1羽
「なあ、宮がさ自殺したんだって」
俺の隣の机にバンと強く音がした。
日焼けした黒い肌の腕が見えた。
うちのクラスは4組。
なのに1組に居るはずの川上将兵がべらべらと
その口を動かしている。
隣の白石直人はそれをうざそうに頬杖をついて聞いている
「宮って誰だよ」
白石は片眉を上げて下敷きを団扇がわりにして扇いでいる。
そろそろカレンダーでは夏の時期、こっちはカレンダーで夏に入らなくても
蒸し暑い。
「お前知らねーの?隣のクラスの宮島。」
「だーかーらー、隣って何組?5組?3組?」
はぁ、とため息をついて白石は俺を見た。
「お前、宮って知ってるか?」
知ってる。
ああ、知ってる。宮は俺の親友。
「ああ、宮島和樹だろ、俺中学2,3同級だった」
白石と川上はぎょっと俺を見た。
「マジかよ、じゃあよく知ってんじゃねーの?
もしかして友達つうか死んだってしってたのか?」
川上は俺の肩をつかんでぐらぐらと揺らしてくる。
「うっせーな、友達だったけどそんな仲良くねーよ。今朝宮島のおばさんから死んだとか電話来て知ってる。」
川上は飛びのくようにあとずさった。
「お前最悪だな!だって仲間死んだのにショックそーな顔もみせねーし!
白石!こいつ俺たちが死んでも悲しんでくれねーぞ」
白石は扇ぐのをやめてはぁ、と大きくため息をついた。
「川上お前向こういけよ、もう授業だぞ。」
あわてたように川上は黒板の上にある時計を見て、走って教室を出て行った。
白石は少し目をこちらに向けた。
「宮、しらねーって言っといたけど。お前」
「何」
俺がそういうと、白石は天井を見上げた。
「やっぱ、なんでもねーよ。次の時間、英語ないらしーぞ全校集会とかだってよ。」
「そっか。」
クラスのザワザワした話し声の中には宮島という単語が多く聞こえた。
俺はなんとなく、かばんを見た。
かばんの中には、宮の手紙が入っている。
3日前、俺に届いた手紙だ。
3日前、俺のうちにご丁寧に郵便で届いた手紙。
内容はまだ読んでない。
俺は宮が死ぬことを知っていた。
宮は俺に帰り道で
「なあ池上、俺死ぬから。手紙送るからそれ俺が死んだら開けて読めよ、それまで開けんなよ」
そうあいつはゲラゲラ笑いながら言った。
正直俺は、半分冗談に思ってた。
でも半分はどこかで本気かもしれないなコイツって思ってた。
そう思った理由なんてない、ただあいつは。
やめよう、考えても仕方がない。
誤字脱字は見逃してください。
多分更新はかなりトロイと思います。
ぶっちゃけ期待もしないでください汗
内容的にもお粗末かもしれません汗
読んで下さった方ありがとうございます。