表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異天神話 All Made Up Fiction -作り話-  作者: あんず
無限階層世界を越えて
1/2


 

死というものは、こんなにも静かで、辛くて、哀しくて、痛くて、寂しくて、空虚で、冷たくて、無情で、深い闇で、無言で、孤独で、静寂で、絶望で、永遠なのだな。





神格を失い、もう何もないと思っていたけれど。あたしにはまだ、この手の中にあるものがあった。

それは、あたしが守りたかったもの。

それは、あたしにとって一番大切なもの。

それは、決して手放したくないもの。

それは……かけがえのないもの。

あたしの……大切な人……。


誰かが言った。

————所詮、人間は神の造物だと。


誰かが言った。

————所詮、神は上位存在の造物だと。


誰かが言った。

————所詮、全ては作り話だと。


結局、それは正しかったのかもしれない。

長い夢を見ていたようで、何も見ていなかったようでもある。



あたしは、何をしていたのだろう。あたしは、何をしたかったのだろう。

あたしは、何をしたかったんだろう。

自分は、何がしたかったのか。

自分は、何が欲しかったのか。

もう、わからない。

何もわからない。



ふと気付くと、そこは白い世界だった。


「ここは……」


『君だけの世界さ』


「神格がない今のあたしでも、そんな世界あるんだ」


『あるさ、生物なら皆持っている』


「そっか」


『ああ、そうさ』


「ねえ、一つ聞いていい?」


『なんだ?』


「あたしは生きてる?」


『生きているの定義によるね』


「それって……?」


『君が生まれなかったとして、君は死んだことになるのかい?』


「それは……」


『肉体を動かせなくなり、細胞が死滅とき、それは死かい?』


「たぶん」


『なら、魂があっても意識が無ければ死かい?』


「……」


『死とはなんだろうか?生とはなんだろうか?』


「命の有無……」


『命の定義は?』


「わからないよ、そんなの」


『それが答えだ』


「え?」


『わからないことこそが答え』


「なによそれ」


『言っただろう?所詮、全ては作り話だって、命なんてものは初めから無いんだ』


「それも作り話?」


『そうかもしれない』


「わけがわからないわ」


『そうだね。僕が知る限り世界は不完全なんだ。まあ不完全であるように作られているだけかもしれないし、完全なんてものが無いのかもしれないけどね』


「そう、なのね」


『ほら、そろそろ夢から醒めるときだ』


「夢?」


『そう、夢、ここは君だけの世界で夢の世界で、作り物の仮初の世界』


「最後に1つ、あなたは誰なの?」


『僕は……そうだね。誰でもあって、誰でも無い』


「え?それってどういう……?」


『言葉にできないから、そう伝えるしかないね。存在していて存在していない存在』


「はぁ……」


『ほら、もう時間だ。じゃあね。またいつか、会えるといいね』


そしてあたしは目を覚ました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