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チュートリアル二日目

 学校から帰ってきて夕食を食べ、早めの風呂に浸かり、自分の部屋に戻ってきた。

 では再開しよう。


≪お帰りなさいませ、コハマル様≫

「ただいまです」


 チュートリアル空間に戻ってきた僕はガイドさんと挨拶を交わした。


≪チュートリアルを再開します。反復横跳びを行いますか?≫

「ああ、それですけどキャンセルでお願いします」


 いったいどの場所で六時間も時間を使ってしまったのか、昨日のログアウトのあの後で改めて考えてみた。

 反復横跳びが原因だと結論に至った。

 キャラクターを作ったり刀を振ったりしたけど、せいぜい一時間くらいの事だったと思う。ゴブリンと戦ったのも一回だけだし。

 その後でやった反復横跳びが思いの外面白かった。

 回数が分からなくなるくらいやってしまった。

 集中すると時間が早く過ぎるというやつだ。目標を決めてやると特にそう感じる。

 改めて反省する。

 僕はこのダイブゲームをチュートリアルで反復横跳びをする為にやってたわけじゃないんだし。


「早めにチュートリアルを終わらせてジダイに行ってみたいので」


 まあ今は暇だったからとーちゃんから借りてやり始めただけで、何かやりたい事があるって訳でもないのだけれど・・・


≪わかりました。次に戦闘のチュートリアルを始めます≫

「あれ、昨日やったやつですか?」


 ゴブリンと戦ったあれがチュートリアルだったのでは?


