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タロット  作者: だるま
3/9

3羽

先生が注意して向こうに行ってくださいといっても

彼らはあまり話を聞かない。


俺やみんなにマイクを向けて、ギャーギャーと

教えてください。

宮島君はどんな子でしたか。

いじめはありましたか。

彼は最近悩んでいましたか。

そう似たか寄ったかの答えを聞いてくる。

俺はとりあえず走った、聞かれるのが面倒だった。


帰り道で、宮の家に寄った。

周りはやっぱり報道陣がいて、インタビューをしてきた。

無視した。

人は死や不幸が大好きだ。

だから、俺は何も答えない。


俺は泣いている宮の家族に、ご愁傷様でしたといって頭を下げた。

喪服でもないただの学校帰りの制服姿の俺を宮の家族はありがとうと言って

許してくれた。


俺は宮のお母さんに、郵便が届いていたけど気が付かず。

今朝電話が来てポストを見たら奥のほうに宮からの手紙があったとうそを言った。

うそをつかなきゃ、俺が責められる。

おばさんは俺に、またありがとうと言って泣き崩れた。

俺は気まずくて顔をしかめた。


宮はいいやつだった。

だった、そう過去形だ。あいつは昨日、首をつって死んだ。

見つけたのは宮の親父さんで必死に首に巻かれた縄跳びの紐を切ったらしい。

紐を切っても、宮は助からなかった。

宮の首の骨は、折れていて生きていても、もう、前の宮にはなれなかったらしい。

どこかで読んだけど、一気に首をつると首の骨が折れてしまうらしい。

縄跳びの紐はピンクのビニール紐。宮らしくない代物だ。

縄跳びの紐は宮の妹の志保ちゃんの縄跳びだった。

宮は10歳離れた妹の志保ちゃんを馬鹿みたいに可愛がっていて

みんなからシスコンと呼ばれてからかわれてるぐらいだった。

妹が貸してあげると前日に縄跳びを貸したらしい。

宮は、妹が自分のせいだと責めるのがわかってたはずだ。

なのになんで、あいつはそんなもので死んだんだろう。




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