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改訂聖者伝  作者: う゛え゛ーりあん
最後の使徒章
13/18

帰依

「このダンジョンは地下何階まであるか不明なんだよ。記録上人類が到達出来てたのは地下6階まで。で、B6の中央と全壁、敷地内の全地面を覆うようにクソ強結界が貼ってあって、冒険者は立ち往生してるって訳」


「でも吸血鬼の財産を十分の一でも持って帰れれば一生遊んで暮らせるって噂だからさ、皆夢見て来るのよね。すぐにそこそこ強い魔物か結界にぶち当たって帰っちゃうんだけど」


「へぇ〜。魔物は何階から出るんだ?」


「大体この階からかな。4、5階らへん。“屠殺蟻(チョッパー・アント)”と“水玉蛙ポルカドット・フロッグ”が出るよ」


「なるほど。洞窟と一緒だな……さて、ルベン。|折角だから試してみるか《・・・・・・・・・・・》?」


「あぁ。良い機会だな。何やかんやこういう場面に恵まれなかったからな。あの蠍には攻撃加えちゃったし」


「機会?」

 司祭二人が小声で話す所に、ヴルモはひょっこり首を突っ込む。


「あー……後のお楽しみだ。上手くいったら革命が起こるぜ。度肝を抜かすほどのな」


「?????」

 リウジェンが笑いながら喋る内容を解せず、残り8人は不思議そうにそれを見つめていた。


「皆。早速やつらがおいでなすったよ」

 オッロールが目を閉じて警告する。と、細い道先の曲がり角からヌゥっと、体長1.7mはある、黒がかった銀色の、眼の無い蟻が数匹顔を出す。


「出たな屠殺蟻(チョッパー・アント)……アイツは音と匂いに反応するぞ」

 ゾロゾロと数匹出てきた蟻は、鋼のような身体を持ち、全ての脚の先がアイスピックのように長く、尖っている。


 獣が臭いを嗅ぐような、スンスンという音と、高い体温を感じさせる白い吐息。不思議なもので、彼らはまるで重力を感じないように見える。二匹が軽やかに壁を歩いてこちらに迫る。


「やるか?」


「あぁ。やろう。……神よ、私に貴方様の息吹を」


「ちょっ……ルベンさん!?」


「危ないよ!?」

 祈りを捧げた後、ルベンは皆々の警告を全て黙殺し、聖書を開いてゆっくりと、彼の身長よりも高い蟻達に近づいていく。


 蟻達は一行に気が付き、そして一番手前に近付く男に、蟻達は真っ先に敵意を剥き出しにした。

 吐き出す白い息の量は増えに増え、四つのノコギリがくっついた様な大顎を震わせて警戒音を鳴らす。


「火炎弾撃つ!?」


「ダメだ、ルベンさんに誤射したらひとたまりも無い!」


「リウジェンさん何で動かないんだよ!? これじゃルベンさんが肉団子にされちまう……!」


「黙って見ていろ。ここが分水嶺なんだ」


 奥から更に、蟻の中でも頭でっかちで大顎と体格が大きい兵隊蟻(ソルジャー)が二匹現れる。手前の労務蟻(ワーカー)達の鳴らす警戒音に駆け付けたのである。兵隊の職務は巣と労働者の保護である。

 ルベンは聖書を胸に抱え、蟻達に手の平を見せるように腕を伸ばし、深呼吸した。


「兄弟達よ。私は貴方々に訓戒を齎しにきた。高い玉座に居られる御方から、偉大なる詔勅が発せられたのだ。一万年に及んだ血生臭い諍いに、偉大なる夜明けの時が来たのだ」


「もう無理に虐殺し合う必要など無いのだ。悲劇の時代に終わりが来たのだ。無限に思える血にまみれた歴史に終止符を打つ日が来たのだ」


 兵隊蟻達は大顎を打ち鳴らし、涎を垂らしながら更に近付き、遂に大顎はルベンの頬に触れた。


「帰依の時だ。最早意味を失った戦を終えよう」


 告げると、蟻達は途端に警告を辞め、(おもむろ)後退(あとずさ)りし、ゆっくりと元きた道を戻って行った。


「……いま、何が起きた!?」

 彼らにコミニュケーションの余地などなく、ましてや人語を解する脳は無いというのが人類間での通説であった。


 しかし通説といっても魔女の界隈を始めとした、“魔との邂逅”を標榜した狂人達(・・・)は全て引き裂かれるかして死したという証拠が、一万年のこの対立を塗り固めたのである。


