エバン壊滅
「はぁ…まだかな~」(ヤマーダ)
ため息をつきながら、愚痴っている。
そんなヤマーダがソファーでダラダラしていると、
『イズリから、ダルタニア伯爵がエバンから逃亡した、って連絡が来たっす!』
肩のイッズームから報告が入る。
「よしっ、やっとか! 皆を仮移民村に集めてくれ」
ヤマーダは仲間達を仮移民村へ集合させる。
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3591年11月7日
《空間魔法》仮移民村〈中央広場〉
ヤマーダ、ルル、マサオ、ターニャ(人化)、
ミシェル(人化)、イッズーム、アルベルト、
ヤバル
ポーラ、イズムネ
チン、イズスケ
「エバン復興作戦は第2段階が終了しました」
淡々とポーラ会長が説明する。
「また、第2段階の過程で一時的な混乱が発生。住民350名、治安部隊150名が死亡しました」(ポーラ)
「では、犠牲者は500名ですか…」
ヤバルが心痛な面持ちで言葉を吐き出す。
確かに一時的な混乱は、ヤマーダ達も予想していたことだ。
復興作戦は進行する度に、住民が移住していき、町の治安が急速に悪化していく。
だが、そこでの混乱は移住を迅速に行うことで完全に予防できると、ヤマーダ達は思っていたのだ。
1,000人までの移住は、予定通りだった。
蓄財を失った領主ダルタニア伯爵が町民を積極的に奴隷として販売し始める。
そんな伯爵の思惑を利用し、ヤマーダ達は伯爵が散財した金を使って奴隷を積極的に購入していく。
当初は思いの外、計画通りに事態は進み、然して苦労することはなかった。
しかし、移民が1,000人を超えた辺りから計画に歪みが発生し始める。
ある程度、蓄財したダルタニア伯爵が奴隷販売を急遽打ち切ったのだ。
残った数は2,000人、人口の3分の2にも相当する。
更に厄介だったのは、残った町民が移住に懐疑的だった事だ。
残った2,000人の内訳
①頑固で閉鎖的な思考を持った者 50%
②ヤマーダ達を信じられない者 05%
③領主側の者 20%
④犯罪者 05%
⑤老人 39%
⑥その他 01%
元を正せば、
そもそもエバンは、人口1万人の大規模な町だった。
主要な航路が廃れ、町の産業が弱体化。
それに伴い、活気がなくなってきた時点でまともな神経を持った一般住民は、さっさと隣町カランへ移住してしまった。
その数、7,000人。
つまり、エバンに残っていた3,000人と言っても、基本、行動力のない居残り組なのだ。
そして、
人口2,000人に激減した港町は、貧富の差を急激に拡大させていく。
最大の理由は、領主が金を貢いでくれる者に対して優遇措置を行ったから。
結果、町を二分するほどの想定外の大規模な暴動へと発展していく。
暴動はなんとか鎮圧された。
結果
500人が死亡
500人が仮移民村へ合流
500人が難民として隣町カラムに逃亡
唯一の救いは、
・若者や子供達は既に仮移民村に移住していたこと。
・仮移民村へ移住した500人は閉鎖的な思考を持っているが、ヤマザル村には否定的でないこと。
この時点で町の人口は残り500人。
そんな報告を聞いて、
「はぁぁ…犠牲者の500人は、俺達が殺したも同然だよ」
ヤマーダは意気消沈している。
町の人々が安心して生活できる空間を整備していたヤマーダ。
こんなに犠牲者が出るとはこれっぽっちも思っていなかったのだ。
そして、町に残された500人。
領主とその兵士、犯罪者、老人のみしかいない。
正に生き地獄のような、滅び行く無法地帯と化してしまう。
「ヤマザル様、これは仕方のないことです。彼らの命まで責任を感じる必要はありませんよ」(アルベルト)
「そうですよ。彼らは自分で選択したんです。その結果、亡くなったとしても自業自得の話です」(ポーラ)
「ヤマザル様は十分に手を尽くしました」(アルベルト)
「でも…500人も死んじゃったし…」(ヤマーダ)
「主、そう思い詰めるな。例えば、気軽に入れるほど水深の浅い小川がある。普通は事故など起こるはずもない。じゃがのぅ、運悪く躓いて、そんな浅い水深でも溺れて死ぬ奴がいたりする」(ターニャ)
「…まぁ…あるかもしれないな」(ヤマーダ)
「主の言い分だと、死んだ者には一切過失がなく、小川に入らないように注意しなかった周囲の者達が全て悪いと、責任を転嫁するようなものだ」
「…」
「つまりのぅ、それほど死とは身近に起こるものなんじゃ」
「…うん」
「なら、身近に起こる出来事に、主は何ができる?」
「…」
ターニャの理屈はヤマーダにも理解できた。
「主の移住計画を受け入れるのも、拒否するのも其奴の自由なんじゃ」
「…そりゃ、分かるよ」
「エバンの住民に選択肢を与えた時点で、主の責任は完了しておる」
「…うん」
そう言われても、ヤマーダ自身はなかなか割り切れない。
そこへ、
「だったら、死んだ500人が羨んで化けて出るような素晴らしい町を作りましょうよ!」(ヤバル)
「それが死んでいった者への手向けになりますから」(ポーラ)
「…元住民のキミらがそう言うなら、俺も納得することにするよ」(ヤマーダ)
そして、
そんな絶望的な状況の港町を見捨て、領主ダルタニア伯爵は職務放棄して逃亡したのだった。
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伯爵はお供250人を連れて隣町カランへ逃亡した。
よって、エバンに残った250人の住民は、犯罪者と年寄りしか居ない。
「なぁ、残った住民を助けられるかなぁ?」(ヤマーダ)
人道的見地からそれっぽい発言するが、本心では、
ならず者の犯罪者と自分勝手なお年寄り…
もし、助けるにしても、
ヤマザル村には絶対入れたくないな
「正直、仮移民村に彼らを住まわすのは反対ですね」(アルベルト)
「私もです」(ヤバル)
犯罪者と老人を受け入れても、仮移民村にとっては〈百害あって一利なし〉だ。
かといって、
見捨てる訳にもいかないだろ?
