国王に挨拶へ
竜の間でレヴィンと別れ、国王の下へと向かう三人。
カインを挟む形でレイと騎士が彼の両脇に並んで歩いている。
目の前に広がるのは、豪華な花が両脇に飾られた王座に鎮座する国王と、その王を前に跪く者の場面が彫刻された扉だ。
ここが来る途中でカインから聞いた、謁見の間のようだ。
騎士がいる理由は、先ほどのカインが国王から受けた証拠の一つだ。
もう一つの証拠は、宮廷治癒師が書いたその騎士の身体状況に関する報告書だ。
「セルビオス・スィン・セレイム国王陛下。竜騎士団団長、カイン・アルバートです。先ほど報告した少女と、証拠をお持ちしました」
カインが言い終えると、謁見の間の扉を従事が開く。
謁見の間は、入り口から王座までの一直線上に赤い絨毯が敷かれ、部屋の中心に当たる天井には、大きなシャンデリアが存在感を現している。
三人は、その扉を潜った。
赤い絨毯の上を進む。国王の近くまで来るとカインは国王に報告書を渡し、騎士と跪いた。レイもそれに倣い同じく跪いた。
「ただいまお渡ししたのは、宮廷治癒師が記したこの騎士の治療経過の報告書でございます」
「そうか」
セルビオス短く返事をし、報告書に目を通す。
報告書を読み終えると、次はレイをじっと見つめるセルビオス。
その顔立ちは白髪に綺麗に整えられた白髭で、シトリンの瞳が太陽の光で輝いている。
上質な布で作られた赤いマントは身に付けているが、扉に描かれていたような王冠や宝石を身に付けて着飾ってははいない。
王としての器を、金や宝石で見せない人物のようだ。
「三人とも、立て」
許可を受け、立ち上がる三人。
「そなた、名を何という」
セルビオスは、レイに声を掛けた。
「レイと申します。家名はありません」
完璧とは言えないがこの話し方は、昔買った本で得た知識だ。
「出身は何処だ」
セルビオスは、出生を聞く。
それはこの国は、平民であれど家名は誰もが持っている。家名を持たないと言った彼女は、国民ではないことが今の発言で一目瞭然だったからだ。
「分かりません。物心がついた時には、すでに暗闇の森にいたので」
「暗闇の森?それは真か?その森に入った者が生きて帰れたことはないと聞くが」
彼の目が鋭く光る。
普通の人であれば、その眼差しで卒倒するだろう。
現に霊たちと一緒に来た騎士は震えている。
「嘘ではありません。私は暗闇の森で育ちました」
「陛下。発言をお許しください」
二人の会話に、カインが割って入った。
「ああ。構わん」
「ありがとうございます。彼女が暗闇の森で暮らしているのは、真実です。今回の戦いで、私が墜落したのは暗闇の森でした。そこで彼女が私たちを見つけ助けてくださり、食糧を持っていない私たちに食事も提供してくださいました。そして私たちは彼女と共に暗闇の森からセレイム王国に戻って参りました。この事に嘘はございません」
落ちつた口調でレイと出会ったいきさつを話すカイン。 それをセルビオスは静かに聞いている。
「そうか。レイ、と言ったな」
「はい」
セルビオスの目は、まっすぐレイを捉えたと思えば、頭を下げた。
「今回の件、感謝する。疑ってすまなかった」
「いえ、私は何も」
突然、頭を下げたセルビオスに少し困惑するレイ。謁見の間にいる他の者も同様のようだ。
両者しばらくの沈黙が続く。
すると、
「一国の王が、容易く頭を下げるのではない」
突然聞こえてきた声に、どよめく謁見の間。
それはレイも同じだった。
「何者だ!」
セルビオスが、声を荒げる。
謎の風が謁見の間に吹くとその声の主がセルビオスたちの前に現われた。
【森の愛し子~治癒魔法で世界を救う~】
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