 そしてたった今、人類史のその常識、通説は根幹からひっくり返されたのである。


「これが、革命……?」


「そうだ。ルベンは正真正銘“預言者(プロフェーテース)”だ。我々の神のご意志を託された男」


「ちょっと待って……理解が追いつかない。君たち蝋燭教会の理念は大雑把に言って“魔物と亜人の民族浄化”だった筈よね?」

 シャイハーンが黒いフードを外して話し始める。


「その通り。一万年前の公会議からだな。確かに魔族の罪は聖書に明記されていた。神に抗ったからな。だがつい最近神は罪を赦された(・・・・・・)。ルベンが預言したし、預言者の“しるし”を俺も確認した。罪と定めた神がお赦しになられたのだから当然、現在魔族に罪は無い。そしてそもそも魔族の刑罰は神が課すものだ。俺らは神に仕えているが、俺らの判断で、何もしていない魔族相手に戦を仕掛けていい訳が無い」


「そして亜人だが……そもそも亜人の罪は聖書にも預言にも記されていない。民族浄化は神の御指示でなく教会上層部の独断だ。許されることでは無い」


「私達は力をつけて全世界の魔族と亜人を解放して保護し、今の教会を解体するッ!世界を正道に戻す!」


現在蝋燭教会は、全世界の人口25%ほどに受け入れられている。


彼らにつく兵士の総合数は、傘下国を動員出来ることを考えれば数千万人は下らない。


無論ルベンとリウジェンはその事を理解していた。


「戻さねばならないッ」





「リーダー」


「ん〜?」

シルクハットを机に置き、本棚に腰掛けて爪にヤスリをかけるヤトックは、背後に立つ、黒ずくめのパジャールに返事する。


「東11階段付近で探知網に引っかかった……引っかかったんだが、連中、野良パーティと合流したらしい。これで戦闘要員は総勢6人になった」


彼女の片瞼が一瞬痙攣する。


「職業と等級は?」


「魔法剣士、(まじな)い士、戦士、魔法使い。魔法剣士は上級っぽくて他は全員中級だが……どうする?」


「ん〜……まぁ、大丈夫でしょ」

シルクハットを被り、胸ポケットから細長い指揮棒(タクト)状の翡翠を取り出し、巻かれてある何本かの細く、輝く糸ごと掴んで囁く。


「探知した。繰り返す探知した。東11階段付近。気付かれず接近せよ。私が行くまでバレるな攻撃するな。補足事項、目標は野良パーティと合流した。上級魔法剣士がいる。油断するな」