「まず、ワシらに協力する意思がないなら、それこそ自己責任じゃろう。何でもかんでも支援する必要なんてないんじゃ。構い過ぎても、住民が自律できんようになってしまうしのぅ」(ターニャ)
「ターニャさんの意見に賛成です」(ポーラ)
「そうですなぁ」(チン)
『じゃあ、新しい《異空間》を用意して隔離すれば? 昔、魔族に《隷従》させられてた魔物達って、そうしてなかったっけ?』(マサオ)
マサオの話は、ノーラ達が管理している《刑務所》の事を言っていた。
「あぁ、あれかぁ…」(ヤマーダ)
だが、ヤマーダは乗り気じゃない。
それは、犯罪者や老人を管理しなければならなくなる。
当然、ヤマザル住民の誰か、特に《能力共有》40名の内の誰かが、管理者として犠牲になる必要があるからだ。
「いっそ、放っとくか…」(ヤマーダ)
だったら、ターニャの言う自己責任でも良いように思えてくる。
「とは言え、主。町に残っている者はどのみち全滅することになるぞ」(ターニャ)
「えっ!?」
「それはそうでしょうね。犯罪者と老人だけでは、食べ物すら確保出来ないでしょうから」(チン)
「犯罪者は海賊か盗賊になり、老人は全員殺されてしまうんでしょうね」(ポーラ)
そうかぁ…
犯罪者を野に放つってのもなぁ
海賊や盗賊が増えるのは、論外な話だし
「やっぱり、マサオの案にしよう」(ヤマーダ)
「では、誰かの《異空間》を新しくしますか?」(アルベルト)
「いや、今回は元々ある《弱肉強食の世紀末》と《仮移民村》の外れにしようと思う。と言っても保護を求めてきた者のみで構わないけど」(ヤマーダ)
「ほぅ」(ターニャ)
「確かにターニャの言う通りだよ。俺達はエバンの住民から頼まれたって訳でもないし、こっちから助けてやる義理はないね」
「残念ですが、そうですね」(アルベルト)
「かと言って、色々と間違った選択をしちゃうのも人間だろ」
「えぇ、そうです」
確かに、人間は選択を間違いやすい。
「だから今回は、俺達に助けを求めてきた者にのみ、手を貸すことにする。だけど、犯罪者に対しては別に扱う」
「なるほど」
「そもそも、犯罪者って、集団のルールを守りたくないって連中だよな? だったら、ルールの全くない《弱肉強食の世紀末》って、それこそ生きるも死ぬも自己責任ってゾーン。彼らの生き様みたいなもんじゃん」
「まぁ、そうですねぇ」
ヤマーダの顔つきが少し代わる。
「自己責任も負わず、ルールも自分勝手に破るって、そんなクソみたいなゾーン、俺は作りたくない! だから、犯罪者どもには、勝手に生きて勝手に死ねって感じの対応をしたい」(ヤマーダ)
「ある意味、正解かもしれませんね。要するに、自然に判断を委ねるってことですよね」(アルベルト)
「そういうこと」(ヤマーダ)
これはアフリカの部族でも実際に行われていた行為だ。
人間は基本、群れなければ生きられない。
故に、
群れの中で罪を犯した者を、群れから追放することで、自然界が有罪か無罪かを判断する。
自然界が有罪と判断すれば、猛獣に殺されたり餓死したりする。
無罪と判断すれば、生き残れる。
実はこの行為、非常に残酷だ。
何故なら、結果は生死の二択しか存在しない。
罰金や禁固などの別の方法が一切ないからだ。
「では、《仮移民村》の外れに老人を住まわせるってことですか?」(チン)
「そう!」(ヤマーダ)
「理由を伺っても?」
「まずさぁ、老人だから助けるってんじゃなくて、老人は多く人生経験って知識を持ってるから助けるべきなんだよ」
「なるほど」
「でも、そういった賢人ってさぁ、最初に移住した7,000人の中にほとんど居ると思うんだよ」
『確かにそうっすね。今、残ってる連中の知識なんぞは、クソの役にも立ちそうにないっすからねぇ』(イッズーム)
「なら、助ける意味合いは低いですね」(アルベルト)
「まぁ、意味合いが低い、とまでは言わないけどさぁ。腐った町に執着する人生経験って、多分、これからの新たな生活にはさぁ、イッズームの言う通り、全く役に立たないと思うよ」
「確かに、言えておるのぅ」(ターニャ)
「賢人なら迎え入れるけど、愚人なら来て欲しくないでしょ? 特に老人って良い方向に変わる見込みも少ないしさ」
「労力の無駄」(ルル)
「そうそう、そんな愚かな奴らのために新しくゾーンを作るのもアホらしいし」
「ふむ」(ターニャ)
「でも、見捨てるっていうのも違うと思うから、とりあえず《仮移民村》から隔絶した場所を住んでもらうつもり」
「それなら、問題ありませんね」(ヤバル)
「で、移住を希望するお年寄りについては、相談させて欲しいんだ」(ヤマーダ)
「了解しました」(ヤバル)
何となく纏まりかけた中、
「でも、お年寄りの皆さんの食事はどうされるんですか?」(チン)
「簡単な耕作地と果樹園、漁場を作ってやるつもり。残っているお年寄りって150人くらいだから、ソンチョウ達に応援してもらえば1~2日程度でなんとかなると思うよ。でも実際は、150人の内、何人移住するのかは分かんないけどね」
「未だ、あの悲惨な町に残っているところを見ると、希望者は0かもしれませんね」(ポーラ)
「そりゃ、そうかもな」
思い付いたように、
「ちょっと町に行って、様子でも見てくるかな」(ヤマーダ)
こうして、
エバンの惨状を見学することになる。
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中央国エスタニア港町エバン〈旧中央通り〉
ヤマーダ、ネーコ、マサオ、ミシェル(人化)、
イッズーム
第3段階をどうするのか迷ったヤマーダは現地を視察することにした。
エバンに着くなり、
『何これ!? 凄い臭ーい!』(ネーコ)
《西の里》の午前の修行を終え、ヤマーダ達と合流したネーコ。
町の余りの臭さに耐えきれない。
ヤマーダは、咄嗟に《神気》で周囲を満たす。
『ふぅっ、やっと息が吸えるわ』
ネーコはヤマーダの首もとで息を止めていたようだ。
第一印象は、
「もう、なんか酷えな」(ヤマーダ)
これだった。
ここは本当にエバンは港町なんだろうか?
