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ヤブカラ族の種類


 僕とギャーテーさんはマップ頼りにゼニキンさんたちがいる場所まで到着した。


「《お疲れ。色々あったらしいが聞いてもいい?》」


 片手を上げて挨拶をするゼニキンさんがそう言ってきた。


「《ヤブカラ族を助けたらプロレス技をかけられて、重傷が治った見たいですよ》」


 ギャーテーさんが代わりに答える。


「《・・・・・・ん、なんて?》」

「《ヤブカラ族を助けたらプロレス技をかけられて、重傷が治った見たいです》」

「《・・・ごめん。二度聞いても意味がわからないんだけど》」

「《いったいどういう状況なんだそれは・・・》」


 ゼニキンさんもジャンクさんも困惑顔になってしまった。

 短くまとめすぎだったな。

 ちゃんと一から話をしよう。


「《竜のしっぽに吹っ飛ばされた所から話すとですね──》」


 順を追って説明をする。

 着地した所が草むらで、匍匐前進しかできない状況だった事。

 近くで声が聞こえるので覗いてみたら自分自身の罠にかかったと思われる『バクの仮面』をつけたヤブカラ族が居た事。

 そのヤブカラ族を助けてあげた事。

 残っていたPPを使って回復してみたが中傷までしか回復出来なかった事。

 助けたヤブカラ族がヒールと仮面に書いてあるヤブカラ族を連れて戻ってきた事。

 そのヒールさんにプロレス技をかけられた事。

 去り際に、ヤブカラ族から仮面と首飾りを貰った事。

 ギャーテーさんがやって来て、立ち上がってみたら重傷が治っていた事。


「《とまあ、こんな感じでした》」

「《な、なるほど・・・大冒険だったねコハちゃん》」

「《色々とツッコミ所があるんだが、どこからつっこめばいいのやら・・・》」

「《ちゃんと聞いて見てもおかしなところ満載だね》」


 みんな苦笑いを浮かべていた。


「《そうかもしれませんね》」

「《仮面にヒールでプロレス技と・・・》」

「《ちゃんと回復したので『回復系関節技使い』とでも言えばいいんですかね?》」

「《まあ、ヤブカラ族は訳わからん奴らではあるし、そんな奴が居てもおかしくはないな》」

「《そうなんですか。他にはどんなヤブカラ族がいるんです?》」

「《俺が知っている範囲では──》」


 ヤブカラボウ──棒を持ったヤブカラ族。一番オーソドックスなタイプ。

 ヤブカラボー──藪から弓矢で攻撃してくるヤブカラ族。位置がわかりにくく、逃げられやすい。

 ヤブカラソウ──藪から槍で突いてくるヤブカラ族。足狙いが多い。

 ヤブカラコン──こん棒か長めの棒を持って襲ってくるヤブカラ族。長めの棒タイプの場合、見方を守る様に現れる防御特化型。長く対峙していると後ろから他のヤブカラ族に襲われるので注意。こん棒タイプはボウと同じ。

 ヤブカラロー──藪からローキックを放ってくるヤブカラ族。蹴られた場所はしばらく重傷扱いの特殊状態異常となる。

 ヤブカラドー──剣道シリーズ。剣道着姿で藪から胴打ちを放ってくる。当たると特殊状態異常で起き上がれなくなる。

 ヤブカラメン──剣道シリーズ。面打ち。当たるとしばらく立てない特殊状態異常。

 ヤブカラコテ──剣道シリーズ。小手打ち。打たれた手はしばらく使えない特殊状態異常。

 ヤブカラロン──麻雀シリーズ。一番近くに居たプレイヤーのお金を点数分盗み取る。役満の場合は召喚魔法となり、竜タイプのヤブカラロンを召喚する。勝てないので何とか逃げよう。