「よし、行こうか。ほら、モタつかないで。また転んだら折檻(・・)するよ」

ビクッと大きく震えた、鎖と麻縄に繋がれた奴隷達は、商人と輜重士に手綱を引っ張られるまま歩き出した。


軽拳闘士はまだ眠りこけているままである。







「そうか……キミ達は国を作るんだ」

オッロールが感嘆の息を漏らす。とは言え、数百年間国が無く、集落が転々とあるような、そして命の危険が蔓延る“果ての地”に建国を企てる彼らを、酔狂と評すしかない。


「だが俺らは政治なんて分からん。誰か伝手でそういうのに明るい人はいないか?」


「オッロール、確かアレだよな。お前親戚に政治家いなかったっけ?」


「血は繋がってないよ。僕から見て叔父の奥さんがそうだったかな。でも僕が頼んだところでなぁ……」


つながり(コネクション)が出来るだけでも充分だ。生きて帰ったら紹介してくれ」

ルベンがオッロールの手を掴んで頼み込むと、ハッとして冒険者4人がをお互いバツの悪い顔を見せあった。


「?何だ………」


「ルベン。それ言っちゃダメだ。生きて帰ったら(・・・・・・・)なんて。その台詞を口にした冒険者は大体死ぬんだよ……」


「えッ!?じょ、冗談だよな……」


「“家族”“恋人”“生還”“恩返し”なんて綺麗な言葉はもれなく忌み言葉だよ。私達が口に出していいのは“酒”“財宝”“名声”“戦い”関係の、泡銭を散らす刹那の快楽と暴力を謳う汚い言葉だけ。それらが私達を高い所へ連れて行ってくれるの」


シャイハーンの言葉にルベンは成程と合点がいったようで、ポンと掌を拳で打った。彼らの粗雑に見える言葉遣いは、総じて、(ゲン)担ぎから発生した文化。稼いだ銭をその日のうちに酒場に放り投げる生き様そのものなのだ。

暴力的な価値観の接触しか見ていなかったルベンに、感動を喚起させた。


「まぁ、とにかく何とかして渡りをつけてくれ。勿論それ相応の謝礼はする」


「……う、うん。僕にできるこ」

バシュンという、水風船に火箸を刺したような、そんな音が響いて、横にヘドバンしたようにオッロールが倒れる。

オッロールの首には矢が貫通して刺さっており、ぶくぶくと血の泡を口から湧かせて、痙攣している。


「げぽっがぱっぐぇぇ」

白目から涙を流させ、身体中が一瞬で冷や汗に濡れ、喉を必死に掻き毟りのたうち回る。気道が確保出来ていない。あまりに暴れるので首から更に血が吹き出、ルベンやシャイハーンの顔に血が飛ぶ。


「ルベン治療しろッ!ヴルモは後ろへッ警戒しろ既に会敵している」


「了解ッ」


「早く抑えろッ!血で溺れて死ぬぞ」


「オッロール!オッロールあばっ暴れないで大丈夫だからッ!治るから大丈夫だからッ大丈夫だからッ」


「イリュン3、2、1の1で矢を引っこ抜け、その瞬間傷を塞ぐ」


「治療したら後送するぞッ」


「そうはさせないよォ〜」

リウジェンが指示を飛ばした瞬間、前方の暗闇からクスクスと笑い声が響く。


「……お出ましだな」


「り、リウジェンさん……俺ら囲まれたみたいだ」


「何ッ?abome達を中へ……」


ヴルモの目の前の暗闇20m程先。明かりにヌゥッと、赤く巨大な鎧で武装した重戦士らが二人、赤黒い紋章が刻まれた大盾や大剣を構えて立っている。


(奴ら……ここが初めてじゃないのかよッ?)