ヤマーダにしてやられてから、造船していないのだろう、桟橋には船が1隻もない。
道に人影はなく、ゴミが其処らじゅうに散乱している。
「なんだ、この汚さ!」(ヤマーダ)
『もう、町じゃないっすよ』(イッズーム)
とりあえず、ゴミロードには人が通れるほどの幅がなんとかありそうな感じだった。
「ちょっと、覗いてみるか…」(ヤマーダ)
『えーっ! ゴミになんて、近づきたくもないんだけど』(ネーコ)
「まぁ、そう言うなって」(ヤマーダ)
通り沿いの建物へ近づくと、中をチラッと覗く。
「誰か居ますか~」(ヤマーダ)
と声をかけるも、なんの返答もない。
ほとんどの建物は玄関や窓が壊され、屋根は抜け落ち、内部は物でグッチャグチャ。
とても、人が住める空間ではない。
いつの間にか、肩から居なくなっていたマサオが、
『中には、誰も居ないよ~』
探索結果を報告してきた。
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5分、町中を散策
今のところ、エバンの住民とは会っていない、ただの一人も。
出会ったのは、人の姿をした死体のみ。
『なんか、死体が多いわね』(ネーコ)
「500人の犠牲者の一人なんじゃないか?」(ヤマーダ)
『多分、そうでしょうね』(ミシェル)
ヤマーダは段々とやるせなくなってきた。
「はぁ…領主の館にでも、行ってみるか」
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中央国エスタニア港町エバン〈領主屋敷付近〉
領主の館に近づくにつれ、周辺から人の気配が感じられるようになった。
しかし、実際の人影は見つからない。
「おっかしいなぁ、気配はするんだけど」(ヤマーダ)
「隠れていますね」(ミシェル)
『あの建物の裏と、あそこの建物の中。あの建物の屋根にも居るわね』
勘の鈍いヤマーダに、ネーコが教えてくれる。
「隠れ方も下手くそですし、盗賊の斥候程度の雑魚かと」(ミシェル)
「へぇ~、そうなんだ」(ヤマーダ)
全然、分からないけど
ヤマーダが気づけない程度には隠れられている…
ここの建物群も玄関や扉、窓は全て壊れ、若しくは壊されている。
そして、兎に角、ゴミが凄い。
領主屋敷への道も両側からゴミが押し寄せて来ていて、人一人がやっと通れる程度しか地面が現れていない。
『ねぇ、ヤマーダ。隠れてる連中なんてどうにでもなるし、サッサと先へ行きましょう』(ネーコ)
『そうそう』(マサオ)
ヤマーダの首と肩にはネーコ、マサオ、イッズームと3人のアドバイザーが居座っており、ヤマーダの意思とは関係なく喋りかけてくる。
「はぁ…分かったよ」(ヤマーダ)
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中央国エスタニア港町エバン
領主屋敷〈エントランス〉
ヤマーダ達が壊れた門を潜り、屋敷のエントランスに入ると、
ダダダダダダッ!
一斉に盗賊らしい者達がヤマーダ達を取り囲んだ。
はぁ~
バカな連中だな~
目の前には、
結構、獰猛な上位の魔物が居るけど
なんで見えないの?
「おいっ、キサマら! 俺達の領地に無断で侵入してくるとはいい度胸だな?」
リーダーっぽい男性がヤマーダを睨み付ける。
「え~と、ここって、キミ達の領地なの?」(ヤマーダ)
「当ったり前だろうが、テメエ! 透かしてんじゃねぇぞ、コラッ!」(リーダー?)
「え~と、ここって領主の屋敷じゃなかったっけ?」(ヤマーダ)
「ここはマイクの旦那が手に入れた領地だ。アーッ、コラーッ!」(下っ端A)
下っ端に紹介されたリーダーぽい男性マイクが、
「あれっ! テメエ、どっかで会ったことねぇか?」
「いや? お前のような汚いオヤジは知らんぞ?」(ヤマーダ)
実は初対面ではないのだが…
「テメエ、舐めてんだろ? シバクぞ、コラーッ!」(マイク)
「だから、お前なんて舐めるかよ。汚え」
「あ~、間違いなく舐めてんな! おい、お前ら! 殺っちまえっ!」
「「「了解っ! 殺っちまえっ!」」」
ヤマーダを取り囲んでいる50人の盗賊が一斉に返事をして、飛びかかってきた。
とりあえず、
“鑑定”
名前・マイク
種族・人間
年齢・39歳男
職業・戦士(Lv3)
ギルドP・D(160p)
レベル・6
体力・11(+06)
魔力・09
攻撃・12(+26)
防御・12(+35)
知識・08
敏捷・10(+10)
運 ・10
装備・鋼の剣(攻撃+20)
旅人のフク上(防御+20)
旅人のフク下(防御+15)
皮のクツ(敏捷+10)
魔法・なし
スキル・宿泊回復(Lv-)、時間回復(Lv-)
スキル補正(Lv-)、突き(Lv3)
旋回切り(Lv2)、身代わり(Lv2)
………
マジでクソ雑魚じゃん!