「《え、お金盗られちゃうんですか?》」

「《一番近い奴がな》」

「《俺のお金が減ってたよ・・・》」


 ジャンクさんが被害にあってたみたいだ。


「《後で換金する時に32000Cをまずジャンクさんに渡せばいいですかね》」

「《その後で全員に分配だな》」

「《ありがたやー》」

「《・・・・・・だいたいやばそうなのはこんな所か?》」

「《バクも居るのでは》」

「《ああ、そうだった》」


 ヤブカラバク──プレイヤーが罠にかかると顔を出すヤブカラ族。嬉しそうに、逃げて行く。


「《バク君そんな子だったんですね》」

「《バク君とか呼んでたのかよコハちゃん》」

「《心の中で呼んでただけですけどね》」

「《・・・・・・まあいいやな。続けるぞコハちゃん》」

「《まだ居るんですか・・・種類多いですね》」

「《俺があったことある奴だけでこれだからな》」

「《お願いします》」

「《ほいほい》」


 ヤブカラチー・ポン・カン──麻雀シリーズ。特になにも起こらない。


「《何もしないのも居るんですね》」

「《声だけはデカいからびっくりして視線は向けちゃうんだよこいつらには、そこを横からローとか》」

「《・・・聞いてたら足痛くなってきましたよ》」

「《ローはマジ痛いからなぁ。じゃあ続けるぞ》」


 ヤブカラホウ──藪から魔法を打ち込んで来る。最初から最後まで見えない。

 ヤブカラポウ──色々種類が居る。拳法使い、忍法使いが一番多く、ゆっくりしたチョップを打ってくるタイプや、藪から現れて踊り続けるタイプが居る。


「《・・・・・・ヤブカラポウの後半の説明が良くわからないんですが》」

「《お父さんに聞きなさい。後、ここから先はだいたい良くわからないシリーズだ》」


 ヤブカラコウ──藪の中からこうの匂いがする。たまに睡眠香や麻痺香を使って来るタイプが居る。

 ヤブカラゴール──藪からサッカーボールを顔面に蹴っ飛ばして来るヤブカラ族。実況も自身でやっているのか「ヤブカラヤブカラヤブカラヤブカラー!」とうるさく騒ぎまわる。

 ヤブカラビーム──藪から現れてしばらく立ち止まり、ビームを撃ってくる。撃たれる前に追い返せれば何とかなる。

 ヤブカラサンタ──藪からサンタ服で現れるクリスマス限定ヤブカラ族。良いものが貰えるらしい。超レアキャラ。

 ヤブカラドール──藪からヤブカラ族人形を投げてくるヤブカラ族。体に張り付いて来てとっても重い。

 ヤブカラジュース──藪から現れてこけるヤブカラ族。その時にジュースを零される。謝りながら逃げて行くが俺はユルサナイ。

 ヤブカラデテキマシタケドモウカエリマス──読みづらいよな。『藪から出て来ましたけどもう帰ります』とカタカナで書かれた仮面つけて現れるヤブカラ族。すぐ逃げるせいか、倒したという報告がまだないヤブカラ族の一体。