「お初にお目にかかります」

ほんの目の前から声をかけられたので、リウジェンは湾曲刀を構え直す。


暗闇から出てきたのは、シルクハットで白シャツにサスペンダーを着込んだ、背長(のっぽ)の女だった。


貪食(formanĝi)か?」


「如何にも。仇を()りにきたよ」

女の後ろにも、朧気ながら大柄の気配が見える。


「リウジェン。治療成功。ただ血を失いすぎて気絶してる。戦闘不能だ」


「了解……」

これで遠距離投射火力が大幅に減った。


「ウチのクルーを一人殺っちゃってるからねぇ……全員楽には死なさないよ」


「ほぉ〜。どうするってんだ?言ってみろ」

シルクハットの下にあるニヨニヨ顔が気に入らないのか、リウジェンは分かりやすく顎を上げて煽る様に言い放つ。


「キミ達を壁に押し当ててすりおろす(・・・・・)。男は殺すとして、女はダルマ(・・・)にして、そっちのギルド支部前に捨ててあげよう」


「そうすれば私達への恐怖が伝搬する。恐怖が広まれば広まるほど私達に舐めてかかるバカは居なくなる」


「そうかい。俺らはお前らと違って優しい(・・・)からな〜。無駄に苦しませず消し炭にしてやる」


「優しい冒険者は愚かな冒険者。……生け捕りにしろッ!」


指揮者が手を掲げてから振り下ろすと、重戦士達が鬨を挙げ、各々盾や胸甲をガシャガシャと叩きつつ突撃を開始する。


「Arahrahhhhhh!!」


「Ugahhhhhhh!!」


「Feriferiiiii!! Feriferiiiii!!」


突進する、190cmはある巨漢の重盾二人と、その背後に更に巨漢の重剣一人。


「天誅ゥッッ!」


リウジェンの湾刀、渾身の大振りが盾目掛けて炸裂される。が、カァンと弾かれるばかりか火花を散らすと同時に真っ二つに折れてしまい、刀身の半分が折れて何処かに飛んでしまう。


「げぇっ!鋼戦象(アル・フィール)の牙製だぞ……!」


「俺らのは鋼戦象(アル・フィール)の頭骨製だぜッ」


「死ねィッ」

横に連なっていた大盾が突然左右に掃けて開くと、そこにはスキンヘッドで左側頭部に何個かピアスを連なせている大男が、巨大な長巻のような両手剣を、刃先が天井に付きそうなほど天高く掲げている。


死の匂いが蔓延する、コンマ秒の世界であった。


「チェイ゛リャアァ゛ァ゛ァァッ!!!」

鼓膜が爆散するような奇声を挙げ、一歩前に出ると同時にリウジェン目掛けて振り下ろす。


身体が真っ二つになる鮮烈なイメージが脳に焚きあがった僧兵は、全神経、全筋肉を総動員して地面を目一杯蹴り、横に避けようとするも


時は既に遅かった


刀身はまるで、板前が魚をおろす一場面の様に、ストンとリウジェンの脚に滑り込み、そして遂に断ち切ってしまった。

「!?……!」


ゴロンと体勢を崩して転び、そしてリウジェンは失った己の足首から先を垣間見、何が起こったか察して顔を歪ませる。


「ほぉ……!声を挙げんか!泣き叫ばんか!嬉しいのう嬉しいのう。その齢に似合わぬ良き戦士じゃ。良き死兵の素質がある。今殺すにゃ惜しいわい」

嬉しそうににんまり笑う、両手剣を扱う重戦士は、まるで鬼の様な体躯。身体は大酒飲みのように赤みがかっていて、異国で見た力士像を思い出させた。


「そらどうもッ!クソがッ」

フラミンゴの様に片脚立ちで、取り払った脚絆(ゲートル)を太腿に強く縛り付け止血する。


「お前らは下がっておれィッ!わい一人で殺っちゃる!嬉しいのう嬉しいのう」

異常な体温なのか、この生温い空気のダンジョンの中で冬のように白がかった鼻息をフンフン鳴らし、戸惑う盾手二人を鎧袖で押しのけ弾き飛ばす。


「わいはカマラン。名は?坊主」


「リウジェンだ。冥府での話のタネが出来たな」


「ブハハッその生意気や良しッ!たっぷり可愛がってくれるわ!上着を脱げいッ漢なら裸一貫殴り合いじゃい」


「上等だこの野郎ッ!!」




「まずいな……リウジェンの支援に入りたいが……ッ」


「ホラホラ防戦一方だぜ!?大丈夫かよォーッ!?」


「Urahhhhhhhhgッッ!!!!」


重剣の女、重盾の男、魔法士の男の猛攻がやまない。


「〖硫黄〗〖えぐり込む〗〖たちどころに〗ッ!」

敵魔法士が煮えたぎる、横向きの雨を降らすと


「【私は滝となりて汝を包む。私が主である】ッ」

ルベンは巨大な水柱を落とし、噴火弾のような硫黄の粒を洗い流す。


「〖敵手〗〖灰燼よ在れ〗ッ!」

ヴルモが敵の地面に、赤黒く鋭く光る魔法陣を出現させると


「【即刻その不可思議な術を打ち消さん】ッ!」

敵の僧侶がそれを打ち消す


そしてこちらの戦線で一番マズイのはイリュンである。敵方と五分五分に見えるが実質、ルベンによる支援攻撃や祝祷、ヴルモのカバーで誤魔化している。巧みな鉄棒術で攻撃をすかし迎撃し防いでいるが、素人目に見ても押されている。