コイツ、装備がなかったら
ウチのゴブちびにも負けんじゃねえ
《ゴブちび》とは村外村で最近、生まれたゴブリンの子供達だ。
《ゴブちび》は攻撃 3 防御 0 敏捷 0 。
マイクの方が圧倒的に強い。
少なくとも、オーガと戦えるほど、装備は揃っていた。
こっちの下っ端は、
“鑑定”
名前・バッツ
種族・人間
年齢・28歳男
職業・無職(Lv-)
レベル・2
体力・8
魔力・6
攻撃・8(+5)
防御・7(+1)
知識・5
敏捷・7(+1)
運 ・7
装備・鉄の剣(攻撃+5)
布のフク(防御+1)
粗末なクツ(敏捷+1)
魔法・なし
スキル・宿泊回復(Lv-)、時間回復(Lv-)
スキル補正(Lv-)
………
間違いなく雑魚中のザコ
といっても、ゴブリンなら一対一で負けることはない程度には強い。
つまり、
人族とゴブリンを比べると人族の方が圧倒的なのだ。
だからこそ、ほとんどのゴブリン達は5体以上で行動している…
じゃ、始めるか
ブフォーーーーッ!
ヤマーダを中心に、外へ向かって猛烈な突風が吹き出した。
突風は竜巻のように周囲の雑魚キャラどもに襲いかかる。
ブフォーーーーッ!
「うぉーーーっ!」(雑魚A)
ブフォーーーーッ!
「だめだーーっ、飛ーーばーーさーーれーーるーーっ!」(雑魚B)
ブフォーーーーッ!
「おかぁちゃん! 助けてーーっ!」(雑魚C)
ヤマーダの周囲で身構えていた雑魚ども50人は片っ端から彼方へとぶっ飛んでいく。
ブフォーーーーッ!
「クソがーーっ!」
マイクは木にしがみついて、なんとか堪えていた。
ブフォーーーーッ!
ブフーーッ!
フーッ!
…
ヤマーダの手加減《風魔法》は、やっと台風一過の状態になった。
すると、
「フ…フフッ、ファーハッハッハッ!」
マイクは高笑いを始めた。
「アーッハッハッ、どうだっ! お前の最大魔法程度では俺を飛ばすことなどできんのだ! アーッハッハッ」(マイク)
何、言ってんの、コイツ!?
マジ手加減の最弱魔法なんですけど
なんかコイツの顔見てたら
ムシャクシャしてきた!
「ハッハッハッ、今度はこっちの番だーーっ!」(マイク)
ヤマーダに向かって突進してくる。
「貰ったーーっ!」
ブンッ
マイクの《鋼の剣》の刃が風切り音を上げて、ヤマーダの首筋へと襲いかかる。
「面倒だなぁ」
ヤマーダは右手で《鉄の剣》+10を軽く真上から振り込む。
ガキーーン!
《鋼の剣》と《鉄の剣》が高速で交差し、衝撃音が響く。
バキッ!
《鋼の剣》が衝撃に耐えかね、横一線にヒビが入った。
「う、嘘だろ…」
ビビの入った《鋼の剣》を見て、マイクは呆然としている。
「な、なんで俺の《鋼の剣》が《鉄の剣》なんてナマクラに負けんだよーっ!」(マイク)
ヤマーダは《短距離転位》でマイクの横へ飛ぶと、
「き、消えた」
マイクはヤマーダを完全に見失う。
そんなマイクの真横から、
「バーカ、こっちだよ」
バキッ!
ヤマーダの手加減キックでマイクの腹を蹴り上げる。
「うぐぉっ!」
マイクは奇声を発すると、悶絶して転げ回った。
そんな、ヤマーダにとってはどうでも良いような戦いの中、
あ、あれはっ!
屋敷の中に居る存在に気づいた。
このクズッ!!
ヤマーダの中で、何かが弾けた。
更に《短距離転位》でマイクが転げ回る先に飛んで、
バキッ! ボキッ!
「うぎゃーっ!」
ヤマーダのキックがマイクの左肘にヒットし、腕があらぬ方向に曲がってしまった。
「あれは、折れましたね」(ミシェル)
『そうね。間違いなく、折れたわ』(ネーコ)
「うぎゅーっ!」
マイクは頭と足でブリッジしながら、左腕を押さえて、のたうち回っている。
「ほら! もういっちょ!」
更に更に《短距離転位》でブリッジしている右側付近に飛ぶと、
バキッ! ボキッ!
今度はキックが右膝に当たり、あらぬ方向へ。
「ギギャーーーッ!」
マイクの絶叫。
そして直ぐ様、
「許して(じで)、許してくださ(じでぐだざ)いーー!」
マイクの詫びが入る。
「調子に乗ってしまいました(でじまいまじだ)。すみませんでした(ずみばぜんでじだ)」
しかしヤマーダは《短距離転位》を続ける。
「うっ! また(だ)っ!」(マイク)
バキッ! ボキッ!