 ヤブカラメジャー──藪から飛び出して持っているメジャーで体を測ってくる。討伐例無し。動きが速い。測り終わると何故か笑って帰っていく。

 ヤブカラジャズ──藪から現れてジャズを披露してくれる。最後まで聞くとお金を盗られる。途中で止めると怒って楽器で襲ってくる。ピアノが強すぎるので早めに壊そう。


「《もう、何でもありですね》」


 呆れ気味に僕はそう呟いていた。


「《何でもあり、一撃離脱型の戦闘スタイルが基本で、すぐ逃げる。それがヤブカラ族だ》」

「《しかも一撃食らうと動けなくなる系のも多いからきついのよ》」

「《ロー食らったのでわかります》」

「《俺が会ったことあるのはこんなもんかな。あと会ってないけどコハちゃんが遭遇したヤブカラヒールか》」

「《ヒールレスラーの回復能力持ちですね》」

「《まあ普通には遭遇しない感じだな》」

「《そうなんですかね》」

「《戦闘中に関節技かけて回復するなんて暇はない》」

「《ああ、なるほど》」

「《後はね・・・・・・俺が会った事ない奴でやばそうなのは『ヤブカラ王』ってのが居るらしい》」

「《ヤブカラオウ、ですか》」

「《オウが漢字なんだと》」

「《カタカナではなく?》」

「《そ。ヤブカラ王。取り巻き付きで出てきてヤブカラヘイってのに守られて登場するそうだ》」

「《へー》」

「《そんで王がロン召喚する》」

「《は・・・・・・竜の方ですか》」

「《竜の方です。しかも2体》」


 終わりじゃないですか・・・


「《それは出会ったら最後ですね》」

「《俺もまだ会った事ないからそんなに出現する事はない敵だとは思うけど、まあ会ってしまったら潔く逃げようね》」

「《わかりました》」


 本当に色々いるんだなヤブカラ族。

 多分だけどまだまだ種類たくさんいそうな感じだな・・・


「《そういえば、今って休憩中でしたっけ》」

「《そうだね》」

「《PP回復するまでな。10分くらいここでダベってようぜ》」

「《了解しました》」

「《あ、そうだコハちゃん》」

「《はい、なんですか》」

「《ヤブカラ族からなんか貰ったんでしょ。鑑定した?》」


 鑑定?


「《してません・・・・・・というかやり方知りません》」

「《あー、理解した。やり方は後で教えるから先に鑑定しちゃおうか。物出して貰える?》」

「《これです》」


 言いながら仮面と首飾りをゼニキンさんに手渡す。


「《ほう・・・これはいい品物ですねぇ~》」

「《すぐにわかる物なんですか》」

「《ごめん、直ぐにはわからないからちょっとまっててねー》」


 言うなりゼニキンさんはアイテムボックスからメガネを取り出してそれをかけた。

 鑑定するためのアイテムかな?

 しばらくして、ゼニキンさんがこちらに顔を上げた。


「《コハちゃん》」

「《はい》」

「《やばいの貰ったねぇ》」

「《え、マジ!》」

「《コハマル君!》」


 ジャンクさんとギャーテーさんが覗き込んでくる。

 いつの間にか二人ともメガネをかけていた。

 二人とも鑑定用のアイテム持ってたのね。


「《SRスーパーレアですわこの仮面》」

「《初めて見たんだが・・・》」

「《コハマル君やっぱ持ってるよ何かを!》」

「《そうなんですかね?》」


 興奮するギャーテーさんだが、自分はそこまで熱くなっていなかった。

 ダンジョン一回目でいきなり最高レア引きましたーとか言われても、うーん、という感想になってしまう。


「《・・・ちなみにどんなアイテムなんですか?》」

「《え、使って見せてもいい?》」

「《そこはコハマル君に使って貰うべきだろう》」


 ジャンクさんがそう言った。

 自分が貰った物だから貰った人が使うべきだと言う考えだろう。


「《くっ・・・・・・確かに》」


 悔しそうにそう言ってゼニキンさんが仮面を渡してくる。

 それと同時に首飾りを僕の首にかけられた。


「《あの・・・首飾りの効果とかは?》」

「《後で。とりあえず被ってみて》」


 後でか・・・・・・

 しかたなく、仮面を被ってみる。

 あ、何か顔に張り付いた。

 すると目の前に項目が浮かぶ。


 ボウ・ソウ・ロー・ロン・バク・ヒール。


 ・・・・・・僕が見たことがあるヤブカラ族の名前か。

 ローの文字に触れてみる。

 ・・・・・・特に何も変わらない様な。


「ヤブカラー!(被りましたけどって何言ってんの僕!)」


 仮面を被って喋ってみた所、僕の口からヤブカラ族の悲鳴が木霊した。

 ・・・・・・そういう仮面か。

 どうやら仮面を着けるとヤブカラ族になれるらしい。

 そして、一度取り外そうとして──


「ヤブカラー!(あれ、取れない?)」


 何故か引っ付いたまま仮面が取れない事に気づく。

 呪いのアイテムだったのかこれ?

 しかも周りのみんなの言葉もおかしい。


「〇〇×〇▽◇」

「×〇□▼○○」


 喋ってる言葉がわからなくなってしまっていた。

 どうするばいいのだろうか・・・・・・


「・・・・・・ヤブカラー!?」


 あ、そうか。

 一度、技を振ればいいとか?

 おもむろに、ゼニキンさんに向かって、


「ヤブカラ! ロー!」

「××▼!?」


 ローキックを放ってみた。

 さてどうなるかな・・・・・・


ここまでお読みいただき有り難う御座います。



ヤブカラ族の種類は、勢い任せに書いています。

また、出てくる機会があったら増えるかもですね。


誤字、脱字の報告ありがとうございます。

この作品が気に入って頂けましたら、評価もポチって頂けると有難いです。

よろしくお願いします。

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