたちに労いの言葉をかけた。

「ありがとうございます」

 レイは、ぺこりと小さく頭を下げた。

「カイン」

「はっ!」

 セルビオスの声に、配膳中のカインはすぐさま彼の所へ来た。

「お前も今日はゆっくり休め」

 セルビオスはカインに労いの言葉を掛けた。

「お心遣い感謝します」

明日(あす)からまた、竜騎士団団長として役務を果たしてくれ」

「はっ!」 

 カインが返事をすると、セルビオスはそのまま、竜の間を後にした。

「騎士たちは安静に、レヴィンと治癒師殿たちも休んでくれ。ご苦労だった」

 彼が出て行った後、カインは竜の間の者たちに声を掛けた。

「「はっ!」」

 その声に全員声を揃えて返事をした。

「お前に言われなくても、勝手に休ませてもらう」

 一方で、カインに軽口を叩いたレヴィン。

「ハハッ。お前はそういう奴だな」

「よく分かっているじゃないか」

 気の置けない二人。

 周りにいる者たちも、いつものやり取りが始まったと二人の会話を微笑ましく見ている。

「では、レイ殿、レオン殿行きましょうか」

「ええ」

「ああ。やっと飯にありつける」

 レイ、カイン、レオンの三人は夕食を食べに行くために竜の間を出た。


【森の愛し子~治癒魔法で世界を救う~】

を読んでいただきありがとうございます!


読んでいただいた方に癒しを

届けられたら嬉しいです( *´꒳`*)


この作品をより良いものにしたいので、

感想、ご意見、お待ちしております!

また、誤字脱字を見つけた方がいましたら、報告していただけると助かります。


不定期更新ではありますが、この世界観をのんびり楽しんでいただけると嬉しいです^^*


ブックマーク、評価もよろしくお願いします!/碧


作者のTwitter→@ao_rapis

主に小説の更新情報を発信しています!


カクヨム様にも同作品を投稿しております。

https://kakuyomu.jp/users/ao_rapis

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