「うぎぎぁーーっ!」
右腕と、
バキッ! ボキッ!
「うぐぅ!」
左足も容赦なく折っていく。
「もう、許してくださ(じでぐだざ)い。お願いします」
最後の方は痛覚が麻痺したのか、普通に喋れるようになっていた。
ただ、ヤマーダの表情は怒気で満ち満ちている。
「うっうっ、もうっ、許してくれませんか」
完全に泣き落とし状態に入っていた。
「何でもっ、何でもしますからっ、助けてくださいっ、ううっ」(マイク)
踞りながらも、涙声でヤマーダにすり寄ろうとしている。
しかし、ヤマーダの表情は一向に変わらない。
ヤマーダがここまで本気になった理由。
それは屋敷の中に、ボロ布を着た獣人少女達が傷だらけの放心状態で居たからだった。
「彼処に居る、少女達は何なんだ?」(ヤマーダ)
「ううっ、身寄りのない、ううっ、少女達、ううっ、です…」(マイク)
《真贋の目》に明らかな反応がある。
ヤマーダはマイクの左手の小指にソッと触れる。
そして、
ボキッ!
躊躇なく、小指を折った。
「うぎぎぁーーっ!」
マイクの絶叫が響く。
「俺、《真贋の目》ってスキルを持ってんだけど」(ヤマーダ)
マイクの顔色が変わる。
両手両足を折られ、芋虫状態になったマイクが必死に俯せとなって、
「うっ、すみません、ううっ、でした、ううっ、もう嘘は、うっ、つきません…」
また、《真贋の目》に反応があった。
嘘をつかないって嘘かよ!
コイツ、筋金入りの詐欺師だな
ボキッ!
今度は、薬指。
「うぎぎぁーーっ!」(マイク)
「俺、《真贋の目》を持ってるって言ったよなぁ? 口からでまかせを言って、通じるとでも思ってんのか?」(ヤマーダ)
コイツ、マジでダメだ
ボキッ!
「うぐっ!」
ボキッ!
「ううっ」
ボキッ!
「くぅ」
左手の指が次々と折れていく。
次第にマイクも痛みに慣れてきた。
そして、マイクが
「どの娘か差し上げましょうか?」
少し余裕を見せた。
そんな、舐めきった態度にヤマーダがキレる。
「いい加減、お前の言葉にも聞き飽きてきた。最後にもう一度だけ聞くよ。次に嘘をついたら、お前の首の骨を折るから、よーく、考えて答えてくれ」(ヤマーダ)
ゴクリッ
唾を飲み込むマイク。
ヤマーダの今迄の冷酷な態度から本気度が伝わっている。
『…ヤマーダ』(ネーコ)
『…ヤマーダ様』(ミシェル)
二人は悲しそうにヤマーダを見つめていた。
「うっ、ううっ、はい…」
マイクは痛みで気が変になりそうな気持ちをグッと堪える。
「彼処の少女は何なんだ?」(ヤマーダ)
「奴隷商人から買った奴隷です、ううっ…」
マイクは気を振り絞って答える。
《真贋の目》に反応がない。
「へぇ、よくそんな大金を持っていたな」(ヤマーダ)
ヤマーダが指摘するように、この世界の奴隷は決して安くない商品だ。
真実を話すべきが一瞬迷ったが、
「一年以上前に、うっ、新米冒険者を、うっ、騙して奪った、うっ、金で買いました」(マイク)
「なるほどねぇ」
ヤマーダは大して驚かない。
この世界に慣れてきたヤマーダにとって、魔物と動物と人種の質の違いを理解しつつあった。
人種という存在は、自分が生きるためなら同族すらも平気で騙し、殺す。
そのことをヤマーダは身をもって経験してきた。
だからこそ、騙す側だけでなく、騙される側にも非があると認めているのだ。
しかし、
「で、奴隷の扱いには明確なルールがあった筈だけど?」(ヤマーダ)
「うっ、すみません、ううっ、俺にはルールなんて、うっ、関係ないんです、ううっ」(マイク)
「じゃあ、お前のそのルールに従って、俺はお前を殺す。だって、お前のルールには、人殺しなんてどってことないもんなぁ」(ヤマーダ)
「ううっ、助けてください!」(マイク)
「でも、俺のルールは、周りのルールに合わせることなんだよ。でさぁ、そのルールは必ず実行すんの」
「何でも致します。あなた様の奴隷にしてください! どうか、どうか命だけは助けてくださ!」
「じゃあ、聞くけど、お前のルールでは、こうやって命ごいをしてくる奴を生かしておくのかな?」
「…」
マイクは言葉に詰まった。
ヤマーダに嘘は通じない。
最早、正直な答え以外に逃げ場はないのだ。
「…殺します」
マイクのか細い声。
「えっ?」(ヤマーダ)
「うっ…殺します。俺なら容赦なく殺します」(マイク)
「だよなぁ。なら、お前のルールに合わせると、俺はお前を殺さないといけないんじゃない?」
「ううっ、確かに今迄の俺なら殺します。でも、ううっ、これからの俺は助けるかもしれません」
「かもしれない」と発言する当たりに、まだマイクの本質が変わっていないと分かってしまう。
…ここまでかな
「分かった、助けてやるよ。だがまず、彼女達、奴隷所有権を放棄しろ」(ヤマーダ)
「うっ、分かりました。では、奴隷商人の下へ…」(マイク)
「必要ない。俺は奴隷商人でもあるからな」
ヤマーダによって、元奴隷少女6人は奴隷から解放された。
「で、マイク。お前には、俺がぶっ飛ばした奴と、町に残っている盗賊連中を全員捕まえて貰う」(ヤマーダ)
「うっ、手伝いたいのは山々なんですが、ううっ、この手足じゃ、ちょっと…」(マイク)
