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6-3 魔道具相撲

明日も出します。

よければ読了後のポチッ☆お願いします。




「ご主人様、なんでしょうか? あれ」


シューミルが指さした先には、「魔法力・腕力腕相撲大会!!」と大きく書かれた看板を掲げたテントがある。


どうやら、腕の形をした魔道具に魔力を籠めて、それで腕相撲をするか、力で腕相撲をするかを選べる腕相撲大会らしい。


「まだまだ挑戦者は募集しているよ~! 魔力自慢も力自慢も、じゃんじゃん集まって来いやぁ!!!」


客引きをするのは浅黒い肌の学生だ。筋肉質な腕を大きく振り回してアピールしている。


どうやら、生徒3人を勝ち抜くと、チャンピオンへの挑戦権が与えられ、それに打ち勝つと次のチャンピオンとなり、一定数防衛線に勝利するか一定時間が経過すると商品が貰える、というルールらしい。


「面白そうだし、ちょっとやってみるか」

「おっ、興味があるのかい?」

「はい。これは途中でどっちでやるかを切り替えてもいいんですか?」

「もちろんさ! どこで休憩を挟むかが勝利のコツだから、よぉく覚えとけよ。んじゃ一回戦!」


まだやるとは言っていないが、半ば強制的に参加が決定してしまった。まあやるつもりだったからいいけど。


最初に出てきたのは・・・・・さっきの客引きの男だった。名札を見るに、ゴンというらしい。


「さぁ始めようかぁ! 第一回戦! 最初はどっちを選ぶのか!」


自分で実況しながら一回戦の準備をしている。一回戦で出て来るってことは、見かけによらず弱いのか・・・?


「じゃあ、魔力でお願いします」


魔力を籠めて腕相撲をするというのがイマイチよくわからなかったので、今のうちに経験しておくためだ。舐めプとか言われかねないが、初挑戦なので仕方ないだろう。


「よっしゃあ! じゃあ俺も魔力を選ぶぜ!!」


と、腕相撲魔道具に手を伸ばす。魔力も使えるのか。これは油断ならないな。


「それじゃあ始めようか、レッツ、腕相撲!」


合図用の魔道具が作動し、10カウントがスタートする。


ユートはカウントがゼロになると同時に、3割くらいの魔力をこめておいた。


ピッ、と笛の音がすると同時に、魔道具が動き出す。


一秒後には、勝負がついていた。ユートの圧勝である。試合終了の笛が鳴ったのは、開始とほぼ同時だった。


「うおおおおおお、圧勝、圧勝だぁッ!! これは期待のルーキー、もしかすると新チャンピオンの登場かぁ!?」


敗北を悔しがりながら同時に実況をするという器用なことをやってのけながら、ゴンは奥に手招きをする。多分今のは一回戦突破はさせようという話が通っていて、あえて魔道具を使って手加減したのだろう。腕力に自信がないわけではないが、多分こいつと力比べしたらまぁ勝てる気がしない。


「それでは二回戦、準備はいいかぁ!?」

「はい。次も魔力で」


《再生力》もあることだし、もう少し節約すれば別に力に頼ることもないだろう。


次に出てきたガリ勉風丸メガネのノッポ少年も、なぜか見かけによらず腕力を選択し、あっさりと負けた。魔力を一割消費くらいにしてみたが、かなり余裕だった。


それから三回戦に至っては女の子が出てきて、これも腕力を選択し、もちろん余裕で負けた。


シューミルは素直に喜んでいるようだが、どういうことだろうか・・・?


「さぁここまで余裕の勝利で勝ち抜けてきたダークホース、次は最終戦、チャンピオンとのガチンコ勝負だぁっ!! 決戦は五分後、この勝負やいかに!?」


いつの間にか増えていた観客をひとしきり煽った後、ゴンがチョイチョイと手招きする。


それに案内されるとおりに、奥のほうに通される。さっきのガリ勉少年と女の子もいた。


「あー、お前さんもそろそろ気付いていると思うが・・・・」


さっきの威勢はどうしたのか、急に歯切れが悪くなる。


「これ、俺たちが明らかに手抜きをしていたよな。あれは少し事情があるんだ。気分を害していたのならすまない」

「いえいえ、なぜだろうとは思ってたけど、怒ってはないよ。で、その事情ってのは?」

「チャンピオンのことなんだ」


奥のほうを指さされる。個室式になった簡易テントが置いてあった。


「一番最初のチャンピオンを誰にしようか、って話になって、先生が出てくれるしてことになったんだ。・・・・・で、それが思ったより強くて、誰も塗り替えることが出来ていない、という困った問題が発生してしまってな。最初の三回戦で消耗させては勝てるモンも勝てなくなるから、手加減をしたんだ」


大人げない先生だこと。そういうのってある程度のタイミングでわざと負けるものじゃ・・・


「ちなみに、これまでの連勝数は?」

「えっと・・・14連勝だ。どれも瞬殺だった」


凄い魔力量だ。今現在残り魔力が六割ほど。全部ぶつけるなんて真似はしたくないが、勝てるのなら勝ちたいという思いも多少ある。


「わかりました。出来るだけやってみます」

「そうか! そういってくれると助かるぜ!!」


腕をがっしりと掴まれる。力が入りすぎていて痛い。


けど、こうやって期待されるのも、悪くないな。



ぼちぼち登場人物が増えていますが、一話割り込みか何かで人物設定表を作ったほうがいいでしょうか?

私としては作っても構わないんですが、ネタバレかよおいみたいなこと言う人もいそうだなー、と思いまして。

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