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1-5 パーティー加入

ユートが剣を横薙ぎに振り抜く。がつっとしっかりしたした手ごたえが一瞬返ってきて、直後、腕を切り飛ばされた紫色の肌をした豚のような猪のような頭をした人型の魔物の、ギュァアという断末魔。


その隙を逃さず、剣で二撃目を食らわせる、今度は首にヒットし、今度こそ完全に絶命した。


「お疲れさま! これでオークは・・・・五体目だね! やっぱりキミ、筋がいいよ!」


ユミナさんが引いてきた台車に、オークを積み込みながら言う。ユートは右腕にかかってしまった返り血をぬぐいながら、いえいえ、ユミナさんのおかげですよ、と返事した。


ユミナさんのおかげと言うのはまんざら謙遜ではない。実際、最初に見かけたときは恐ろしかったし、やっぱり逃げ出そうかと思ったりもした。


けど、ユミナさんはお手本だと言って気づかれる前に一撃で仕留めて見せたし、もともとオークのステータスは明らかに格下で、そこにユミナさんが《応援》スキルでステータス上昇、後ろでタイミングを教えてくれたりして、まあなんとかこうして戦えているのだ。ユミナさんは慣れだと言っているが、多少不安だったりするのだ。


「はいはいじゃあ次行くよー! って、そろそろ時間か。どうする? もう少しやる?」


言われて気づいたが、確かにもうそろそろ夕方だ。台車もオークでいっぱいになりつつある。


「じゃあ、帰り道見かけたらそれを倒して、帰りましょう」


そうだね! とユミナさんが答える。ユートは台車の向きを変えて、城門の方を目指した。



________________________________________



「っはー! やっぱり酒はいいねぇ!」


どんっ! とジョッキを叩きつけて、もう完全に出来上がっているユミナさんが言う。ここは冒険者ギルドの食堂。もちろん、今日も盛り上がっていた。


ユミナさんも命のやり取りをするようなこんな職業の人間だけど、こういうときは普通の女の子に見え・・・・いや、普通の酒好き女上司か。


「いやぁ、やっぱりオーク肉はごちそうだわー。ね、キミもそう思うでしょ?」

「はい。確かに美味しいと・・・・・ってこれオークなんですか!?」


ユミナさんは当然のことのように、ん?そうだけど?と聞き返してくる。


「ちょっと初耳でした・・・てっきり豚肉かと」

「ついでに言えば、確か帰ってきたときは他にオーク狩ってきた人居なかったっぽいし、多分私たちが狩ってきた奴だと思うよ?」


まじか・・・・・・。別に愛着があるわけでもないけど、やはり知らないうちに自分で殺した魔物を食べていたと知ると驚く。


「ところでユミナさん、明日は冒険者なんですか?」

「明日はタイクツな受付さ。座って依頼書並べたりするだけのかーんたんなお仕事」

「そうなんですか。まあ、頑張って下さい」


そうすると一人でやることになるのか・・・・。少し心配だな。


「ん? ああ、寂しい? ・・・・うそうそ。誰かのパーティーに入れてもらったら? そうだね、おーいクラン! いるかーい?」

「おう!!」


声が聞こえて暫くして、ユートより二、三歳上くらいの、茶色の髪の青年が来た。確か鎧を着ている時を昨日ギルドで見かけた気がする。


「ねぇクラン、この子、新人なんだけど、結構筋がいいのよ。んでんで、ちょうどクランたちメンバー増やそうかって言ってたじゃん? どうどう?」

「オレも見たところは結構出来そうだと思ってたぜ! なあファスター、ファム、アカリ、どう思う?」

「ああ、なかなかだと思ってたっスよ?」

「にしても黒髪ってのは少し珍しいっさね。まあいいんじゃない?」

「あっ、私もいいかなって思います!」

「―――って言ってるけど、どう?」

「えーっと・・・」


ノリの軽そうな、キツネ目で長身の男、赤髪をポニーテールに括った女、栗色の髪をボブカットにした少し背の低い少女がやってくる。それぞれ、ファスター、ファム、アカリと言うらしい。


四人一組のパーティーなのだろう。年齢は皆ユートより少し上で、とても仲がよさそうだ。あまり無理をさせるタイプにも見えないし、和気あいあいとしている。入ってみるのもいいだろう。


「はい! よろしくお願いします、クランさん!」

「おう、クランでいいぜ! 明日からよろしくだろうよ!」


リーダーなのだろう、クランと握手を交わして、ユートはこのパーティーに加入した。




※この世界のE~Cクラス程度の冒険者は生活分のお金を稼ぐためにやっているだけであり、基本的に「一対ニ、三くらいならまだ大丈夫」程度のマージンを取って戦う魔物を選んでいます。

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