ヴルモが連中と渡り合えるのが異常な事態であり、そもそも軽戦士が重戦士との正面からの殴り合いを耐えれるわけが無い。


何とかしなければ順番に撃破される。


(先に殺るべきは……やはりあの僧侶ッ!何とか、刹那の隙をッ!)


そこでルベンは見逃さなかった。攻めに転じてくれたヴルモとイリュンのお陰でこじ開かれた、敵重剣、重盾が手一杯になる瞬間。


(今しかあるまいッ!)


「【神罰の矢を 神敵への一射を】ッ!」

ルベンが叫ぶと、彼の身体の横に、彼程の大きさの、光る弓矢が形作られた。

弓矢は勝手に弦が引かれ、角度を微調整して直ぐに矢が放たれた。


オレンジ色に輝くエネルギー体の矢は重戦士二人の間を高速ですり抜け、緩くカーブしつつ瞬時に僧侶の鼻先に到達した。


「ターロンいったぞォッ」


「【目前に在るは恩寵の砦】ッ!」

瞬時に道幅に満ちる、蜘蛛の巣状の結界を貼ると、糸は矢を絡めとってすんでの所で防御する。


が、エネルギー体の矢を突き破って物理の、血にまみれた矢が結界をすり抜け、眼球のすぐ下の所に刺さって、ヘドバンするように後ろに吹っ飛び倒れる。

僧侶は仰向けにぶっ倒れて、何が起きたか分からないまま石天井を見つめていた。

段々と、右眼に激痛が走り始め、右の視界が赤く染まり続けて、意識が遠のく。


「あ、あ……!ターロンがぁぁッ!!」

魔法士の男が顔を歪ませて叫ぶ。


「オッロールのお返しだ……!これで回復手段が激減した。まだやるかッ!?」


「テメエエッ!!逆にやる気マンマンになっちまったなァァッッ!!??一度ならず二度までも殺りやがってぇぇッ!」


「タロンがやられたッ繰り返すタロンが殺られたァッ」


(これで戦況が大きく傾くッ!呪い師のシャイハーンが動けるッ)

ルベンがちらりとシャイハーンに視線をやると、小さくサムズアップを見せて、彼女の足元の黒と緑の半々の魔法陣の中心をバンと踵で叩き両手で印を結ぶ。


「【病道虐土】ッ」

黒い点々がシャイハーンの踵から飛び立って付近の空中や壁にへばりつき、徐々に透明になって消えていく。


「!!二人とも下がれッ!」


魔法士が叫ぶが、状況を掴めていない重戦班は、何か違和感を感じつつも困惑しつつ戦闘を続ける。


「クソッ呪いだッ!呪いが掛けられる!一旦下がってくれ!」


「んな事言われてもっ……!」


「今は手が空けらんねぇッ!」

僧侶の祝祷支援(バフ)負の祝祷(デバフ)、奇跡攻撃で埋まっていた部分がぽっかり空き、その分の負荷が一斉に近距離攻撃勢に流された。


「畜生ッ〖敵手〗〖灰燼よ在れ〗ッ!」


「〖氷柱〗〖剣〗〖狙い撃て〗」

呪いを焼き払う判断をしたらしい彼の杖から炎が噴き出した所で、ヴルモが一本の氷の剣で狙撃する。

剣は彼の胸に刺さり、杖の炎が消え失せ、よろよろと後退りして背中から倒れ、血を吹いた。



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