お姉ちゃん
「あ……れ?」
頭がボーっとして何も考えられない。
あたし、何してたんだっけ。
「おはよう、リーネ」
懐かしい声。大好きな声。優しい声。
「おねえ……ちゃん?」
「はい、そうです、可愛い妹リーネの大好きなレーレお姉ちゃんですよ」
あたしは思わず抱きついてしまった。
「あらあら、リーネったら甘えん坊さんね」
「う……だって……ぐす」
ああもうだめだ、涙が止まらないよ。なんでだろう?
「よしよし」
お姉ちゃんが頭を撫でてくれた。
「怖い夢でも見ちゃったの?」
「わかんない……」
「そっか、じゃあ落ち着くまで、ずっとこうしてる」
「うん……ありがと」
*
「ごめんね、もう大丈夫」
ようやく落ち着きを取り戻したあたしはそう切り出した。
「本当に?無理してない?」
「うん、大丈夫だよ」
本当はまだ少し怖いけど、これ以上心配かけたくないし、それにいつまでも甘えていられない。
「それならよかった。でも、無理しないでね」
「うん……」
よくわかんないけど、この景色を私はなぜか懐かしく感じた。
昨日もこの森の中の小さな家で、お姉ちゃんと一緒に過ごしていたのに。
「ねえリーネ」
「なに?」
「お話し読んであげよっか?」
「お話し?」
「リーネが大好きなお話し、”魔女と勇者”」
「うん、聞きたい!」
「じゃあ、むかしむかしあるところに一人の魔女と一人の勇者が————」
次話おとぎ話です。




