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第2話

 あの戦いから1日が経った。一撃を入れたあと虎人間は灰になりその中から人間が出てきた。そいつはバスケ部の顧問、山田。バスケ部の女子学生にセクハラまがいのことをしており、注意を受け逆ギレをしモンスターになったらしいが、頭の処理が追い付かねー。嫌な夢でも見ているんじゃ......。


 倒れていた生徒達はモンスターを見て気絶していただけらしく身体に問題はないとのこと。


 興味はないが事件に首を突っ込んじまった以上知る権利はあるだろう。蒼霧に放課後聞きに行くか。


「よっ! でか()!」


 放課後、科学研究部に向かおうとしたとき、例の面倒な女に捕まってしまった。


「でか男じゃねー! 黒鐘 勇牙だ! いい加減覚えろ!」


 ごめん、ごめんと言わんばかりの表情をして近付いてきたこいつが、鳴上 命だ。長い髪をポニーテールにしていて、真っ直ぐな瞳はこいつの気の強さを表しているようだ。バスケ部員のため、色々知ってそうだが苦手な女のため敢えて避けていた。


「蒼霧君の所に行くんでしょ?」


 女の勘は鋭い。これは逃れられないな。仕方ない。


「ハァ。お前バスケ部だろ、色々聞きたいことあるし、行くか?」


「フフッ、オッケー!」


 普通だったら、忘れたい過去になりそうなもんだが。命は正義感の強い女だ。真実を知りたいのだろう。


「蒼霧は居るか?」


「こんにちはー!」


 科学研究部に到着し部屋へ入る。一般的な理科室だな。蒼霧はテーブルに置いてあるパソコンに向かいキーボードを操作している。俺達に気が付くと笑顔で手を振ってきた。


「やぁ、やぁ、やぁ! 待ってましたよ!」


 相変わらず妙なテンションでやりずらい。眼鏡のブリッジを指で押すと両肘を机に立て顎を両手に乗せた。そして、急に神妙な顔になり説明を始めた。


「言わずとも分かってます。昨日のことですよね?」


「話が早くて助かるぜ」


「私も聞きたい」


 蒼霧の話しによると、モンスターは超獣と呼ばれる実験体。俺の身体に纏わり付いた機械はライドブレイバーと呼ばれる対超獣パワードスーツ? らしいが、すまん付いていけん。


「これは現実か? 漫画の読みすぎか?」


「しっかりしてよ、もう!」


「無理もないですよ。ですが、黒鐘君。君には素質がありました。僕と協力してほしいのです」


 パンク寸前の俺に蒼霧はさらに説明を続ける。ライドブレイバーを使うには鍛えた肉体が必要らしい。で、俺に白羽の矢が立った。超獣を実験しているのはこの学校の清徒会(セイトカイ)とのこと。ちなみに清徒会というのは、他の学校でいう生徒会だ。


「なんで、俺だったんだ? それに清徒会がそんなことをしているなんてなぜ言いきれる?」


「私も清徒会だったからです。それに君は優しい人ですから」


 清徒会にいた頃の話しは、はぐらかされてしまい詳しくは聞けなかった。

 俺が優しい人だ? その時の蒼霧は死んだような眼から生気が宿った眼に変わっていた様な気がした。


「はい、はーい! 次私! 山田先生は清徒会と関係ないけどなんでその超獣? になったのかな?」


 バスケ部の話しは俺も聞きたかったところだ。


「山田先生は利用されたんでしょうね。弱い心に漬け込まれて。セクハラとか噂されてましたし」


「なるほど~」


 清徒会はそんなに強い力を持っているのか。恐ろしすぎるだろ。


「とりあえず情報整理はこんなもんか。とりあえず頑張ってくれ」


「ふむふむ、つまり清徒会の悪事を暴けばいいんだね! でか男行くよ!」


「俺は協力するなんて一度も......」


「僕は信じています、昔みたいに」


 えっ? 今なんて?


「でか男、前から思ってたけどその金髪ダサい。ファッション不良だよね」


 は?


「黒鐘君、この前中庭のゴミ拾ってましたよ。その前は......」


「えっ 何その話し! 聞きたい!」


「いいですよ」


 何がなんだか、もうわからん。勝手にしてくれ。

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