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日曜日はというと・・・


 それから数日、同じような日々を過ごした。

 学校行って、帰ってきて、ログインして、鍛錬して、寝る。

 それの繰り返しだった。

 


「楽しんでいるか息子よ」


 そんな日が続けていたら、僕の部屋にやってきたとーちゃんに心配された。


「動画見てみたらここ数日、道場ってところで素振りして走ってるだけだが、どうだ?」

「どうだって・・・・・・楽しんでいるかって言われたらちょっとわからないけど。なんというか日課みたいになっちゃってるね」

「道場に通って見たかったとかか」

「リアルでの話? それはないかな」

「なんかやってみるか、現実で」

「うーん。今はいいや、しばらくはベナミヤで遊んでるよ」

「そうか。やりたい物があるんだったら言うんだぞ息子よ」


 息子よ、ねぇ・・・・・・


「前から思ってたけど「息子よ」って言うのはどうなのとーちゃん」

「なにが?」

「普通名前で呼ぶものでしょ。家族なんだから」


 そう言ったら渋い顔をされた。


「名前で呼んだら「名前で呼ばれるのヤダ」と昔言われたんだが覚えてないか」

「・・・・そうだっけ。全然記憶にない」

「とーちゃん当時ショックだった。だから息子よ、と呼ぶようにしているのだ」

「そうだったっけ・・・」

「これからは名前で呼ぶか、土壺どつぼよ」

「呼びたいように呼んでよ、とーちゃんなんだから」

「そうさせて貰うぞ、息子よ」


 何でそこで息子呼び・・・・・・


「そこは名前で呼ぶところでしょ、とーちゃん」

「ずっと「息子」と呼んでいたからな。口が息子と言ってしまうな。いやまいった」

「・・・・・・漫画とかだと「息子よ」とか呼ぶ父親とか居るけどさ。現実だとまず居ないって話だよ」

「ほう、唯一無二か。それはいいな」


 もういいよ。まったくもー。

 どんなことでもポジティブな方向に持っていけるのは長所だとは思うよとーちゃん・・・・・・


「ログインするから、そろそろ行ったら?」

「日曜の朝からゲームか」

「とーちゃんはかーちゃんとデートでしょ」

「そうだぞ。お前も来るか息子よ」

「デートの邪魔になるでしょそれは。ゲームやってるよ」

「気を使う必要はないぞ」

「使ってないから・・・ほら、呼んでるよ」


 玄関の方からかーちゃんの呼び声がする。


「待たせるのはダメじゃない?」

「そうだな。雷が落ちる前に行くとするか」


 とーちゃんが部屋から出ていく。

 何だかんだ仲が良い家庭だ。両親の二人はおしどり夫婦、と言ってもいいだろう

 完全にかーちゃんの尻に敷かれているがとーちゃんは楽しそうにしている。


「今日はなにするかな」


 と言っても普段通りの一日になる気がする。

 鍛錬して、十二時くらいに飯作るか買うかして食べて、鍛錬して寝る。

 それでいっか。

 道場に通うようになって思ったことは、ステータスが伸びるのが楽しいという事だ。

 テレビゲームのRPGのキャラが成長するよりも、かなり気持ちいい。

 ダイブ系のゲームのアルアルかもしれないけど、キャラクターを操作していると言っても、自分が強くなっていく感覚を味わえる。

 その錯覚を楽しめる。

 この部分がすごく魅力的な所だと思う。

 少しずつステータスの伸びが少なくなってきているけどね。


「さあ、鍛えるかー」


 ベナミヤにログインする。

 今のステータスはこんな感じ。



≪   ステータス   ≫

≪体   熟練度 92 ≫ 72+20

≪腕全体 熟練度 95 ≫ 75+20

≪足全体 熟練度 91 ≫ 81+10

≪刀気  熟練度 59 ≫ 59

 ↓

 ≪体   刀気度  20 ≫ 10→20

 ≪腕全体 刀気度  20 ≫ 10→20

 ≪足全体 刀気度  10 ≫ 10

 ≪ポイント      9 ≫


≪   心刀技     ≫

≪    なし     ≫


≪   心刀技術    ≫

≪スタミナ強化   20 ≫《  体  》 10→20

≪すり足      10 ≫《 足全体 》 10

≪上段の構え    20 ≫《体・腕全体》 10→20

≪跳躍       10 ≫《 足全体 》

≪柔軟       20 ≫《  体  》



 数日鍛えてこんな感じになった。

 体、腕、足、共に刀気度補正こみで90台に乗った。

 もうヤルゼさんのステータスに届いちゃったんだけど・・・ヤルゼさん、余り鍛錬とかしてなかったのかな。

 いろんな事やってる人みたいだったし、そんなもんかね。

 補正を抜きに考えるとステータスは60台くらいからなかなか伸びなくなった印象だ。

 伸びなくなってからも鍛錬を続けたら70台には行けた。

 やっぱり頑張った分、報われるってのは実にいいよね。

 腕のステータスは補正こみで足を追い抜いているし。

 補正こみで100にするのももう少しだ。

 余っているポイントがあるから振っちゃえばいいんだけど、後々で足に振らなくちゃいけない事とか出てくるかもなので、今はここで止めている。

 今日の目標は腕のステータスを100まで上げる事にしようかな。

 上がらなかったらまた明日頑張ればいいし、それで行くか。


「失礼しまーす」


 鍵の掛かっていない入口からお邪魔する。

 タカサ師範が僕が通っている間は、いつでも利用できるように鍵を閉めないでおく事にすると言っていた。

 不用心だからそこまでして貰わなくてもと断ったのだが、


「取られるものもないし平気だよ」


