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覚書と登場人物紹介

【設定について】


別の作品の資料として『ヴィクトリア朝百科事典』(河出書房新社)という本を読んでいたら、こんな部分がありました。以下引用です。


ヴィクトリア朝を通じて、貧しい人々の多くが、月曜日の朝、一張羅の日曜日用の晴着を質草にその週の生活費や営業資金を捻出し、土曜日の夜その週のあがりで質草を請け出すといった生活パターンを繰り返していた。(中略)貧しい人々にとって質屋はまさしく一種の銀行であり、大事な一張羅を預かってくれる安心便利な貸金庫にほかならなかったのである。また当時、懐具合に余裕のあるとき、一種の保険として質草になりうる衣料や装飾品を買いおきしておくことは、貧しき人々の生活の知恵であった。(引用ここまで)


元々、何か「お店」を舞台にしたお話を書きたかった遊森、この文章にびびびと来てしまったんです。


ネットなどでも調べて行くと、「質屋は古着屋を兼ねることが多かった」とか、キリスト教は利息を取ることを嫌っていて、旧約聖書に「外国人には利息を取って貸してもよい。ただ兄弟には、利息を取って貸してはならない。」(申命記23章20節)とあるとか、イタリアの修道院が「喜捨や遺贈による資金をもとに無利子で、担保を取って少額の融資を行った」なんていう話が出て来て、それでどんどんアスティの物語ができあがって行きました。


こんなんアリ? みたいな設定もあるかと思いますが、遊森の脳内がこんなんだということで、架空の国ルンドマルクに暮らすアストリッドを温かく見守って頂けると幸いです。


ちなみに、お話に出てくる懐中時計の鎖は、『アルバート』という実際にあった鎖をモデルにしています。ヴィクトリア女王の夫君アルバート公が生前使用していたためそう呼ばれたそうです。




【登場人物】


アストリッド(アスティ)・レイグラーフ

17歳 焦茶の髪、青紫の瞳

リンド男爵トビアスの一人娘。父が爵位を剥奪されて追放された後、残された財産を元手に、父の領地だったリンドの町で質屋を始めた。明るく前向き、少々気が強い。容貌もそれなりなんだけど、まわりが美形揃いなので目立たない。


トビアス・レイグラーフ

39歳

リンド男爵だったが、王妃を誘惑した咎で爵位を剥奪され、海の向こうの隣国に追放されてしまった。アスティの母(故人)を一途に愛し続けるポエマー。自分の境遇に酔えるタイプなので、隣国でもうまくやってると思う。


サンナ・レイグラーフ

享年30

アスティの母。トビアスが面白いので結婚した(身も蓋もない設定)。


バルトサール

35歳 黒髪 黒紫の瞳

リンド男爵家で執事をしていた男。男爵家に恩があり、トビアス追放後もアスティに仕える。物静かで優雅だが、脱いだらすごいんです。警備、裁縫(質草として預けられた服の直し)、品物の保管担当。


ベアトリス(ビー)

16歳 黒髪 緑の瞳

リンド男爵家でメイドをしていた美少女。台所にこもって仕事をする下級のメイドで、客の前などには出たことがなかった。内気で臆病だが、アスティに懐いている。料理、洗濯、掃除担当。


ウルリーカ

17歳 金髪 青の瞳

書籍版では「フリーダ」。伯爵令嬢。某公爵家でアスティと共に行儀見習いをしていて仲良くなった。誇り高く、少々偉ぶる所もあるが、友人想いの熱い性格。


エイナル

20歳 赤毛 茶色の瞳

リンド警備隊の副隊長。元不良。


ディーサ

60代後半 白髪 青の瞳

アスティの質屋は古着が専門だが、ディーサの息子の経営する質屋は小物専門。アスティに質屋のイロハを教えている。


ユーアン・リュングレン

20歳前後

アスティの元婚約者。ヴェイセル男爵の三男で、公証人。

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