≪模擬戦以外にも戦闘のチュートリアルの項目があります≫

「なるほど、わかりました。よろしくお願いします」

≪戦闘でのダメージのチュートリアルを始めます≫


 目の前に半透明で少し青白い人型のマネキンのようなものが召喚された。


≪こちらの人形を使ってプレイヤーのダメージの説明をします。人形を攻撃してみて下さい≫

「はい」


 言われて刀を抜いて人形の肩の部分を上から斬った。

 刀身が数センチほど肩に入りこみ止まった。

 引き抜くようにして人形から刀を抜き取る。

 刀が当たった場所が黒い電気を帯びたように光っている。


≪この黒い光がダメージを与えたり、受けたりした時に出る『ダメージエフェクト』です。肩を斬られた事で手の動きが不自由になります。斬られた肩側の手を見てください≫

「・・・赤く光ってる?」

≪色によるダメージの度合いを表しています。青が軽傷、黄色が中傷、赤が重傷です。傷の大きさによってその部分が動かしにくくなります≫

「どのくらい動かしずらくなるんですか」

≪実際に経験してみましょう≫


 刀を持った右手が重くなる。

 見てみると腕全体が青く光っていた。


≪右腕を軽傷時の感覚に設定しました≫

「こんな感じですか」


 右腕を持ち上げて刀を振ってみる。

 重いというかだるい感じかな。

 右手だけ風邪をひいてしまったみたいだ。


≪続きまして中傷時の感覚です≫

「うっ」


 今度は黄色に光り始める。

 だるさが増し、それと同時に痺れが右腕全体を包んだ。

 痺れのせいで持っている刀を離しそうになったが、何とか握りなおして落とす事を免れる。


「これは厳しいですね。痺れがすごい」

≪続きまして重傷時の感覚ですが、よろしいですか≫

「あ、お願いします」


 言ってすぐに右腕の感覚がなくなった。

 刀が地面に落ちてカランカランと音が鳴る。


「あれ、動かない」

≪重症になった部位は動かせなくなります。頭部や心臓に重傷を負った場合は数秒で全身にダメージエフェクトが侵食し、死亡となり、リスポーンする事になります≫

「ダメージエフェクトの侵食?」

≪斬られた部分によっては頭部や心臓でなくても徐々にダメージエフェクトが体全体へと侵食します≫


 ふと肩を斬った人形を見ると黒い光が、右肩から右胸や首筋まで広がっていた。


≪ダメージエフェクトが出ている部位は中傷時と同様の痺れが走ります≫

「それは面倒くさそうですね」


 斬った部分が左肩だったら心臓までダメージエフェクトが侵食して、死亡判定が出ていたかもしれないな。

 モンスターと戦った時に重要になりそうな項目だな。覚えておこう。


HPヒットポイント制じゃないんですね」


 こういったゲームだとHP制が主流だと思う。

 HPがゼロになったら死亡する。良くあるやつだがこのゲームでは採用されていないようだ。

 RPGのキャラを操作するというより、現実の人間を基準にRPGをやってみたかったとか、そんな考えで作られたゲームなのかな。

 まあ、そんな考えは今はいい。聞きたいことがあるし。


「回復とかってどうすればいいんですか」

≪回復する場合は魔法やアイテムを使うか、プレイヤーポイントを使うことで傷を回復することが出来ます≫

「プレイヤーポイント?」


 またわからない単語が出てきた。


PPプレイヤーポイントは全てのプレイヤーが自分自身に対して使うことのできるポイントです。初めの内は最初から使える回復スキルのポイントと考えて頂いて構わないでしょう≫

「使い方はどうすれば」

≪回復と念じてみて下さい≫


 言われたとおりに回復と念じると、右腕の感覚が戻ってきた。


「おお、簡単ですね」


 赤い光がなくなり、正常な状態に戻ったようだ。

 落ちて転がった刀を拾って腰に戻す。


≪プライヤーはPPを十ポイント持っています。使ったポイントは十分で一ポイント溜まるようになっております≫

「ちなみに今の回復に使ったポイントは」

≪重傷の回復は五ポイントです≫


 うわ、結構使うな。


≪補足するとダメージエフェクト消去が一ポイント、軽傷が一ポイント、中傷が三ポイントとなっております≫

「で、重傷が五ポイントと」

≪そういうことです≫

「なるほど、わかりました」

≪ちなみに傷の回復は全身の回復なので、全身傷だらけでも五ポイントで回復できます。中傷以上負っていない場合は三ポイントです≫


 それはいいことを聞いた。

 けど、ちなみにで説明する内容ではない気がする。


≪ダメージに関するチュートリアルはここまでとなります。わからない事がありましたらシステムのヘルプから検索してみて下さい≫

「了解しました」

≪模擬戦のチュートリアルは行いますか≫


 ん、ああ、ゴブリンと戦うやつね。

 一回やっておいても良いけど今は先に行こう。

 また昨日みたいに時間が飛ぶかもしれないし。


「今日は止めておきます」

≪わかりました。模擬戦を行いたい時はリスポーン位置にある水晶に触れることでこの空間に戻ってくることが出来ます≫

「やりたくなったらまた来ます」

≪チュートリアルを終了します≫


 人形が消えて少し先の場所に大きな水晶が現れた。


≪水晶を触るとジダイの初期リスポーン位置へ飛ぶことが出来ます≫


 歩いて近づいて、僕は水晶に触れようとし、


「あっ」


 忘れていたある事を思い出した。

 

「あの、ゲームのプレイを配信する場合はどうすればいいですか」


 とーちゃんとの約束だ。

 配信するから貸してもらっている訳で、一応やっておかないといけない。


≪システムから配信をタッチしてみて下さい。事前にVRヘッドギアにサイトが登録されている場合そのサイトが開かれます≫

「あー・・・・・・開かれましたよ、とーちゃん」


 ほんと準備万端な状態でかーちゃんに怒られちゃったんだな。ちょっとかわいそうにも思う。


≪配信開始のボタンをタッチで始められます≫

「はいっと」


 ボタンを押して配信を開始する。

 忘れないうちに始めとけばいいよね。とーちゃんが見れたらいいだけだし、コメントの通知の設定も切っておこう。ゲームに集中したいし。


「じゃあ行きます。長々と有り難うございました」


 最後に音声のガイドさんに挨拶して水晶に触れた。


≪ベナミヤの世界をお楽しみください≫


 ガイドさんの声が聞こえたところで僕の体が水晶に吸い込まれ、ジダイの国へとワープした。



ここまでお読みいただき有り難う御座います。


ダメージ関連の所はあまり考えていなかったので、考えながら書いてます。

矛盾点が見つかって書き直すとかならない様に頑張ります。

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