確かに今の芋虫状態では、数メートル動くのも大変だろう。
「これを飲め」
ヤマーダは《神水》入りの水筒を芋虫状態のマイクの口に注いでやる。
すると、マイクの身体は淡く光り、
「旨! おっ! おおっ! 痛みが取れたぞ! それに手足が普通に動く!」
五体満足となった。
「これで、捕まえられるだろう?」
ヤマーダがそう言うと、
「フッ、フフッ、バカじゃねえのか? こうなったらこっちのもんだぜ! 誰がテメエの言うことなんざ、聞くかよ!」(マイク)
綺麗なほどの手のひら返し。
「あ~ぁ、なんで態々(わざわざ)、地獄を見たいのかねぇ」(ヤマーダ)
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2時間後
芋虫と五体満足を何度も繰り返し、これで8回目の芋虫状態。
「ううっ、もぅ…殺して、うぅっ…ください」(マイク)
ヤマーダは7回目までマイクに言葉を一切聞かずに苦痛を与え続けた。
ミシェルやネーコが目を逸らすほどに…
フゥ…やっとか
ヤマーダはやっとマイクから望みの答えを聞けた。
人は生を完全に諦めた時、安らぎを求めて死を切望する。
その際、自我という欲望を捨て去り、驚くほどの心の平穏が訪れる。
これがキリストで言う〈復活〉であり、仏陀で言う〈悟り〉なのだ。
ヤマーダがマイクを回復させると、
「捕まえればよろしいのですね」
マイクの性格が別人のように変わっていた。
「あぁ、でも殺しちゃだめだぞ」(ヤマーダ)
「理解しております」(マイク)
「お前達の生活拠点は用意しておくから、このイッズームを携帯して連絡してくれ」
「はぁ…」
納得できないマイク。
「スライムに会話が通じるんで?」
『おいっ、お前! アッシをそんじょそこらのスライムと一緒にすんなよっ! この三下がぁーっ!』(イッズーム)
「す、すみませんでした!」(マイク)
「よしっ! これで盗賊問題は解決だな」
当初は盗賊達《弱肉強食の世紀末》へ強制送還する予定だったヤマーダ。
しかし、
偶然、マイクという下僕を得た。
だったら、盗賊達を《刑務所》に収容し、下僕に盗賊達を監守させようというプランに変更したのだった。
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元奴隷少女がヤマーダに近づいてくる。
「…あのぅ…助けてくれて…ありがとうございました」
マイクへの仕打ちを目の当たりにし、ヤマーダに怯えまくる元奴隷少女達の仮代表。
「…あたし達は…これから…どうなるのでしょうか?」(仮代表)
「…痛くしないでください、ご主人様」(少女B)
「…」(少女C)
「…何か…食べ物を」(少女D)
「…ご命令を…ご主人様」(少女E)
「…ご主人様」(少女F)
そこへ、
『アンタ達、アタシのヤマーダにやけに馴れ馴れしいわね』
ネーコがピシャリと釘を差す。
『もしかして、ヤマーダ。あんな奴隷が欲しかったんじゃないでしょうねぇ!?』(ネーコ)
「ち、違うよぉ。作戦だよ、作戦。町から出て行ってもらう一環だよ」(ヤマーダ)
その発言を聞いて、
「えっ! エバンから出ないといけないんですか?」(仮代表)
「出ないとって言うよりもエバンって、既に町として機能してないでしょ? だってさぁ、こんなに荒廃してんだよ? 単純にこんな所に安心して住めないでしょ」
「はぁ…ですが、あたし達には他に住む場所もありませんので…」
「えっ? 故郷に帰ればいいじゃん? なんだったら送るけど」
「故郷には帰れません、あたし達は売られましたので…」
やっぱり、そうなのか…
彼女達は家族から口減らしのために売られた存在だった。
当然、帰るわけにはいかない。
最早、故郷では奴隷商人の報復を恐れて、受け入れてはくれないからだ。
「なら、サリアさんに引き取ってもらってはいかがです?」(ミシェル)
「あっ! それ、いいね!」(ヤマーダ)
犯罪者達が捕まっていくことにより、
エバンに率先して残っている住民は、老人のみとなった。
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難しい顔をして、
「う~ん、困った」
ヤマーダは悩んでいた。
その後、
老人150人の住居を割り出し、移住を進めてみたが、案の定、ヤマーダ達の話に一切乗ってこなかった。
『もぅ、あんな分からず屋連中、死んじゃってもいいんじゃないの?』(ネーコ)
『そうっすよ、アッシらもちゃんと提案しましたし、もうマイホームに帰りましょうっすよ。どうせ、アイツらが死ぬのは自業自得ってヤツっすから』(イッズーム)
二人は既に老人連中を諦めており、帰りたいモードになっている。
「まぁ、その通りなんだけどさぁ…」(ヤマーダ)
「彼らがここに居残るのでしたら、食糧自給も断たれておりますし、近い内に餓死して全滅すると思いますが」
ミシェルの冷静な客観的見解。
そんな皆の意見に対して、
「俺も態々(わざわざ)、自殺志願者を止めようってつもりはないよ。でも、まだ何か出来るような気がしてさ」
ヤマーダとしては500人の犠牲者も出たことから、まだ何かしら支援してやりたい。
そんな仲間内での平行線の会話に、
