2羽
全校集会では報道等を見た生徒への説明。
そして死を悼むお言葉。
END
ざっとこんなもんだ。
泣いてるやつがたくさん見えた。
俺はあいつの親友だったよな、なのに俺は傍観者そのものだ。
当たり前のやつが消えて、何が起こったのかもわかってる。
俺は床を見た。何の変化もない前のだるい集会と変わらない。
変わらないはずなのに、校長が話している話は、俺の仲間が死んだ話
事故じゃない、自殺、自分を自分で殺した話だ。
分けわかんないよな。
何がおきたのかわかってんのに、わからない。
学校が終わって、下校が時間が早まった。
下駄箱についたとき、3人組の女子に呼ばれた
左の女が泣いていて、1人はそいつを支えてもう1人が俺をにらんだ。
泣いてる女は宮の、彼女。
「ねえ、あんた宮があんたの事親友だって言ってた。なのになんで何にも悲しそうじゃないの!泣かないとかじゃなくてあんた、何でそんなに平気そうなの
聞いたよ、さっき別に仲良くなかったって言ってたみたいじゃない!」
下駄箱近くのやつらが好奇心旺盛に見てくる。
俺は女から目をそらした。
「最近喧嘩してたから、そういったんだよ。まさか死んだなんて俺思ってなかったし。
だから今日来て俺、分けわかんなくて涙とか、そういう次元じゃねーンだ。
俺、今から宮ン家行ってくる。本当に死んだ確かめてくる
実はドッキリじゃねーのかって、、、俺、確かめてくる。じゃあな。」
そういって俺は背を向けて歩き出した。
宮の彼女はいっそう泣き出して女はうつむいて、それ以上何も言わなくなった。
校門前にはカメラを持った連中がチラホラいて、出てくるやつら全員に話を聞いてきた。
途中で先生が走ってきて、カメラマンを遠ざけた。
死は、金になるらしい。