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PVPの説明とか


≪三・・二・・一・・PVPを開始します≫


 PVPのフィールドに来た。

 場所は先ほどのPVP広場と同じ場所の様だが、夜ではなくなっていた。


「明るい」

「PVP空間は日中も選択できるからな」


 小走りでこちらに近づいてきたヤルゼさんがそう言った。

 さっきのカウントダウン・・・これってもう・・・


「もう始まってるんですかこれ」

「そうだぞ。PVP中だ」

「なるほど」


 言いながら刀を抜こうとするとヤルゼさんが飛びのいた。


「ちょいちょいちょい待て。ここの説明があるだろ」

「なんかいきなり斬りかかってくるかもと思ったので」

「そんな事はしない。ちゃんと説明するから」

「わかりました」


 刀を鞘に戻す。

 それを見て、ため息を吐いてヤルゼさんが説明を始める。


「まずはPVPのルールからだな。相手を倒せば勝利。やられたら敗北だ」

「普通の対戦ゲームですね」

「そうだな」

「日中も選択できるっていうのはどういうことです?」

「対戦を申し込む側が設定できる。時間帯、場所、対戦の制限時間、PPプレイヤーポイントの使用の有無、とかだな」

「対戦を受ける側はその設定見れないんですか」

「いや見れるぞ。受ける時のウインドウに『対戦設定』って項目が端っこにあったはずだ」

「そうなんですか」


 それは気づかなかった。次は確認してみよう。


「フリーマッチングの場合は指定の設定になる。時間帯は日中、場所はPVP用の闘技場、制限時間は3分、PPの使用は無しだな」

「・・・それだと月呼びの人には不利な設定じゃないですかね」

「月呼びがPVPやる場合は、日中でも夜中の時と同様の力を出せるようになっているらしいぞ」

「なるほど。納得しました」


 それなら月呼びでもPVP楽しめるだろうな。


「あとPP使用無しなんですね」

「回転率上げる為じゃねえかな。回復手段ない方が早く終わるし、色々な人と対戦できるようにっていう配慮だろう」

「ですかね」

「ちなみにフリーマッチングはレート制が採用されている」

「レート制?」

「勝ち負けで変動するPVP専用のポイントだな。そのポイントが多いほどPVPで強い人って話だ。対戦中に名前を見ようとすれば見れるぞ」


 言われてヤルゼさんの名前を見ると、『R一八一七』と書いてあった。


「『R一八一七』って見えますけどヤルゼさんは強いんですか」

「いや・・・・・・・・・そこそこだぞ」


 結構間があった、から強いとも弱いとも言えない感じかな。


「まあ中級者って感じじゃないかな。高い人はレート二〇〇〇より上だしな」

「そうなんですか」

「レートは『R一五〇〇』から始まる。一六〇〇くらいが初級者、一八〇〇くらいが中級者。二〇〇〇以上が上級者って感じだな。レートに差がある対戦の場合、高い人が勝っても一ポイントしか上がらなかったりする。高い人が負けるとポイントがどっと減る。二〇〇〇以上をキープしている人は本当に負けない強い人達だと覚えておけばいい」


 回復手段がなくて、このゲームのシステムだと、少しの傷が命取りになりかねない。

 そんなシステムのゲームで負けないでレート維持してるのなら確かに強いのだろう。


「わかりました」

「後はそうだなぁ・・・PVPの大会なんかもあるな」

「大会ですか」

「毎週日曜日に開かれる公式の大会だな。最初はプレイヤーが勝手に大会開いてたんだが、運営に要望送ったら通ったらしい。大会は午後八時から、参加費は千Cで、こっちの時間で大会の日の午前零時からクリスタルで大会を開く闘技場にワープできる。闘技場の外に出るから受付で参加か見学かを決めて闘技場内に入る。順番が来たら闘技場の中心にワープして試合開始だ。大会は初級、中級、上級の三つある。初級でも一回勝てば千C貰える仕様だから、敷居も低いと思うぞ」

「優勝するとなにかあるんですか」

「優勝賞金と記念トロフィーだな」

「なるほど、見学も出来るんですね」

「出来るぞ。大会じゃなくても他の人の対戦を見る事も出来る。まあ普通に対戦してた方がいいがな」


 そういえばそこら辺の理由とか聞いてなかったな。


「PVPを薦める理由って何なんです?」

「ああ、そうだったな。簡単に言うと心刀使いはPVPでも強くなれるんだ」

「他の種族はそうでないと?」

「経験値が入らないからレベルが上がらん」

「心刀使いはレベル上がるんですか」

「レベルというか心刀使いは体を鍛えて強くなる種族だからな。体動かした分だけ強くなる。レベル制じゃないしな。チュートリアルでの説明で書いてあったはずだぞ」


 確かにそんなこと書いてあったっけかな。


「訓練制でしたっけ」

「そうだ。そのおかげで外に出なくてもPVPや道場なんかで鍛えることが出来るわけだ」

「なんか特殊な種族なんですね」

「だな。PVPやソロプレイでお勧めの種族ってのはその当たりのせいだな。技覚えたりするのは道場行かなきゃだし、強くなるための方法が他と違いすぎるから固定パーティで冒険する場合は心刀使いで固まって、野良の他種族を誘ったりっていうのが定番だ。半固定って感じだ」

「へぇー」

「・・・・・・こんなもんかな」


 ヤルゼさんが僕から距離を離すように歩き出す。

 ついて行こうとして、立ち止まる。

 距離を離すということは、そういう事なのだろう。

 ヤルゼさんが十分に距離を離してから振り返った。


「戦闘開始ですか」


 僕が尋ねるとヤルゼさんは肯いた。


「まあそういう事だ」


 ヤルゼさんがおもむろに刀を抜いた。

 ならうように僕も抜き取って上段に構えた。


「かかってきんしゃい!」

「よろしくお願いします」


 両手を広げて構えるヤルゼさんに向かって、僕はドタドタと走り始めた。



ここまでお読みいただき有り難う御座います。


今回は短めです。

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