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『運命の人』
僕は、今日も探している。
僕が夢を持つようになってから、ずっと。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
午前零時二十三分、十四秒。
僕はいつも通り、パソコンに入っている配信アプリでとある配信を見ていた。
最近よく見る、弾き語りの配信が休憩に入った。
時計を見ると、午前零時二十五分になったところだった。
時計の真下のカーテンからは柔らかな月明かりが差し込んでいる。
少し休もう。
そう思い、アプリを閉じようとした時、ある言葉が目に入ってきた。
〘 自殺配信します 〙
特に興味を引くものでもなかったはずだ。
僕は人が自殺した瞬間を見たい、なんて変な趣味は持っていない。
すぐにでも運営に配信を中止させられるだろう。放っておけばいい。
そう思った。
けれど、気づけば僕はその配信を見ていた。
それは始まって十分にも満たない、短い配信だった。
「ぁ…!?」
だが、他とは全く違うところが1点ある。
僕はそれに気づき、思わず声を漏らした。
とたんに、僕は走り出していた。