7羽
もやもやとした嫌悪感の中ゆっくりと目が覚めていく。
ベットからダラダラと起き上がってただ床を見つめていると母さんが部屋をノックした。
「和樹君のお母さんから電話があるんだけど、ちょっと変わってくれない?」
そういうと母さんは階段を下りていった。
俺はひどく焦るような気持ちの中、階段をゆっくり音を立てないように歩き、家電の前まで行った。
母さんが早く出るようにと電話を指差す。
それに従うように俺は電話に出た。
不安そうに母さんが見てくるがそれを避けるように俺は背を向けた。
「ハイ、かわりました。」
ひどく緊張して電話に変わった。
「いきなりごめんなさいね。和樹の手紙、あなた宛なの。よかったら、読みに来てくれないかしらいきなり、本当にごめんなさいね。」
「わかりました。また伺います。」
それだけ話して俺は電話をきった。
ただ動悸がひどくした。
心配そうに母さんがまた俺を見てきた
「どんな電話だったの?あんた大丈夫?顔色悪いよ。和樹君みたいにあんた死んだりしないでよ」
そう母さんは俺につぶやいて、台所に消えていった。
胸が腐りそうになっていた。もし俺の心臓が見えるやつがいるのなら、腐りかけのトマトみたいに溶け出して脈打っているのが見えるんだと思う。
玄関を出て、自転車に乗った。朝になった風は寒くてで明るいのに俺には少しの日陰もひどく暗く感じた。
自転車を走らせても宮の家に行くほど胸焼けがして胸がムカムカした。
宮の家の前が少し見えるあたりで、俺はコースを外れて誰も居ない道を選んでただ自転車をグルグルと走らせた。
意味はない。ただ酷く不安で気持ちが悪かった。