『じゃあ、老人達って今はどんな生活してんの?』
マサオが現状の把握を提案してくる。
「う~ん、あんまり知らないなぁ。よくよく調べてみるか!」(ヤマーダ)
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ヤマーダ達は老人が住んでいる場所の情報を整理していく。
すると以下の点で共通した集団生活を送っていることが判った。
①生活用水、井戸が付近に整備済な住居。
②多少、引っ越しして集団で生活。
③食糧は過去に備蓄していた物で対応。
④お金は持っていない。
⑤農業や漁業など、労働活動をしていない。
つまり、ある程度は集団化していて、それなりの生活基盤を有しているのだ。
「どう思う?」(ヤマーダ)
『もっと簡単に死を受け入れていると思ってたっすけど、なんだかんだ言って生き残る準備はしてるみたいっすね』(イッズーム)
『お金を食料に変えていたって意外よね』(ネーコ)
『まだ、生きたい気持ちはあるってことでしょ。だったら、もっと生活基盤があって食料も充実している所があるなら、自分からエバンを出ていくんじゃないの?』(マサオ)
「なるほど、こっちから移住を迫るのではなく、老人達が自発的に出くようにするんですか…」(ミシェル)
『押してもダメなら、引いてみな』(マサオ)
「「「…」」」
皆、黙ってマサオをマジマジと見ていた。
「マサオ…お前、凄いじゃん!」
ヤマーダは感心している。
『エッヘン!』(マサオ)
この発言が無ければ、マサオも尊敬されるんだが…
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その後いつの間にか、エバンから東に程近くの肥沃な大地に、魔物避けの堀と外壁、頑丈な門扉が建設されていた。
ヤマーダ達がその噂を流す。
噂を聞いたエバンの老住民達が建設物を調査してみると、壁の内側には綺麗な小川が流れ、畑と果樹園が整備され、200人自給自足できる頑強な住居が建設されていたのだった。
そして、
エバンの老住民達は挙って東に出来た施設に移住し…
施設の所有権を巡り、奪い合う。
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数日後
港町エバンは住民不在の廃墟となった。
町としての機能を完全に失ったエバンは、ここに壊滅する。
そして、
エバン復興作戦は第3段階を終了する。
活動内容一覧
〈異空間〉
《ヤマザル村》経営班
ヤマーダ、ネーコ、マサオ、ミシェル、
イッズーム
たまにルル、アルベルト、ゴブジ
《ヤマザル村》農作業・建築・土工作業班
リチャード、マツコ、ソンチョウ、マサムネ
オーク村人
ゴブリン村人
《養鶏場》管理・育成班
コカちゃん達、コカくん達
ヤマザル村主婦連合会
ルル村主婦連合会
村外民主婦連合会
サキュバスメイド隊
《女王宮殿》建設班
ダイヒョウ
ゴブリン村民
ゴブリン村外民
ルル村出稼ぎ組
ノーラ村出稼ぎ組
イズ村出稼ぎ組
《マイホーム》管理班
ヤマーダメイド隊
《ロイヤル邸》管理班
サキュバスメイド隊
《竜族邸》管理班
サキュバスメイド隊
《刑務所》管理班(休止中→再活動)
ノーラout、ユクトout、マイクin
《造幣所》硬貨鋳造班
ノーラ、ユクト
《村外村》管理班
ヤマザル村外民
《村外村》農作業・建築・土工作業班
ダイスケ、ゴエモン
ゴブリン村外民
オーク村外民
オーガ村外民
《村外村》蜂蜜製造班
ハニー
蜜蜂隊の皆さん
村外民主婦連合会
《弱肉強食の世紀末》狩猟班
ボクシin
オーガ村外民
一目小僧食肉組合
《弱肉強食の世紀末》伐採・製材班
ゴエモンin
オーク村外民
《弱肉強食の世紀末》修行・鍛練班
ウランバルト、ナタリー、オルトス、シス、
シュバルツ、ハヤテin
ダイヒョウ、ゴブジ、オサ
ソンチョウ、マツコ、マサムネ
《仮移民村》管理運営
仮移民の皆さん
《仮移民村》農作業・建築指導班
ロン、ヤバル、フィリア、オミル、
ポーラin、チンin
ポーラ商会員new
チン商会員new
ゴブリン村外民の有志out
オーク村外民の有志out
オーガ村外民の有志out
〈表世界〉
《ルル村》管理班
ダイヒョウ、オサ
たまにルル
《ルル村》周辺警戒班
サソリ村外民
蜜蜂隊の皆さん
グリフォン村外民
《ノーラ村》管理班
ノーラ、ノール、ユクト
《ノーラ村》周辺警戒班
サソリ村外民
蜜蜂隊の皆さん
ヘルハウンド村外民
《イズ村》管理班
イズ村13スラ坊
イズエモン、イズサブロウ、イズノシン、
イズシチ、イズザル、イズベエ、イズムネ、
イズゴロウ、イズスケ、イズリ、イズシロウ、
イズゾウ、イズロク、イズジ
《イズ村》協力支援班
ハヤテ、ソンチョウ、ダイヒョウ、
アルベルト
《イズ村》周辺警戒班
サソリ村外民
蜜蜂隊の皆さん
《境界紛争地域→ハニー村new》周辺警戒班
ハニー
蜜蜂隊の皆さん
《エバン町》移民勧誘班→終了
ヤバルout、ポーラout、チンout
《エバン町→カラム町》旧領主監視班
イズリ
《エバン近郊移住地》開拓班new→解散
ゴブリン村外民の有志in、out