 との事なので、勝手に入って使わせてもらっている。

 まずは素振り・・・・・・の前に柔軟かな。

 心刀技術のスキルも2つほど増えた。

 一つは『柔軟』。

 体の柔らかさに補正がかかるスキル。今は20レベルまで来たので始めた時に比べればかなり柔らかくなった。

 ヨガのポーズも簡単にできる。頭の上に足をかけたりね。

 もう一つ増えたスキルは『跳躍』だ。

 タカサ師範がいる時に飛斬対策として、ジャンプして躱してみるのはどうだろうかと試していたら覚えていた。

 飛斬はタメが必要っぽいので躱して近づけば次弾を撃てないのではと思ったからだ。

 タカサ師範が言うにはタメのない飛斬もあるらしいが、プレイヤーは居合切りの飛斬を初めに覚えるから少しは対策になるはずとのことだ。

 ・・・そういえばタカサ師範は普通に飛斬を使えた。

 師範が言うには、心刀使いの基礎中の基礎の技だから、道場の師範なら飛斬や縮地は使えるらしい。

 僕はどっちとも覚えていないけど・・・・・・


「とりあえず、ここの技を覚えてから金策だなぁ」


 柔軟を終えて素振りを始める。

 ステータスが伸びたのと、スタミナ強化のお陰か、ずっと振っていても疲れなくなってきた。

 タカサ師範にそういうと「もっと速く振るようにすればいい」と言われたので、今は速さを意識して振っている。

 前に見せて貰ったタカサ師範の素振りの速さまであとちょっと、と言った所だ。

 速さを増した素振りだと流石にピリピリとスタミナ切れを起こす。

 今度は走り込みだ。


「あれ、コハマル君?」


 道場を往復しているとタカサ師範が入口から顔を出した。

 走るのをやめて立ち止まる。


「おはようございます」

「おはよう。今日いるのは珍しいね。二日に一回だと思ってたから」


 こっちの時間は一日十二時間だから、いつもは二日に一回来ている事になる。


「今日は休みの日だったんで」

「ふぅん、そうなのかい」

「お暇でしたら飛斬撃って貰えますか」

「躱す練習かい?」

「はい」

「これから仕事なのよコハマル君」


 いつも通りのタカサ師範だな。これも仕事でしょうに・・・


「お疲れ様です」

「ん、では行ってまいります・・・あ、そうだ」

「なにか?」

「コハマル君は明日どうするの」

「明日・・・ですか?」

「あ、違うか。プレイヤーの人は今日になるのか」


 今日・・・・・・? 今日の午後の事を言っているのかな。


「なにかありましたっけ」

「私にとっては趣味になるんだけどプレイヤーのコハマル君はどうするのかなと思ってね」

「どうすると言いますと」

「あれ知らないかな。プレイヤー同士の戦いの大会・・・なんて言ったっけか」


 うーんと唸ってから、ぽんと手を叩いた。


「思い出した。PVP大会だよコハマル君。君はどうするの?」

「PVP大会ですか・・・」


 そういえばそんなのがあるとかヤルゼさんが言ってたっけ。


「出場するのかなと思ってね」

「いや流石に技一つも覚えていないのに出るのはどうかと思いますが」

「んじゃ一緒に見学に行くかい」

「見学ですか」

「うん。他の人の戦い方とか見れるのは勉強になると思うしね」

「なるほど・・・」


 確かに、それはありだな。

 けどヤルゼさんは参加した方が勉強になるとか言ってた気がするけど、どうしようか・・・


「とりあえず行きます」

「とりあえず?」

「参加するかもという意味です」

「ほう、やる気あるねぇ」


 にやりと笑う師範。

 というか、師範にはプレイヤーの戦い方とか見て、参考になったりするのだろうか。


「タカサ師範はなぜ見学に行くんですか。趣味とか言ってましたが・・・」

「ん? そりゃあだって──」


 タカサ師範のニヤつきが増した。


「自分より弱い人を見てると「まだまだだなぁ」とか思えて、ほら、あれでしょ・・・面白いもの、ねえ?」

「そうですか・・・・・・」


 ほんとこの人はあれだな・・・・・・何とも言い難い人だ。


「じゃあ明日の朝、道場で待ち合わせという事で」

「クリスタル前とかでもいいのでは」

「寝坊するかもだから、起こしに来てくれるとありがたい」


 お子様か。そして僕は母親か何かか?


「なるほど、わかりました・・・・・・今日からずっと鍛錬しててもいいですかね。そうすれば朝起こしますけど」

「ここで寝泊まりしてるから、夜中うるさいのはちょっとねぇ」

「わかりましたよもぉー」


 夜中の鍛錬だけは許してくれないんだよなぁ。

 仕方なく、タカサ師範が出て行ってから鍛錬を続け、リアルの時間で正午になったのでログアウトして、飯を食べ、昼寝して午後六時にログインすることにした。



ここまでお読みいただき有り難う御座います。



小説と全く関係ない話


最近、ウマ娘のアプリをやり始めたんですが、かなり面白いです。

ゲーム的にはパワプロのサクセスモードで、育てるのが女の子オンリーと言った感じのゲームです。

リアルの競馬で賭けたりしている訳ではないですが、実況が好きで、よく見ていました。

ブロードアピールとかサニーブライアンとか好きです・・・モロにわかですが。

サニーブライアンが実装されたら(ウマ娘化もされてないけど)天井まで課金するのも・・・・・・やぶさかではない、ですね。


あと、その影響か、最近になって『たいようのマキバオーW』を全巻揃えました。

『みどりの』だとベアナックル、『たいようの』だとトータルケイオス、『たいようのW』ならグランドコブラが好きです。


以上関係ない話でした・・・

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