世界
日本はある国の一つでしかない。世界には約196もの国が存在する、
そんな数広い世の中にはたくさんの出会いというものがある。・・・
一人の小学生の少年は最後の学校生活が終わる学年に入っていた。
その少年は一人、いわゆる孤独に陥っていた。1週間経った頃だろう
か、少年に声をかけようとする少女がいた。
「あ、あの。」
少女は緊張しながら話しかけた。少女は勇気を振り絞って一言一句丁
寧に慎重に言葉を選びながら話しかけようとしている。
少年は少し驚いたのかしばらく硬直していた。こんな自分に声をか
けてくるなんていったい何年ぶりくらいだろうか。少年は嬉しさと不
安が競り合いながら話した。
「な、なんでしょうか?」
「わ、私と友達になってください!」
少年はなぜか胸が高揚し始めた。友達になる、というのはこれから話
せ合える友達を持つことができたということだ。
少年の目は光がなかったように見えたが、次第に輝く太陽のように
光らせていた。新しい出会いというのは本当に数少ない確率で会える
いわば偶然のことだ。
少女はまだ緊張しているようで、早く答えてあげないと泣いてしま
いそうなくらい顔が赤くなっていた。
しばらくして少年は、
「はい!私で良ければ!」と、元気に快く承諾してくれた。
少女はその言葉を聞いた途端に今にも倒れそうなくらいの目まいと
嬉しさが身体にくるのがわかる。
こうして生まれた二人の友情がどうなってしまうのかは、だれにも
わからないだろう。運命を決めるのは二人だから。