オーク村外民の有志in、out
オーガ村外民の有志in、out
〈異空間・表世界共通〉
《ヤマザル商店》管理班
ゴブジ
ルル村商工会
ノーラ村商工会
イズ村商工会
仮移民商工会
《ヤマクロ》寝具・服飾店
フジコ
サキュバスメイド隊
村外村一号店
ルル村二号店
ノーラ村三号店
《ヤマ魚》鮮魚店
アクアマリン
マーメイド魚群
イズ村一号店
ノーラ村二号店new
お花畑蜜収集団体
ハニー
ヤマザル村蜜蜂隊の皆さん
村外村蜜蜂隊の皆さん
ゴミ収集団体
イズム
ヤマザル村スライム収集団体の皆さん
村外村スライム収集団体の皆さん
ルル村スライム収集団体の皆さん
ノーラ村スライム収集団体の皆さん
イズ村スライム収集団体の皆さん
仮移民村スライム収集団体の有志
路線竜車
死神トカゲ運転手組合new
ヤマザル村周回コース
村外村周回コース
ルル村周回コース
ノーラ村周回コース
街道建設
ルル村 ↔️ ノーラ村(40%)
ノーラ村 ↔️ イズ村(40%)
ルル村 ↔️ 境界紛争地帯→ハニー村(15%)
ボクシ
オーク村外民
オーガ村外民
モフモフ要員
角ウサギ村外民
ケルちゃん、ケルくん達
イズムネットワーク
イズム:分裂体 2体
イッズーム:分裂体 1021体
〈協定関係〉
竜族同行班
ターニャ、エル、イズム
西の里班
ノーラ、ユノーラ、ノーレ
アヤカシギツネの皆さん
南海活動班
ポーラ、イズムネ
チン、イズスケ
オクト
マーメイド魚群
サリア組合
サリア、リン、ヒルダ、ノエル
《疾風の剣》、《森の狩人》、《蒼天》、
《裏通りの光》、《チームテルメ》
解放された元奴隷達
改心した元盗賊達
エバンで保護した元奴隷少女達new
竜の洞窟管理組合
《竜の守人》、《星の継承者》、《爆裂》
仲良く暮らす魔物達
大樹林保護活動推進委員会
マサオ、ワイン、オソスギ、イチスギ、
カラスギ、チョロスギ、トドスギ、
ジュウシスギ
仲良く暮らす魔物達
東部開拓組合
《鬼人塾》
オーガ町の魔物住民
サクラ町の魔物住民
アサガオ町の魔物住民
スミレ町の魔物住民
東部街道建設
オーガ町 ↔️ スミレ町(1%)new
サクラ町 ↔️ アサガオ町(1%)new
《異世界ヤマーダ管轄》一覧
ルル村
人口:6,500人
第一区画(岩壁内側)
・管理所
・斡旋所
・住居
・宿泊施設
・食糧保管庫
・農地
・ヤマザル商店
・ヤマクロ
・物見櫓
・路線竜車
第二区画(壁外側100m)
・農地
・東西南北監視所
・外周防護柵
第三区画(壁外側500m)
・農地整備中
・競竜場建設new
・東西南北監視所
・外周防護柵
区間外
・練習場new
ノーラ村
人口:2,100人
・待機場
・斡旋所
・住居
・宿泊施設
・食糧保管庫
・農地
・ヤマザル商店
・ヤマクロ
・ヤマ魚new
・路線竜車
・外周防護柵
イズ村
人口:200人
・管理所
・斡旋所
・住居
・宿泊施設
・商館
・食糧保管庫
・漁港
・ヤマザル商店
・ヤマクロ
・ヤマ魚new
・港湾施設new
・造船所(戦艦建造中)
・外周防護柵
境界紛争地域→ハニー村new
人口:20人
・会談会場
・管理所
・住居
・宿泊施設
・食糧保管庫
・農地
《空間魔法》一覧
ネーコの《空間魔法》
入口:ルル村
・ヤマザル村(人口:460人)
・路面維持管理
・路線竜車
・円卓会議棟
・ヤマーダハウス(地下室有)
・女王宮殿建設中
・農地
・実験場new
・花畑
・養鶏場
・海
ノーラの《空間魔法》
入口:ノーラ村
・刑務所(休止中→再活動)(囚人:93人)new
・造幣所
ヤマーダの《空間魔法》
入口:ノーラ村
・マイホーム
・ロイヤル邸
・遺体安置所
・牧草地
ルルの《空間魔法》
入口:ルル村
・食糧保管庫
・冷蔵室
ダイヒョウの《空間魔法》
入口:ルル村
・野外大集会場
ゴブジの《空間魔法》
入口:港町エバン
・仮移民村(人口:1500人)
・食糧保管庫
・農地
・牧場
・ヤマザル商店
イズムの《空間魔法》
入口:イズ村、ターニャ
・《転位》ポータル(使用不可)
イッズームの《空間魔法》new
入口:主要メンバー、地理的要衝、重要人物
・《転位》ポータルnew
ハヤテの《空間魔法》
入口:イズ村
・10m×10mの小空間
ソンチョウの《空間魔法》
入口:ノーラ村から北へ1,000m
・ヤマザル村外村(人口:40,800人)
・路面維持管理
・路線竜車
・花畑
・農地
・養鶏場
マツコの《空間魔法》
入口:ノーラ村から東へ1,000m
・ネーコと同じ《異空間》未使用
マサムネの《空間魔法》
入口:ノーラ村から南へ1,000m
・10m×10mの小空間
マサオの《空間魔法》
入口:ノーラ村から西へ1,000m
・弱肉強食の世紀末(人口:2,500人)
・修行、鍛練
・狩場
・製材所
ハニーの《空間魔法》
入口:《境界紛争地域》会談会場→ハニー村
・花畑
・蜂蜜製造所
ミシェルの《空間魔法》
入口:イズ村
・竜族邸
ボクシ、ダイスケ、ゴエモンの《空間魔法》
入口:未設定
・未設定
フジコの《空間魔法》
入口:ルル村
・ヤマクロ服飾工場
・ヤマクロ布団加工工場




