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異世界転移したけどチートがなんか気持ち悪い  作者: Mei2
7章 息継ぎと希望
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7-11 邪推診察



「んー、なるほどねー」


白衣を着たゼフィーが、カルテのようなものに何かを書きこむ。さながら医者のようだった。


シューミルをゼフィーのところに連れて行き、魔法が異常なくらいの威力を持っていたことを話すと診察すると言い出しこうなったのだ。


「他に体の調子がおかしかったとか、頭がボーっとしたとかはない?」

「あったと言われればあったような・・・なかったと言われればなかったような・・・意識するほどのものはなかったです」

「じゃあ、魔力を高めるような道具を持っている・・・ってこともないよね」

「いえ、全く」

「ふーん・・・・」


何かわかったのだろうか。もったいぶらずに言ってほしい。シューミルも少し不安そうだ。


「はーい、それじゃ服脱いで」

「!?」

「冗談冗談。ゼフィージョークだよー。もう少し待ってねー」


真面目にやってくれよ・・・と若干困惑しながら待つ。それから三分ほどしてゼフィーがカルテを見せてきた。


シューミルのスケッチだった。ただ、実際はしっかり服を着ているのに対し、絵の方は服がはだけていて、潤んだ瞳でこっちをじっと見つめている。


「おい」

「上手でしょー。ってのはこれもゼフィージョークで、こっちが本物」


渡された紙には、たった三文。


『魔力が低い=自己と魔力の境界線が薄い』

『空気中の魔力密度が濃い→魔法発動時にそれらを巻き込んで威力上昇?』

『ところで、襲われかけた時実は致してたりするよね?』


「しないから」

「ちぇー。つまんない」


どういうことですか? といいたげな顔をするシューミルを差し置き、余計な会話を突っ込んでくるゼフィー。多分だけどこの診察モドキも絵のモデルにするための口実だったような気がする。


「とにかく、シューミルちゃんが魔法を定期的に使っていくときは時と場合に気を付けること。あとは魔力が低いから気絶しちゃってもいいように誰かが居る時がいいかな。わかった?」

「はい、わかりました。気を付けます」

「うんうん、それじゃあお兄ちゃんも定期的に鬼神の魔眼で魔力が増えすぎてないか確認してあげてね」

「わかった」


これでゼフィーの診察は終了! といい感じにまとめてスケッチを自分の机に戻そうとしたのでそれを取り上げて処分してから部屋を出た。





「ご主人様」


今日は七日目、夜更かしの日なので、そろそろしたらひと眠りしておこうと思っていたころに、シューミルが話しかけた。


「どうした?」

「その・・・、私が変になっていた時、何もしなかったですか?」

「そ、そりゃもちろん。明らかに様子がおかしいのは分かったしね」


恥ずかしいので一瞬迷ったことは言わない。それにそっちのほうがシューミルも安心するだろう。


「・・・・そうですか」


ユートの言葉を聞いても、安心した様子は無い。あれ、信用されてないの!?


シューミルが部屋を出ていこうとする。どこに行くか尋ねると、夏芽姉さんに料理について聞いてくる、だそうだ。


一体なんと言うべきだったんだ、と疑問に思いながら、ユートは床についた。




「さて、全員そろったわね」


夏芽さんが紅茶を注ぎながら言う。外は赤いままだけど、時計の針は11時を指していた。


「今日は何をするか・・・と言いたいとこだが」


稔さんが突然椅子から立ち上がり、ライフル銃を取り出した。


そのまま窓から身を乗り出し、空に向けて発砲する。

「私も加勢するわ」


夏芽さんも空に次々と魔法を放っていく。カラフルな光が空に散っていき綺麗だった。


ゼフィーはやれやれと言いたげに紅茶を啜っている。何をしているのかを聞くと、的当て、だそうだ。


加勢しようにも目的も手段も無いので、じっと空を眺めていると、しばらくして一点、小さな黒が見えた。

黒点は段々と大きくなり、その形がはっきりと分かるようになる。どうやら鳥らしい。


「魔物が来たんですか!?」

「その百倍はタチが悪りぃな!」


稔さんはいつの間にか散弾銃に持ち替え、発砲し続けている。これではさっき部屋に戻っていったシューミルは飛び起きていることだろう。


真っ黒のカラスのような鳥だが、鷲よりも、それどころか小型飛行機くらいの大きさがあるように見える。それがこっちにグングンと一直線に向かって来て、銃弾や魔法を躱し、あるいは弾いて飛んでくる。痛くも痒くもないと言わんばかりだった。


それはついに家の真上を旋回し始め、嘲るようにカァカァと鳴いた。そしてひとしきり鳴いた後、満足したように元の方向へ帰って行った。


「チッ! また殺り損なったか!」


まだ煙が出ている銃を持ったまま、腹立たしげにそう言う。


「とにかく連絡は連絡なんだしー、受け取りに行こうよ」ゼフィーが宥めるように言い、立ち上がる。ちょっと待っててと言い家を出てすぐ、重石のついた手紙を持ってくる。白い、なんの飾り気も無い手紙だった。


「えっとねー、内容は・・・・」





次回で七章は終わりです。

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