↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移したけどチートがなんか気持ち悪い  作者: Mei2
7章 息継ぎと希望
91/104

7-9 夜這いとおもちゃ

少しだけエロ表現を含みます。苦手な方は飛ばしてください。




夜。


今日はゼフィーと昼寝していたため、眠りが浅かったのが幸いした。


目を覚ます直前のような夢と現が入り混じった虚ろな世界の中に、突如重たいものが落ちてきた。


シューミルはあまり寝相がいいとは言えないので、時々こうやってのしかかってくることがある。そう重たいわけではないので苦ではないのだが、やはり眠りが浅いと気になる。ユートはシューミルにもう一度寝返りを打たせるべく瞼を持ち上げた。


「――――――――シューミル?」


自分を枕にしているのだと思ったが、シューミルはお腹にまたがるようにして座っている。薄暗い部屋と長い髪のせいで、表情までは見えなかった。


何してるの? と聞こうとした瞬間、倒れこむようにして抱きすくめられる。


「ご主人様・・・・」


後ろに手を回し、体に顔を押し付けるようにしている。


「どうした? 変な夢でも見た?」


その質問には答えずに、ゆっくりと頭を持ち上げ、こっちを見据える。


うるんだ瞳がじっとこちらを見つめている。赤く上気した頬は、暗闇の中でもわかるほどだった。


「え――――――――っ!?」


それを認識するや否や、何のためらいもなく顔が迫ってきて――――そう、有り体に言えば、キスされたのである。


突然の出来事に思考が空転し、なすが儘になる。


「ん・・・ちゅ・・・・んぅ・・・・」


シューミルの舌先が口内をかけずり、柔らかい匂いが鼻腔を占める。どのくらいの時間が経ったかはわからないが、ようやく口が離れた時には唾液が唇を繋いでいた。


「ご主人様♪」


シューミルが妖艶に笑む。普段は健康的な少女の蕩けた表情が持つ破壊力をユートは初めて知った。


少しはだけた寝間着から覗く首筋は滑らかに外の紅い光に照らされて映えている。ユートはシューミルの肩に手を伸ばし―――――



・・・って、いかんいかん。普段と比べて明らかにシューミルの様子がおかしいのに、一体何をしようとしていたんだ。


僅差で理性が打ち勝ち脳の再起動に成功したユートは即座にベッドから離脱、そのまま部屋から飛び出して呼吸を整えた。ついでに頬をこれでもかと抓ったが、そのまま痛むだけだった。


部屋の中からシューミルが呼ぶ声が聞こえてきた。これは何らかの異変が起きているに違いないと判断し、善は急げとすぐ隣の夏芽さんの部屋の戸を叩いた。深夜だが、この際仕方がないだろう。


しばらく戸を叩いて呼びかけたが、熟睡しているのか返事よりも先にシューミルが部屋から出てきてしまった。ふらふらと酔ったような足取りでこちらのほうへ歩いてくる。


ダメ元で〈鬼神の魔眼〉を発動したが、全く効果が無い。むしろ恍惚とした様子でこっちへ向かってくる。そして、倒れるように抱き着いてくるのと、夏芽さんの部屋のドアが開くのは同時だった。


「一体何の用かしら・・・きゃっ!?」


シューミルに押されて体勢を崩し、寄りかかっていたドアが急に開いてしまったせいでそのまま寝ぼけ眼の夏芽さんに倒れこむ。ドミノ倒しのようになってしまい、次の瞬間には女の子がパンのサンドイッチができていた。前の方が柔らかかった。ええ、とっても。


「え、えと、あ、あの・・・」


慌てて弁明しようが言葉が紡げない。その結果は・・・・・


ペシーン、それだけで事足りるだろう。



___________________________________



「それで、こうなったと」

「はい・・・・・・・」


手の型がくっきり残った頬をさすりながら首肯する。夏芽さんはふて寝してしまったので、今は代わりに稔さんが対処してくれた。


シューミルは顔だけ出した状態で布団に簀巻きにされて拘束されている。まだ症状は落ち着かないようだ。


暗いところで見ると淫靡だった表情も、拘束された状態、明るい環境で見るとただの残念な人だ。一体どうしたことやら・・・


「一つばかり心当たりはあるが・・・・詳しく説明するのも時間がもったいないから対処してからにするか。ユート、鬼神の魔眼で魔力を確認してくれないか?」


言われたとおりに鬼神の魔眼を発動、ステータスを開いた。



シューミル /女性-15歳 奴隷

体力 112/112

魔力 36/9

腕力 43

知力 45

敏捷 72

耐性 73

スキル

《短刀術Lv5》(体力小強化)




「魔力が不思議なくらい最大値を超えていました」

「前々から少し気になっていたんだが・・・・とりあえずそれが原因だから、いったん限界まで魔法を使わせよう」


二人でシューミルを担ぎ出し、外に出した。


「射撃(ショット)でいいから、うまく魔法を使わせてくれ」

「だってさ。シューミル、確かちょっとは習ったんでしょ? やってみて?」

「ぅゆ・・・?」


会話が成立しない。魔力を抜きたいならモーガンさんの吸魔の奪撃(ドレインタッチ)があれば便利なんだけどな・・・・


片手だけ引っ張り出して目の前で実演して見せる。


「手をこうやって前に出して、魔力をためる感じにして、【射撃(ショット)】」

「にゃあ・・・♪」


射撃(ショット)が命中した石を目で追っては楽しそうにしている。ダメみたいだ。


ほかに何か魔法を発動させる方法は・・・・


もちろん魔法を吸い上げるようなスキルも道具もないのだが、少し気になることがあった。


〈身体収納(ストレージ)〉を発動、前には全く反応してくれなかった猫じゃらしを出してみた。


「ほら、猫じゃらしー」

「にゃあぁ♪」


うん、より猫っぽくなってたからどうだろうと思っていたけど、なんか凄く反応してくれた。今ならいけそうだ。


もう一度〈身体収納(ストレージ)〉、稔さんに作ってもらった二つ目のアイテムを取り出す。


小さなゼンマイ仕掛けの車のおもちゃだ。


それを地面に置いて引っ張ってから、手を放す。


「にゃあん♪」


手をパタパタと振り回して捕まえようとするような仕草をしている。これならどうだ?


「ほら、シューミル! あれを狙え!」


再度、射撃(ショット)の説明をしながら狙わせる。あれを何としてでも仕留めたくなったのか、しっかり聞いてくれた。


「【射撃(ショット)】にゃあ♪」


パァン! と激しい音がして、魔力の塊が射出される。そして稔さんが出してくれたおもちゃに、見事命中。


「嘘だろ・・・・」


明らかに魔力をつぎ込みすぎた射撃(ショット)の威力は凄まじく、粉々になってしまった。明らかに初心者のそれではない。魔力を一発で出し切ってしまったようだ。


ユート達は恐る恐る、魔力切れで気絶した簀巻きシューミルを家に運び入れるのだった。





実は今回相当迷っていたのですが、こういうエロ回って無い方がいいでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。